上 下
171 / 589
6章

灰蛇の処理

しおりを挟む
「……てめえ、何もんだ?」

 そうして睨み合っていると、今しがた倒した男なんかとは違って覇気の溢れる男が俺に向かって問いかけてきた。

「そういうあんたは灰蛇の頭で合ってるか? アレックス」
「チッ。……ああそうだ。で、お前は何もんだ。どっから来た」

 俺がアレックスと呼んだ男は名前がバレているからか、苛立たしげに舌打ちをしてから肯定した。
 植物たちに聞いた情報の確認のために聞いたのだが、どうやら合っているようだ。こうなったら他の情報もあっているだろうし、隠し通路なんかは『影』達に任せておけばいいだろう。

「そうだなあ……。我こそは天下に名を轟かせしなんたらかんたら——なんて名乗るとでも思ってんのか? 名乗るわけねえだろうが」

 相手には名前を答えてもらっておいてなんだが、俺は答える気なんてない。まあそもそも名前なんて言ったところでわからないだろうし、轟かせてもいないけど。
 ……って、自分で言っておいてなんだが、なんかテンションおかしいな。なんかの薬や魔法にかかったってわけでもなさそうだし……もしかして大会の余韻とかか? みんなでの勝利に酔ってるとかそんなん。
 まあ大会自体は楽しかったし嬉しかったけど、まさか俺がそんなんでおかしくなるタマか?

 ……なんにしても、こいつらを片付けるって結論は変わらないわけだし、さっさと終わらせよう。俺のテンションについては後から考えればいい。そうしよう。

「まさかとは思うが、何をしに来たのか、まで聞くつもりはないよな?」

 灰蛇の支配してる領域ってのはこの建物だけじゃない。ここに辿り着く前にもすでに灰蛇のメンバーたちがいたのだ。その中を通ってきたってことはすでに戦闘を行なってきたってことであり、つまりはカチコミだ。それを間違えるほどこいつらも耄碌してないだろ。

「俺たちを潰そうってか。俺たちが誰だかわかって言ってんだよな? バックに誰がいんのかわかってんのか?」
「さあどうだろうな? 俺最初にお前らが灰蛇かって聞いたのに答えてくんなかったし、もしかしたら俺の予想とお前らが違ってるかも知んねえな」

 そんなふうに戯けて見せるが、実際のところ誰がいるのかなんて分かっている。本人から直接聞いたんだし間違えようがない。確か第二王子の方とも繋がってたはずだが、今回はそいつはあまり関わっていない様なのでこいつらを通じてどうにか処理することもできないが、現在の邪魔者である王女の方は処理できるので良しとしておこう。

「それに、お前らの後ろに誰がいようとかんけえねえよ。それがたとえどこぞのお姫様だったとしてもな」

 その言葉で俺が灰蛇の後ろ盾について理解した上でここを襲っているんだと伝わったようで、王女を相手にしてもなお引かない俺に対して眉を顰めている。

「この数を相手に一人でってか。見たところ人間だろてめえは」
「人間だけど、それがどうした?」
「……声と体格からしててめえはまだガキだ。人間のガキが天職を高位階まで上げられるわけがねえし、いくら体術や剣が得意だって言っても、こんだけ囲まれりゃあ意味がねえだろ」

 あー……まあ普通はそうだよな。エルフでもないかぎり見た目=年齢だ。そうなると当然ながら天職を鍛える時間はどうしたって限られてくる。
 だが、それは普通なら、の話だ。普通に鍛えたのなら確かに位階は低いだろうが、あいにくと俺は普通じゃないんだ。自分で言っておいてなんだがな。

「今ならまだ優しく捕まえて売るだけにしてやっから、大人しく捕まっとけ。強がってもいいことなんざねえんだからよ」
「ああ、売りはするんだ。まあ当然かな。でも……やだなあ。強がりなんかじゃないって」

 強がりなんかじゃない。ここではスキルの使用を制限する必要なんてないんだし、いまだに舐めてかかるようなこいつら程度じゃ勝てるはずがないだろ。

「証明してやっからかかってこいよ、クソザコども」
「調子に乗ってんじゃね——ぎゃあああああっ!」

 挑発してやると俺の近くにいた男の一人が左手に持っていた剣を抜こうとしたので、何かさせる前にその場にいた敵全員を対象としてスキルを使い、種をばら撒いた。

「どうしてお前らみたいなのっていつもワンパターンなんだろうな?」
「なっ、何しやがったっ!」

 それでも流石は首都で幅を利かせている裏組織のメンバー達。どうやらたった一回の播種だけでは全員を倒すことはできなかったようだ。
 突然の呼び動作なしの攻撃だったはずなのに、仲間を盾にしたりスキルを使ったりして身を守ったために、完全に防げはしなかったものの戦いに影響がない程度にしか喰らっていない。

「テンプレなセリフをありがとう。ならこっちもテンプレで返そうかな。——何をしたのかなんて、言うと思うか?」
「てめえら、やれええっ!」

 ことここに至ってようやく俺が危険な存在だと理解できたのか、奥でふんぞりかえっていたアレックスは立ち上がると焦燥感の滲んでいる声で指示を叫ぶ。

 その指示が下された瞬間、矢が放たれた。指示を受けてから行動するまでのラグが短かったのはそれだけ残っている奴らが優秀だということの証明なのだが、それをもうちょっとマシな方向で発揮してくれればいいのにと思う。

 だが、そんなふうに飛んできた矢ではあるが、その数はせいぜい三十本程度。俺は両手を広げて《スリ》のスキルを使うだけで簡単に無効化することができた。

 が、そんな矢の対処をしている間に準備が整ったようで、お次は魔法が飛んできた。
 その魔法は弾幕と言ってもいいほどにこちらに向かってきており、いろんな属性の魔法が使われているためになかなか綺麗な光景だった。

 しかしそのまま見ているだけだと流石に死んでしまうので、目の前に案山子を十体ほど出して壁にすることで飛んできた魔法を防ぐ。

 魔法を防いだ直後には案山子を切りながら接近してきた奴らがいたので、顔面に種を食らわせて怯ませたところで、触って頭部を肥料化する。

 剣や拳で襲いかかってきた奴らに対応していると、手の届かない位置から槍が放たれた。
 本来なら播種を使って牽制したいところなのだが、あいにくと今は手のなかの種を使い果たし手いる状態だ。ポーチに手を入れているのでは間に合わないので、潅水を使って洪水のような水を生み出しすことで相手を吹き飛ばす。

「てめえらガキだと思って油断すんじゃねえ! 前衛は倒すことより足止めを狙え! 後衛は大技の準備をしろ!」

 灰蛇のボスであるアレックスの指示を受け、今まで積極的に攻撃してきていた敵は一転して消極的な守りの戦いをするようになり、遠距離部隊が再び魔法を準備し始めた。

 確かにそう動かれちゃあ魔法が完成する前にこいつらの守りを抜くことは難しいだろう。だが、そもそも俺は守りを抜ける必要なんてないんだよ。

 《意思疎通》を使って天井の隅に生えていた苔から見える光景を共有してもらい、それによって確認した魔法使い達に狙いを定めて種を飛ばす。
 突如訳のわからない攻撃を受けた魔法使い達は、その痛みと衝撃で魔法の準備を途中で止めてしまった。

 それによってお互いの攻撃が止まり、俺たちはまた睨み合うことになった。

「これだけやってもまだ諦めないのは素直にすごいと思うよ。無駄な足掻きだけど」

 そもそも本当に潰そうと考えたら天地返しを使って地盤ごと建物をひっくり返せば終わるのだ。やったらものすごく目立つし、中にあるお宝が回収できないとか誰がいないのかの確認が面倒だからとかの理由があるからやらないだけで、潰すだけなら一瞬で終わるんだよ。

「まだだ! まだこっちにゃ戦力が残ってる! 今の戦いでお前が殺したのはほんの数人だけだ! 動けなくなったやつなんて三割にも満たねえ程度しかいねえんだ!」

 だが、ここまできても今まで裏組織をまとめてきたプライドがあるからか、諦めてはくれないようだ。

「素直に諦めてくれればな、なんて思ったんだが……やっぱそうは行かないか」
「てめえらあっ! やれえええええっ!」

 そんなアレックスの悲鳴にも思える叫びが響いたが……

「ガアアアアアアアッ!?」

 もう遊びはおしまいでいいだろ。

「……はっ!? な、なんだ! 何が起きたってんだ!」

 こいつらは多い少ないはあれど、ほぼ全員が播種を食らってるんだ。だったら、後はそれを《生長》させてやるだけで激痛が走ることになる。身体中の肉を貫いて神経に絡みつき圧迫するんだ。痛くないはずがない。

「さーて、お話の時間だ。よく考えようか」

 誰もが呻き声を上げながらのたうちまわる建物の中で、一人だけ狼狽えながらもまともに話すことのできる人物が一人。灰蛇のボスであるアレックスだ。

 そんなアレックスに話しかけながら、俺はポーチから種を取り出しつつゆっくりと近づいていく。

「伝言をしたのに、性懲りも無く第三王女様を襲ったのはなんでだ?」

「第三王女だと? ……やっぱりお前、例の化け物かよ」
「え、今更気が付いたのか?」

 これだけやって今まで気づかなかったのか? それはちょっと裏組織の頭としてどうなんだ? 
 いや多少は気が付いてたみたいだけど、ここまでやって確信が持てないってのもまずいと思う。ここ最近はこの街の最王手だったから調子に乗ったり油断したのかもしれないけど、そんなんだと俺が何かしなくてもそのうち潰れてたんじゃないだろうか?

 ……ああでも、顔面溶かして帰したりしてたからな。今の播種と生長のコンボを使う戦い方とは別物だ。多分予想していた天職と違ったから気づけなかったってのはあるかもしれない。予想してたのは……なんだろ。闇魔法とか? 自分たちの雇い主が使う魔法だし、それを思い浮かべてもおかしくはないと思う。
 ……でも、化け物はひどくないか?

「まあ気が付いたならそれはそれでいいんだけど……で、なんで襲った? 依頼を受けた責任感……はないにしても、プライドとかか?」
「……」
「反応なし、と」
「がっ!」

 まだどうにかできるとでも思っていたのか、アレックスは俺の言葉に答えることなく視線を忙しなく動かし続けていた。もしかしたらどうにかするのは諦めて、逃げようとしていたのかもしれないけど、まあその辺はどうでもいい。

 そんなアレックスに対し、俺は握ってた種のうちいくつかをスキルで放ってアレックスの体に穴を開けた。流石に数粒程度の攻撃では視認することができなかったようで、アレックスは何も対処しないどころか、そもそも気づくことができずに播種のスキルによる攻撃を食らった。

「ま、いいか。なんにしてもお前らはここでおしまいなんだ。聞きたいことって言っても、ちょっとした疑問ってだけだし、別に答えなくてもいいさ」
「ぐっ、このやろ——」

 逃げられないと悟ったのかアレックスは持っていた斧を両手で持ち直して大きく振りかぶり、ダンっと足を踏み出した。
 踏み出した足は床を砕き、アレックスの足は床にめり込んでいる。あれだけ力強く踏み込むってことは、多分大技を出すつもりなんだろうな。おそらくだが、今持っているあの斧を投げるつもりなんじゃないだろうか?
 だが、そんなことはさせない。

「ぐぎいっ! ガアアアアア!」

 アレックスがこれ以上何かをする前に、俺は先ほど撃ち込んだ種にスキルをかけ、地面を転がっている他の奴らと同じように体に埋まっていた種を生長させた。

「本当はこんな拷問みたいな真似したくないんだよ。できるならさっさと諦めて投降してくれない?」

 今更誰かを傷つけたり殺した程度でそれが必要なことだったなら心は痛まないが、周りから呻き声が聞こえ続けるのって結構不快なんだぞ。進んで誰かを傷つけたいってわけでもないし、さっさと捕まってくれればそれでいい。そうすれば俺はもうこれ以上傷つけないし、殺したりもしないから。まあ、あくまでも俺は、だけど。法に則った上で処刑されるならそれはそれで自業自得ってことで諦めろ。
しおりを挟む
感想 517

あなたにおすすめの小説

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

破滅する悪役五人兄弟の末っ子に転生した俺、無能と見下されるがゲームの知識で最強となり、悪役一家と幸せエンディングを目指します。

大田明
ファンタジー
『サークラルファンタズム』というゲームの、ダンカン・エルグレイヴというキャラクターに転生した主人公。 ダンカンは悪役で性格が悪く、さらに無能という人気が無いキャラクター。 主人公はそんなダンカンに転生するも、家族愛に溢れる兄弟たちのことが大好きであった。 マグヌス、アングス、ニール、イナ。破滅する運命にある兄弟たち。 しかし主人公はゲームの知識があるため、そんな彼らを救うことができると確信していた。 主人公は兄弟たちにゲーム中に辿り着けなかった最高の幸せを与えるため、奮闘することを決意する。 これは無能と呼ばれた悪役が最強となり、兄弟を幸せに導く物語だ。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...