131 / 589
5章
正しい処罰
しおりを挟む狙いとしては……まあ考えるまでもないか? 俺たちを殺して今回の剣を有耶無耶にしようとしてるとかそんなんだろう。
「殺すつもりの攻撃だったが、どういうつもりだ?」
多分予想通りだとは思うが、一応聞いておくとするか。
「どうもこうもねえだろうが、クソッタレがよお! ちっとばかし才能があるからってガキが調子に乗ってんじゃねえぞ!」
「てめえがいるせいで俺たちが罰則を受ける羽目になんだろうが。大人しく死んどけや」
二人の言葉を聞き流して背後——先ほどまで俺が見ていた方にいるハチェットテイルたちへと視線を向ける。
まだ魔物たちに攻撃を仕掛ける前だったが、ここまで騒げば流石にバレるようでこちらに向かって集団で走ってきている。
こいつらをどうにかする無駄に話している時間はさほどないだろうな。
だが、こいつらをどうするにしても、聞くことだけ聞いておかないと。
「ニドーレン監査官はどうした?」
「殺したに決まってんだろうが」
「……バカか? そんなことしたら問題になるに決まってんだろ」
ギルドの人間を殺すとか、ギルド全体を敵に回すようなもんだぞ?
「そりゃあ証拠があればの話だろ」
「……なるほど。俺たちを犯人に仕立て上げる気か」
まあ順当というか、普通なやり方だな。それを信じてもらえるかは別としても最低でも一時的に生き延びることはできる。
それはいいとして、後はここにいないもう一人とソフィアに関してだが……
「お前がいなけりゃあこんなことにはならなかったんだぜ」
「あっちの女の方は安心しろ。おめえと違って殺しゃあしねえからよ。まあ、代わりに遊び相手になってもらうがなあ」
聞く前に話してくれたな。でも、いないもう一人はソフィアを狙いにいったか。
俺に二人ソフィアに一人ってのは、これまでの戦いは俺の方が動いていたからだろう。戦闘面ではソフィアの方が劣る。そう判断されたんだと思う。
殺さないが捕まえるってことは毒の類を使われる可能性があるが、ソフィアには浄化があるから毒は無効化できる。後は純粋な技量に関してだが、あいつなら大丈夫だとは思う。こいつら雑魚だし。
けど……急いだ方がいいか。こいつらは問題ないにしても、ハチェットテイルたちが向かえばどうなるかはわからない。
「努力不足を棚に上げての嫉妬か。……みっともないな」
「……だからよお……調子にのんじゃねえっつってんだろうがああああああ!」
前門の虎後門の狼、か。まあ、後ろの猿どもはいいとしても、こいつらは虎にしては迫力がないな。
今も剣を振りかぶって襲いかかってきてるし、弓はこっちを狙ってるが、なんら脅威に感じない。
こいつらが二人いれば勝てると判断していたのは、『さっきまでの俺』の話だ。監査員もこいつらも、スキルを見られる心配をしなくていいんだったら、全力で戦える。まあ、手加減してた状態でもこの二人程度なら余裕だけど。
「《播種》」
その一言で状況が一転する。
「イギイイイイイイ!?」
「ぎゃあああああ!!」
俺の言葉と同時に放たれたスキルによって握っていた種は馬鹿二人の目を潰し、身体中に突き刺さる。
それによって二人は絶叫を上げるが、俺はそれを無視してこちらに迫ってきているハチェットテイルたちに対しても同じようにスキルを使う。ひとまず目と関節をつぶしておけば逃げられる心配なはいはずだ。逃げられても森の中にいる限りは見つけ出せるが、それはそれでめんどくさいからできることなら逃げてほしくない。
「な、何しやがったっ……!」
「スキルを使っただけだ」
たった二度。それだけのスキルでその場にいたすべての敵を行動不能にすることができた。
いやー、『農家』ってすげえなー。これもう農家じゃねえ気もするけど、気のせいだな。
にしても、こいつらが襲ってきてくれてある意味ではよかった。こいつらや監査員のニドーレンに戦い方やスキルがバレないようにするためにわざわざ接近戦を仕掛けようとしていたんだが、ニドーレンは殺されたわけだから見られる心配もないし、こいつらは殺すから見られても問題ないので、好きにスキルを使うことができる。楽でいいや。
「な、っめんじゃねえぞクソがき——」
「《生長》」
「があああああああっ!?」
目が見えないながらも立ち上がろうとした根性には評価するが、そんな行動に意味なんてない。
立ち上がろうとした馬鹿に対していつものごとくスキルを重ねることで、再び絶叫が木霊する。
「一応加減はしてあるよ。手持ちの残弾にも限りはあるわけだし、残しておかなきゃだからな。それに、ちょっと聞きたいこともある」
殺そうと思えばすぐにでも殺せるが、ただ殺すんではもったいない。
「一応確認だ。俺たちを殺す気はあったんだよな」
俺は馬鹿どもに近づきながらそう問いかけたのだが、馬鹿二人は答えることなく黙りこんでしまった。
仕方ない。あまりやりたくはない方法だが……はぁ。仕方ない。
「ぎゃああああああああ! ああああああああっ!」
先ほど立ち上がろうとした威勢の良い馬鹿の首を掴んで逃げられないようにし、顔に手を当ててその表面だけを溶かすように《肥料生成》を発動させる。
威力の加減が難しいが、弱めることもできないわけじゃない。
俺がスキルを使った瞬間、男の顔からは異臭がし始め、ドロドロと顔の皮膚が溶け始めた。
その痛みがどれほどのものかは知らないが、自分で喰らいたくはないと思う程度には痛いだろうな。
お手軽拷問——じゃなくて尋問スキル。それがこの《肥料生成》だ!
……絶対にこんな使い方は想定されてない気がするが、これも応用の一つだ。何も問題はない。
「は、はなずっ! はなずがらっ、やべろっ……」
たった一度のスキルを食らっただけで男はみっともなく涙とか涎とかを流しながら口を開いた。
「で、どうだ。殺すつもりだったのか?」
「ぞ、ぞうだ……ごろずづもりだった……」
うん。まあそれは聞くまでもなくわかっていた。何せ初っ端から頭を狙った攻撃してきたし。
ただ、これは前提であって、本当に聞きたいのは他のことだ。
「まあ、だよな。じゃあ二つ目だ。お前らの裏に何かしらの組織や、唆した奴らはいるか?」
そう。それが一番聞きたいことだ。ないとは思うが、唆した奴らがいるんだったらそいつらは俺の秘密のことを知ってる可能性がないわけでもないからな。
「い、いない。おれだぢのどぐだんだ」
聞き取りづらいが、独断、かな? なら、〝俺だから〟狙ったわけじゃないのか。
「じゃあ最後だ。これに答えたら終わらせてやると約束しよう。——お前たち以外で、俺たちのことを狙ってる奴らはいるか?」
「い、いるっ……! 『灰蛇』と『Dイーター』! ぞれがら、ぞの周りのどりまぎだちだ」
「灰蛇とDイーターね。了解了解」
二つも狙ってるとなるとめんどくさいな。これは本格的に首都から離れた方がいいか? 近いうちに俺の母親の実家に行ってみるつもりだったし、帰ってソフィアがBランクに上がったらすぐに移動できるように話をしておこう。
「ば、はなじだだろ! かいほうじでぐれっ!」
今後のことについて考えていると、俺に掴まれたままの男が暴れ出した。
「安心しろ。俺はお前たちと違って約束は守る男だ」
そういって笑いかけると、俺は男の顔に当てていた手でスキルを発動させた。
「ぎゃあああああああっ!? どぼじでええええええ!?」
「残念なお知らせだが、俺は〝解放する〟とは言っていないぞ」
俺は「終わらせてやる」といっただけだ。
なんかこういう考えは悪役っぽいが、この場合の悪役はこいつらの方で、俺は正義側……いや正義でもないけど、とりあえず被害者だ。襲われたから返り討ちにした。何も悪くない。
「アアアアアアアアアアッ!」
これは先ほどまでの威力を弱めたお遊びじゃない。確実に殺すほどの強さだ。
しかし、そのまま行けば完全に頭が溶けて消えるだろうという状況だったのだが、俺は咄嗟に手を離してその場を飛び退いた。
なんでか。俺の手があった場所に何かが飛んできたのがわかったからだ。幸いというか、飛んできたのは武器の類ではなくただの小石だったが、明らかに俺を狙ったのは間違いない。
「お待ちください」
咄嗟にポーチの中に手を突っ込んで種を取り出し、俺に攻撃をしてきた奴へとスキルを発動させようとしたのだが……
「だれ……ああ、生きていたんですね。殺されたと聞いていましたが」
視線を向けた先にいたのは馬鹿の片割れでもソフィアの方へ向かった三人目でもなく、殺されたはずのニドーレンだった。
「ええ。これでもBランクですので、不意打ちを喰らっても致命傷を避けるくらいは。それに、一応治療系のスキルを持っていますので」
「そうですか。よかったです。——それで、止めたのはなぜでしょうか?」
正直にいってこの人が生きていたことはどうでもいいが、俺の攻撃を止めたことに関してはその理由を聞かなくてはならない。
「止めなければ殺していたでしょう?」
怪我が治ったといっても完治したというわけでもないんだろう。ニドーレンは脇腹を押さえながら渋面を作ってそう問いかけてきた。
確かにその通りだ。俺はこいつを殺そうとした。
だが、それは悪いことなんだろうか?
「ええ。ですが、それは悪いことですか? 命を狙われたのですから、殺すのは犯罪ではなく正当防衛なはずですけど?」
殺されそうになったんだから返り討ちにする。だが、手心を加えれば後になって仕返しが来る。だからそれを防ぐために、後腐れがないようにするために殺す。当たり前のことだ。俺はそれをあのクソッタレな豚の時に学んだ。
そしてそれはこの世界の常識でもあるはずだ。
「確かにその通りではあります。ですが、あなた方の場合は殺さずとも無力化できるでしょう? 現に、今彼らは動けないでいる。その状態で殺すのは過剰防衛ではありませんか?」
「人を殺しに来たと言うことは、こいつらは賊と同じです。賊に襲われた場合は命問わずだったと記憶してましたけど、違いましたか?」
「ですが、彼らはまだギルドの一員でもあります。最終的に死ぬのだとしても、正しい処罰を受けさせるべきです」
「……では、その『正しい処罰』とやらを受けた結果、こいつらが死なず、自由の身になったとしましょう。ですが、処罰を受けたことで逆恨みして俺たちを再び狙ってきたら?」
「その時は、残念ですが殺しても構いません」
もう一度狙ってきたら殺してもいい、ねぇ……。
自分は間違っていないとでも言うかのような顔をしたまま吐き出されたその言葉に、俺は思わず言葉に詰まってしまった。
それは、こいつの言葉が正しいと思ってしまったから——なんかではない。
こいつがあまりにも的外れなことを言っているからだ。そのせいで思わず笑いが溢れてしまうほどに、こいつの考えはズレている。
「……はっ。違う違う。その時は殺すなんてのは当たり前の話だ。俺が言ってるのは、もしこいつらが襲ってきて俺たちが殺されたらどうすんのかって聞いてんだよ」
そう。俺がいってるのはそこだ。こいつは「襲われたらその時は~」なんていってるが、それで襲われて取り返しのつかないことになったらどうするんだって話だよ。
復讐する奴なんて後先考えない奴はザラにいる。もしこいつらが生きて帰り、後々自爆特攻でもされてみろ。そしてそのせいで俺の仲間が死んでみろ。お前はどう責任を取るんだ?
「こいつらが逆恨みをしないことを信じるか? 罰さえ与えれば、その後は更生してくれるって本当に信じられるか? 俺にはどうにもそうとは思えないんだが、あんたはどうだよ」
ニドーレン自身もこいつらが構成できるなんて信じることができないんだろう、顔をしかめて僅かに視線を逸らし、黙り込んでいる。
「こいつら程度なら何百人いたところで余裕だ。余裕で殺せる。だけどな、油断してたら万が一だってあり得る。その万が一でソフィアが死んだら、他の仲間が死んだら、あんたはどう責任を取るつもりだ?」
「……だとしても、ここで殺しを見逃すことはできません」
誰かを助けたいって考えは、人間として褒めるべきことなんだろう。
だが、こいつのこれはこの世界の人間としては馬鹿だと言われるようなものだ。
助けることのできる人間を助ける。それは正しいことだし、人間として褒められるべきことだ。だが、誰も彼もをむやみやたらと助けるってのは違う。
まあ、それをこいつに言っても意味のないことなんだろうけど。
「——はぁ。なら、わかったよ。そいつらはあんたに任せる。ただし……」
このまま睨み合ってても仕方ないし、こいつの前で馬鹿どもを殺そうとすれば戦いになる。
だからといって監査員であり仕事をしているだけのニドーレンを殺すことはできなくもないがしたくないので、仕方ないが俺は引くことにした。
だが、それでも忠告だけはしておかなくてはならない。
「もし〝何か〟あったら、その時はそいつらもあんたも、必ず殺す。たとえギルドの敵になったとしてもな」
言葉に威圧を乗せてニドーレンへとはなつと、ニドーレンはぴくりと動いて腰に差していた剣に手を伸ばそうとするが、それは途中で止まった。
あくまでも俺と敵対する意思はないってことなんだろう。
0
お気に入りに追加
678
あなたにおすすめの小説
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる