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道中のベーカリー
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現在時刻、午前10時。通勤ラッシュも落ち着いてきて、6月のニューヨークはポカポカと暖かかった。ベルはホテルから徒歩15分ほどの場所にあるセントラルパークを目指して歩きだした。
セントラルパークは豊かな自然に囲まれることができるニューヨーク随一の自然公園だ。
『朝からそんな場所に行くのは観光などではない!そう!取材に行くのだ!』
実はベルは年齢こそ17歳だが、きちんと収益を得ているライター兼ブロガーだった。世界中を巡って主に旅行系の記事や旅行記を書いている。まぁ、そうなったのもあの『ねぼすけ』のせいなのだが…。今は純粋に記事を書くのが楽しいのだ。
『実は私もセントラルパークは完全初見。どんな所なのかわくわくするわ』
しばらく進んでいると小さなベーカリーを発見した。
『ちょうどいい。お腹も減ったしここで朝食を調達していこう。私の予想が正しければ、今は”あの時間帯”のはずだわ』
そう思ってベルは店に入っていった。
店内は朝のラッシュ帯が過ぎた後のようであまり混み合っていなかった。店内奥のキッチンから具材を刻む音やパンの焼けるいい匂いが漂ってくる。
『ニューヨークにふさわしい匂いね』
パンの値段を眺めていく。うん。予算的にも大丈夫そうだ。パンの種類数もかなりある。サンドイッチにメロンパン、ベーグル、手の込んだケーキまである。だが、まだ買わない。
なぜなら…。
「あたらしいパンが焼き上がりましたー!」
『来た!出勤するサラリーマン達が朝食のためにパンを買っていった後のこの時間帯、やはりパンの第二陣が焼き上がるという意味!私の読みどおりだわ』
自分の読みが当たったことに満足しつつ、ベルはベーコンサンドイッチとミルクを買った。
会計の時、店員さんに話しかけられた。
「お姉さん、きれいな瞳ですね。吸い込まれそうになります」
「ありがとう。自慢の目なの」
「今日はどちらまで?」
「セントラルパークよ。行ったことなかったから」
「そうですか。では、ぜひボートに乗ってみることをおすすめします。楽しいですよ」
『ボート…いいことを聞いた』
「セントラルパークではボートに乗れるの?」
「えぇ、レイクがあってね」
「そう、ありがとう。楽しんでくるわ」
ボートか…。ふふ、楽しみだ。
ベルはその店員さんに多めにチップを渡して店を出て、再びセントラルパークへあるき出した。
セントラルパークは豊かな自然に囲まれることができるニューヨーク随一の自然公園だ。
『朝からそんな場所に行くのは観光などではない!そう!取材に行くのだ!』
実はベルは年齢こそ17歳だが、きちんと収益を得ているライター兼ブロガーだった。世界中を巡って主に旅行系の記事や旅行記を書いている。まぁ、そうなったのもあの『ねぼすけ』のせいなのだが…。今は純粋に記事を書くのが楽しいのだ。
『実は私もセントラルパークは完全初見。どんな所なのかわくわくするわ』
しばらく進んでいると小さなベーカリーを発見した。
『ちょうどいい。お腹も減ったしここで朝食を調達していこう。私の予想が正しければ、今は”あの時間帯”のはずだわ』
そう思ってベルは店に入っていった。
店内は朝のラッシュ帯が過ぎた後のようであまり混み合っていなかった。店内奥のキッチンから具材を刻む音やパンの焼けるいい匂いが漂ってくる。
『ニューヨークにふさわしい匂いね』
パンの値段を眺めていく。うん。予算的にも大丈夫そうだ。パンの種類数もかなりある。サンドイッチにメロンパン、ベーグル、手の込んだケーキまである。だが、まだ買わない。
なぜなら…。
「あたらしいパンが焼き上がりましたー!」
『来た!出勤するサラリーマン達が朝食のためにパンを買っていった後のこの時間帯、やはりパンの第二陣が焼き上がるという意味!私の読みどおりだわ』
自分の読みが当たったことに満足しつつ、ベルはベーコンサンドイッチとミルクを買った。
会計の時、店員さんに話しかけられた。
「お姉さん、きれいな瞳ですね。吸い込まれそうになります」
「ありがとう。自慢の目なの」
「今日はどちらまで?」
「セントラルパークよ。行ったことなかったから」
「そうですか。では、ぜひボートに乗ってみることをおすすめします。楽しいですよ」
『ボート…いいことを聞いた』
「セントラルパークではボートに乗れるの?」
「えぇ、レイクがあってね」
「そう、ありがとう。楽しんでくるわ」
ボートか…。ふふ、楽しみだ。
ベルはその店員さんに多めにチップを渡して店を出て、再びセントラルパークへあるき出した。
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