転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜

白い彗星

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転生魔王は友達を作る

期待の主戦力

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 さて、小鳥遊が写真部に入部してから、数日……
 驚いた事実が、いくつかある。

 新たなメンバーを加えての、部活対抗リレーの練習。
 今までは、あい、俺、さな、なぐも先輩の順で、速かった。
 そこに、小鳥遊を加えて今一度、走る順番を決めようというのだ。

 そして、どのくらい足が速いのかを測った結果……

「お、おぉ……思ってたより、速いねぇ」

 その光景を見たあいは驚きからなんとか言葉を絞り出し、さなとなぐも先輩は口を開けて固まっていた。
 かくいう俺も、小鳥遊の足の速さには驚いたものだ。

 見た目……と言っては偏見であるが、おさげにメガネ少女という、その容姿は読書好きそうな文学少女のイメージだった。
 運動が苦手なタイプかと思っていたが……

「これは、光矢クンと同じくらい……いやそれ以上速いんじゃない!?」

 と、あい。小鳥遊はそんなことはないと手を振るが、確かにあいの言うとおりだ。
 それくらいの、速さだった。

 ……とはいえ、自分よりも速いかもと言われ、素直にうなずくというのも、釈然としないものがあるな。

「なんにせよ、これは即戦力だな」

「だね!」

「お、お役に立てるようなら、なによりです」

 これならば、絶望的に足の遅いなぐも先輩がいても、まあなんとかなるか。
 この数日のやり取りで、小鳥遊はなぐも先輩を尊敬するようになったが、まだなぐも先輩は小鳥遊の前で走っていない。

 曰く、かっこ悪く見られたくないとのことだが……
 時間の問題だとは、思う。

「この分なら、小鳥遊が第一走者でも、問題なさそうだな」

「……!?
 わ、私がですか!?」

 俺の発言に、小鳥遊はひどく驚いた表情を浮かべる。
 そういえば、まだ俺の考えを言っていなかったな。

「第一走者に小鳥遊を置いて、次にさな。それから俺、なぐも先輩と続き、アンカーをあいにと考えている」

「あー、そういえば今まで順番の話とかしてなかったもんねー。
 あはは、うっかりうっかり!」

 ……話さなかった俺が言うのもなんだが、うっかりで済ませていい問題なのだろうか。
 まああいはこれまではなぐも先輩の特訓にかかりきりで、それどころではなかったのかもしれないが。

 ともあれ、これで走者の順番も決まったようだな。
 他にも、特に異論はないようだし。

「うんうん、小鳥遊さんに光矢くんに静海さん。
 これなら、私たちはあんまり頑張らなくていいんじゃないかな。
 ね、如月さん」

「え?
 えぇ、いやぁ……」

「そんなわけないでしょう」

 この期に及んで往生際の悪いなぐも先輩だが、それをあいは引きずっていく。
 まあ……主戦力が加わったからと言って、あとはサボってもいいわけではないしな。
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