転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜

白い彗星

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転生魔王は友達を作る

胸の高鳴り

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「さな、これなんかどうだ?」

「え?
 ……わぁ、かわいい」

 見つけたのは、ハート型のネックレス。
 首からかけられるから、服の中に入れて隠すこともできる。

 それに、女子はハートが好きだと言っていた。鍵沼が。
 あいつの意見を取り入れるのは癪だが、実際に調べてみても印象はいいらしい。

「できればお揃いで買いたいんだが、いいか?」

「え!? え、えぇ、いいと思いますけど……
 相変わらず、直球ですね……」

 男がハートは変だろうか。いや、さなとお揃いならばその程度構うことはない。
 それに、ハートの色は赤だけでなく青や黄などもある。
 様々な層に向けているのだろう。

 アクセサリーとはいえ、学生を主なターゲットにもしている。
 なので、そんなに高くはない。

「よし、これにしよう。今日の記念だ。
 さな、どの色がいい?」

「え、ええと……この、ピンクがかわいいかな……」

 俺も、自分のものを選ぶ。
 青色だ。

 金属製のもので、ハートを型どり、そこに色付きのハートが埋め込まれている。
 なかなか、いい趣味ではないか。

「じゃあ、これを……」

「って、だめです! これも光矢くんに払わせるわけには、いきません!」

 レジへ向かおうとしたところへ、さなから待ったがかかる。
 どうやら、これまでに俺ばかりがお金を払ってきたことが、気になっているらしい。

 別に、気にせずに俺に任せてもらっていいのだが……
 とはいえ、この分だとさなも引いてはくれなさそうだ。

「なら、半分ずつ出すか?」

「私が全部……」

「それはダメだ」

 さなに全額払わせるのは、俺のプライドが許さない。
 しかも、品物が今日の思い出となるものであるならなおさらだ。

 俗に言う、割り勘というやつ。
 とはいえ、それぞれに一つずつなので、自分で自分のを払うようなものだ。

 いや……そうだな……

「さな、これお互いに渡し合わないか?」

「え?」

 レジで、商品を購入。
 自分のものを自分で買う、というのはなんだか、味気ない。

 ならば、俺がさなのを、さなが俺のを買った形にして、お互いに渡し合う。
 これで、相手の分を買ったという雰囲気を味わえる。

 その意図を察したのか、さなは少し顔を赤らめる。

「なんなら、首にかけてやろうか?」

「いいい、いいです! そこまでは!」

 お互いに、青色とピンク色のハートを埋め込んだ、ネックレスを交換する。
 これは……うん、なかなか気恥ずかしいものがあるな。

 さなはというと、手のひらにネックレスを置き、それを見てほほえみを浮かべていた。
 その表情を見て……俺は、胸が高鳴るのを、感じていた。
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