転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜

白い彗星

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転生魔王は友達を作る

今日の記念

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「うん、さなにはどの服も似合いそうだな」

「や、やめてください恥ずかしいっ」

 俺たちは、服屋に来ていた。
 さなに似合いそうな服を探していたのだが……

 困った。元がいいから、どの服も似合うんじゃないだろうかと感じる。

「さなは、欲しい服とかないのか?」

「え、それはないことはないですけど……
 って、いいですよそんな! 気にしなくても!」

「今日のプレゼントにどうかと思ったんだが」

 今日の行動は、映畫に食事にクレープと、全てなくなるものばかりだ。
 だから、形としてなにか、初デート記念に残しておきたい。

 そう思って、とりあえず着たのが服屋なのだが……

「だが、そのつもりならば二人でお揃いの、なにかを買うのもありか……」

「?」

 さなのために服を買うというのも悪くはない考えだが……
 どうせデート記念ならば、二人がお揃いのものを買うというのも、アリだ。

 例えば……雑貨か。お揃いのペンとか、ネックレスとか?
 指輪……は、さすがに重いと言われそうだ。

「服はいいですよ、次に行きましょう!」

「そうか……」

 本音を言えば、いろいろと服を着ていくさなを見てみたい気持ちもあったが……まあ、そう言うなら仕方ない。
 俺はさなに押されるようにして、服屋を出る。

「!」

「……ん?」

 ……やはり、先ほどから誰かに見られているような……気がするが。
 周囲を見回しても、誰もいない。
 ……気のせいか?

「どうかしましたか?」

「……いや、なんでもない」

 初めてのデートに、柄にもなく浮かれて、神経質になっているだけ……か。
 そもそも、人も多いし、そう錯覚してもおかしくはないか。

 いや、今はさなとのデート中なんだ。余計なことは考えまい。
 その後も俺たちは、デートを続けていく。

 服屋で買うものはなかったが、次に入った雑貨屋では、なにか買いたいものだ。

「へぇ、いろいろあるな」

「えぇ!」

 雑貨屋というだけあって、いろいろなものが置いてあった。
 生活用品から、なにに使うのかわからないようなものまで。

 なるほどこういうところでも、結構時間は潰せそうだな。
 さなは、目を輝かせてあちこちを見ている。
 こういうの、好きなのか。

「今日の記念に……」

 今日の記念として、なにかないだろうか。小物がいいな、手頃に身に着けられるもの。
 それに、あまり値段の高くないものがいいな。
 あんまり高いと、さなが申し訳無さそうにするし。

 その条件を満たせるものが、なにかないか。
 そう思いながら、あちこちを見て回って……

「お……」

 良さげな、アクセサリーのようなものを、見つけた。
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