転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜

白い彗星

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転生魔王は友達を作る

体育祭へ向けて

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 息も絶え絶えだったクラスメートが、ある程度の休みを取れた頃。
 体育の女教師は、戻ってきた。タイミングいいな。

「これは、もうちょっと体力、付けないと……」

 とは、さなの言葉だ。
 今走っただけでも、痛感したこと。
 それに、同じ距離を走って平気な顔をしている俺、あい、あと鍵沼の存在が、さなに焦りを生ませたらしい。

 ……鍵沼は体力バカだから、気にしなくてもいいと思うが。

「さなちゃん、部活引退してから勉強ばっかりしてたもんねぇ」

 曰く、部活をしている間は、ここまで体力がなかったわけではないらしい。
 部活を引退したあと、体を動かすことから離れてしまったのが原因だと。

 話を聞くと、あいの中学では部活の引退はだいたい高三の五月~六月。
 運動部などは、大会が終わってからとなるが。

 さなの場合、七月の中頃に引退したようだ。
 それから、ずっと勉強に専念していた……か。
 それだけの時間があれば、確かに体力も落ちるだろう。

「とはいえ、息を切らしているさなもなかなかいいものがあるな」

「光矢クン光矢クン、本音本音」

 おっと、いかんいかん。
 さなには聞こえていなかったようで、幸いだ。

 一生懸命走っている姿が美しい……という意味ではあっても、今の言い方は変な誤解を生む。
 まあ、直球に伝えればいいだけの話なのだが。

 さて、走り終えて、ある程度の休憩も終えた俺たちは、地面に座り女教師へと、視線を向ける。

「みんな、自分の体力がどんなものか、理解できたと思うわ。
 あと二ヶ月で体育祭……一年生にはなかなかハードだと思うけど、優勝目指して頑張るわよ!」

 ……なかなか、テンションの高い教師だな。
 体育会系の教師、といえば妙に納得だが。

 クラスメートたちも、一様に複雑そうな表情を浮かべている。
 ……一部のバカを除いては。

「おー!」

 のんきに、手を上げ教師に共感するのは、鍵沼ただ一人。
 まだみんな馴染んでいない……なんでこいつは馴染んでるんだ。

 他のクラスメートは、戸惑いつつ「お、おぉ……」と声を上げている。
 というか、優勝もなにもまだ体育祭の情報なにも知らないんだが。

 そういう意味でも、どうにもノリにくい。

 その後、体育祭ではどういう競技があるだとか、メンバーは早めに決めておくようにとか、そういった説明を受け、授業は終わった。
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