転生魔族は恋をする 〜世界最強の魔王、勇者に殺され現代に転生。学校のマドンナに一目惚れし猛アタックする〜

白い彗星

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転生魔王は友達を作る

体育の授業

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 翌日……一人で登校。
 学校についた頃、こういう時こそさなと待ち合わせのメッセージでもやり取りすればよかったのではと思いつくが……
 時既に遅し。

 少し教室で待っていると、さながやって来た。

「お、おはようございます」

「あぁ、おはよう」

 さなは女子校育ちだ、小学校の頃は知らんが……
 思春期の時期に、異性と関わる機会が少なければ、こうして距離を感じるのも仕方ないか。

 その後、あい、鍵沼と他のクラスメート含め登校してきた。

「いやぁー、面白そうな部活多すぎて迷っちまうよな!」

 とは、鍵沼の言葉。どうやら、部活を決めかねているようだ。
 いいものがなくて、ではなく、ありすぎて、という意味で。

「真尾たちは、どの部活にするか決めたのか?」

「……あぁ。昨日、入部届も書いてきた」

「マジで!? すげーはえぇじゃん!
 どこどこ!」

 そんな話をしているうちに、鐘が鳴りホームルームが始まる。
 その後、授業の流れ。

 今日は、昨日の授業の流れとは一味違う。
 なぜなら……

「うぉおお、次は体育だ!」

 ニ限目、次の授業は体育だ。
 教室で着替えつつ、やたらとテンションの高い鍵沼は、叫ぶ。
 なにがそんなに楽しみなのか。

 ちなみに女子は、更衣室に移動だ。

「俺は頭使うより、体動かしてる方が性に合ってるんだよ!」

「脳筋め……」

 体操服に着替え、グラウンドへ。
 まだ女子は来ていない。移動時間と、着替えも男子よりかかるだろうから、当然か。

 高校での、初体育か……内容は知らされていないが、なにをするのか。
 走るか、ボール遊びか、他のなにかか……

 そんなことを考えていると、下駄箱から女子の声が聞こえてきた。
 着替えが、終わったみたいだな。
 そして、姿を現した女子を……いや、彼女を見て……

「ホォ……」

 俺は、思わずため息を漏らした。おそらくは、他の男子も。
 女子の集団の中で、ひときわ目を引く存在……さなだ。

 さなは、長髪の黒髪を後ろで一つに纏めている。あれだ、ポニーテールってやつだ。
 前に、あいのツインテールを見てから、他の髪型も勉強したのだ。

 それ以外は、いつもの姿……
 服だって、他と同じ白い服に、女子用の赤い半ズボンであるのに……

 その姿は、一様に目を引くには充分だった。

「みなと同じ服装だというのに、まるで輝いてるようだな」

「普段と髪型違うのも、ポイント高いよな~。
 ……いや、睨むなっての」

 まあ鍵沼の言うことにも、一理ある。
 まださなと接して数日もないとはいえ……

 普段下ろしている髪を、一本に結んでいる。
 見慣れない姿に感じるかやいらしさ……これがギャップ、というやつか。

「しっかし、競争率高そうだよな如月さん」

「だろうな」

「あれ、あんま焦ってない?」

「焦る必要などない」

 さなを狙う男子は多いだろう。だが、俺は焦りなど感じない。
 なぜなら、俺以上に完璧な人間などいないからだ。
 元魔王だが。

 俺が告白したのに、他の男を選ぶことなどないだろう。
 今はただ、照れくさくて返事を渋っているだけ……

「……なんだその目は」

「いや、自信満々なのはいいんだけどさ……
 あんまり余裕見せすぎるのも、って思っただけよ。
 ま、初日公開告白やらかした奴差し置いて告白する勇気があるやつがいればって話だけどな」

 初日の、公開告白……やはりあれは、人間にとってはかなり重大な場面だったらしい。
 本来、恥ずかしいとか思うものなのだろうか……あれが他の男の牽制になるのなら、それでいいが。

 さて、生徒も出揃ったところで、授業の時間だ。
 授業とはいうが、今回は主に走り込みをするという。

 この学校では、六月に体育祭がある。
 昨今、暑くなってきたことに考慮して、早めに済ませるのだそうだ。
 なので、一年生は入学してから二ヶ月しかない。

「だからこうして、体力作りをする、か」

 今後は、体育祭までは体育の授業が多いらしい。
 そんなわけで、まずは体力作りの走り込みなわけだ。
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