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びっくりするほどユートピア
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帝国の鉄騎士二人は兜を脱いだ。
セイバーは相変わらず黒いカトーマスクをしており、表情が読み取りにくい。
もう一人が素顔を晒すと、シオがヒジリの脚から離れ、杖を構えた。
「どう見ても悪人じゃねぇか!」
シオが身の危険を感じるほど、もう一人の鉄騎士からは冷たく、鋭い雰囲気が溢れ出ている。
「僕が悪人だって? ハッ! 言ってくれる!」
長い銀髪を手ぐしで整えてから、シオを睨む騎士の顔は、確かにロールプレイングゲームのラスボス一歩手前でプレイヤーを苦しめる悪の副官のような顔をしている。
見知らぬ鉄騎士はヒジリに向き直り、大仰にお辞儀をした。
「初めまして、若かりし頃の陛下。まぁ陛下は未来でも若い見た目ですが・・・。我が名はカワー・バンガー。フーリー家と肩を並べる名門の一族です」
自分の一族を名門と言ってしまう彼の自信に満ちた顔に、ヒジリは更に笑いそうになるが、努めて真顔にする。
「やぁ、カワー。宜しく」
何が嬉しかったのか、カワーはグッと拳を作って片頬を上げて笑った。
イグナがそっとカワーの心中を読むと「聖下に名前を呼び捨てで呼ばれた! ヒャッハー!」と叫んでいたのだ。
「ダーリン、もしかして自由騎士殿は、あの悪人顔のカワーとやらに操られているのではないか?」
シルビィが珍しく他人を外見で判断した。それぐらい彼の顔は信用できない顔をしているのだ。
それを聞いたイグナが首を横に振る。
「あの人は見た目ほど悪人じゃない。今もヒジリに、名前で呼ばれた事を心の中で喜んでいた」
「はは、可愛いヤツだな」
ヒジリは笑うと、抱いていたイグナとシルビィを地面に下ろした。
「さて、セイバー。未来の出来事を伝えに来たわけではないだろう? 私も聞きたくない。ではどうするかね?」
セイバーの事を詳しく知らない者は、ヒジリの言う未来という言葉の意味か判らなかった。きっとあの自由騎士には占い師か何の素養があるのだろう程度に考える。
「事の原因はそこの老婆が・・・」
そう独り言のように呟いて、セイバーはバトルハンマーを構えた。
「僕は生まれてから十数年、父親の愛情を知らないまま育ったんだ。公園で父親と遊ぶ他の子の幸せそうな顔を見てはしょげて家に帰る、なんて事もあった。ですが、僕の父親は、後々奇跡的に復活する事になる。それでも失われた十数年は帰ってこない。その時間を奪った原因は貴方なのですよ、ご老人。そして今度は復活したはずの父親が消えた。可愛い妹たちも消えるかもしれない! 貴方が神の帰還を望まなければ世界は平穏だった!」
一気に片を付ける気でいるのか、セイバーは【姿隠し】の魔法を唱えて消えた。身を隠したメイジ程、厄介なものはないので、一同は警戒態勢をとる。
ヒジリだろうがウメボシだろうが、現世から僅かにずれた次元に身を置くメイジを、感知する事は出来ない。
現れた瞬間に空気の揺れを察知して、セイバーが狙っているであろうナビを守らなければと、ウメボシは意識を老婆の周りに集中する。
しかしその予想は外れ、空気の揺れは自分の近くで発生した事に、ウメボシは驚く。
その驚いたウメボシに向かってセイバーは謝った。
「ごめんなさい、ウメボシさん。今は眠ってもらいます。停止パスワード! 青い梅の種には青酸配糖体がある! アーモンド臭!」
セイバーがそう言うとウメボシは瞳から光を失くして地面に落ちた。
「ウメボシ!」
何故セイバーがウメボシの停止パスワードを知っているのか知らないが、ヒジリは急いでウメボシに駆け寄る。
駆け寄ってきたヒジリを見て、セイバーは再び魔法で消えた。
その間にカワーがナビににじり寄り、剣を振り上げる。
「覚悟!」
「駄目!」
イグナがカワーの動きを魔法で封じようとしたが、途端に声が出せなくなった。
(【沈黙】の魔法! セイバーがやった?!)
ヒジリがウメボシの再起動に手間取っていると、背中から老婆の悲鳴が聞こえてくる。
「ひえぇぇ! ホログラムとはいえ、痛みを感じるんだよぉ! やめとくれ!」
カワーの攻撃があと僅か、というところで、その攻撃は霞のような何かによって阻まれた。
ナビはその霞が何か解ったのか、ほっと胸を撫で下ろし感謝を述べる。
「ありがとうよ、ダンティラス坊や」
セイバー達が現れてから、様子見の為に霞となって闇に同化していた吸魔鬼が姿を見せたのだ。
「ダンティラス?!」
カワーは一気に後方へ跳躍して距離を取り、セイバーを探して叫んだ。
「闇魔女様の話に始祖の吸魔鬼は出てこなかったはずだが? セイバー!」
たじろぐカワーの横にセイバーは現れ、悲しい目でダンティラスを見つめる。それは彼の未来を知っているという目だった。
(ダンティラスさん・・・)
「これ以上やるようであれば、吾輩も本気を出さねばならないのである」
ナビを庇うようにして立つダンティラスの真剣な目を見て、セイバーはバトルハンマーを構えるのを止めた。
「彼はここで死ぬ運命にない。きっと僕達が来た事で過去が変わったのだろう。戻るぞ、カワー。僕達がこちらで時間を過ごせば未来でも時間は進む。何か変化があったかもしれない」
セイバーは転移石を掲げた。
「お騒がせしてすみませんでした、皆さん」
そう言い残すと彼らはパッと消えていなくなった。
暫く静寂は続いたが、シオが我慢できなくなって喚いた。
「ちきしょう! 何だったんだよ、あいつら」
八つ当たりして地面に落ちていた本を蹴る。
あの二人に生半可な魔法では効果がないと思ったシルビィは、強力な魔法の詠唱をしていたが間に合わなかったのでそれを止めた。
「何か老婆に問題があるような感じだったが」
「だな。どうもセイバーとやらの個人的な話だけじゃないような気がしたが、嬢ちゃんはどう思う?」
杖のデルフォイがシオに問いかけるも、何も知らないシオが答えられるはずもなく。
「お前、あの婆さんと知り合いなんだろ? デルフォイさんよぉ? なんで俺に聞くんだよ」
「だーかーらー。俺はあのババァを知らねぇし、そんなチンカラホイみたいな名前じゃねぇっつーの」
ウメボシに異常がない事を確かめ、ヒジリはホッとする。彼女を脇に抱えて立ち上がった。
「もし今後も大きな問題があるのなら、セイバーはまたやって来るさ。直ぐにでもな。帰って来ないところを見ると問題は解決したんじゃないのかね?」
「それにしても強かったな・・・。セイバーは。イグナの魔法レジストをあっさり破って【沈黙】をかけた。オーラを見たけど、イグナに匹敵する闇色だった。オーガなのに・・・」
シルビィは苦い顔をしてワンドを懐にしまった。魔人族の次に魔力の高い樹族が、オーガに魔法で劣る事が悔しいのだ。
「彼は私よりも強いだろう」
ヒジリの言葉にシオが驚く。
「ええ? ヒジリよりも強い奴がいるのか?」
「私も初めは、自分より強い者はいないと思って、この星で過ごしていたのだがね。フランの学校に現れた、高速で動くインキュバスや、穴底に住み着いた黒竜などは、正攻法で戦えば負けていた可能性もある。サカモト粒子――――、虚無の魔法を身に纏うセイバーも本気を出せば、私を博士と同じ目に遭わせる事が出来るだろう。・・・ん? 待てよ? 博士は何故死体のまま亜空間を漂っているのだ? 普通はサカモト粒子に触れればエネルギーに変換されてしまうはずだが?」
それを聞いた老婆はフェフェと笑った。
「マナじゃよ。博士は二度目の戦いで邪神に取り込まれた。邪神は博士を盾にするかの如く、体の前面に貼り付けて攻撃してきたんじゃ。博士が自分に構わず、サカモト粒子砲を撃てとノーム達に叫んだ時、彼らがどんな気持ちだったか解るかい? 博士は女にはモテなかったが人望はあり、特にノームからは絶大な支持を得ていたんじゃ。そんな彼らが、博士の死を望むわけなかろう? それでも世界の平和の為に、邪神と博士を虚無の向こう側へと葬った。その時、誰もが博士を守ってくれと強く願っていたんじゃ。その願いはマナを介して、サカモト粒子から博士を守ったが、今一歩願いは深く届かず、亜空間の真空に対しては効果がなかった。彼は息絶え、今もその亡骸と魂は別宇宙の亜空間に囚われたままなんじゃじゃ」
「どうしてそれが解るのかね? 亜空間を漂う博士をどうやって見た?」
「堅物の貴方様には解らんじゃろうが、高位ドラゴンは異世界を見通せるし、移動もできる。その彼らが作ったマジックアイテムには、異世界を見る事が出来る物もある。ワシはそれで見たんじゃよ」
「そのマジックアイテムは何処に?」
「その鏡はな、知り合いのゴブリンが嬉しそうに持って来た。何でも見たいものを見せてくれるというので、喜びに身を震わせながら博士を見ておったら、十秒ほどで鏡が砕け散った・・・。恐らくドラゴンが暇つぶしに作った物じゃったんじゃろう。使用回数に制限があったのかもしれん。でも確かに見たんじゃ、光も何も無い世界を漂う博士の遺体を・・・。おぅっ・・・。おおおお」
ホログラムの老婆は、その場にしゃがんで泣き始めた。
ダンティラスがそっと老婆の肩に手を置く。
「その悲しみも間もなく終わるのである。もうすぐ博士の居場所が解るのだから。そうであろう? ナビ」
「ああ、そうじゃ半分ぐらいは、うれし涙じゃ!」
ウメボシは主の脇の下で、胡散臭そうにナビを見ている。
「全部彼女の妄想だと思いますが・・・。何一つ具体的なソースは提示されておりませんし」
「まぁそう言うな、ウメボシ。で、座標を突き止めて、どうやってこの宇宙に戻すのかね?」
「それが大きな問題でねぇ・・・。召喚して呼び戻すんじゃが、いつの間にか世界には、優秀な召喚士が見当たらなくなっておって・・・。昔は遥か彼方の次元に住むドラゴンですら、召喚できる者もいたんじゃが、今では精々グレーターデーモン止まりじゃ・・・。博士の座標を手がかりに、居場所を特定する優秀な召喚士をあんたら知らないかえ?」
老婆の視線はイグナに止まった。闇魔女の渦巻く瞳を見て、並みのメイジではないと感じ取ったからだろう。
「召喚士は魔法使いの中で最弱であり最強でもある。強さの振れ幅が大き過ぎるので、誰も召喚士を目指そうとはしない。変わり者だけがなろうとする。彼らは数が少ないから、切磋琢磨する機会も少ない。なので徐々に弱体化したのだと思う。私の知る限りでは優秀な召喚士はいない」
イグナの言葉に、ヒジリは自分の出会った召喚士を思い出す。
「ネココも確かに変わり者だった。そのネココと何年も一緒に暮らしていたロロムはまともで優しいが、もしかしたら変な癖があるのかもしれないな。そしてマサヨシ。言うまでもない」
「結局座標が解っていても、召喚士次第というのであれば確実性がないように思えます。やはりナビの夢物語なのではないでしょうか?」
「それでも私は、何もしないよりはいいんじゃないかと思い始めている」
「またぁ・・・。マスターは地走り族並みに好奇心旺盛ですね」
「ナビ。もし座標が解ったら知らせてくれ。それまでに召喚士ギルドで優秀な者を探してくる。カプリコン、ナビとの回線を繋げておいてくれ。それから、くれぐれも書庫の情報を地球に横流ししないようにな」
ザッとノイズが走り、ヒジリの耳に笑い声を含んだ紳士的な声がそれに答える。
「ハハハ。御冗談を。それをすれば私の運命がどうなるか、ヒジリ様もご存じのはず。ナビとのチャンネルは繋いだままにしました。これでいつでも彼女の声をお知らせ出来ます」
「うむ、ありがとう。では帰るか。ナビが今より正常になるのも時間がかかりそうだしな」
「地上へはそこのエレベーターでどうぞ。フェフェ」
そう言って老婆は大きな円形の台座を指さした。
「別に転送で帰ってもいいのだが、エレベーターで一度地上に出るか・・・」
ヒジリはエレベーターらしからぬ台座に立って、吸魔鬼に話しかけた。
「ダンティラス殿は、これからどうするのかね?」
「吾輩は数千年ぶりに遺跡守りの呪いから解放されたのである。古い友人の事もこの書庫で解ったし、今後の予定はない」
「君が地上に出れば大騒ぎになるだろう。特に吸魔鬼を誰もが恐れる樹族国ではな。良かったら我が国へ来たらどうかね? 闇側の住人は吸魔鬼の脅威を知らない。念のためサングラスをするといい。その目だと直ぐにバレるからな」
「かたじけない。そうさせてもらうのである」
皆が円の中央に立つと台座は地上へとせり上がっていく。
「このまま、天井に押しつぶされたりしてなぁ?」
杖が不吉な事を言うもので、シオもそんな気がしてきた。何故なら天井が一向に開く気配がないからだ。
「だ、大丈夫だよな? もう天井は目の前だぞ! わぁぁ!」
シオがしゃがんだその時、天井に丸い穴が開いた。下からナビの「フェフェフェ」という笑い声が聞こえる。
「ちきしょう! あのババァ! ふざけやがって!」
杖はこれが老婆の悪戯だと気が付いたのだ。
「また来ておくれ、ダンティラスとデルフォイ! この書庫は薄暗くて寂しいよぉ」
「うむ、いつ来るとは約束出来ないが、また来るのである。さらばだナビ」
「悪戯ババァめ! お前は昔から悪戯ばかり・・・。あれ?」
杖は一瞬、微かにナビとの過ごした時間を思い出したような気がしたが、それはすぐに掻き消える。
「あばよ! ババァ!」
エレベーターはアルケディアの中央広場へと繋がっていた。
突然、丸い床が浮き上がってその上にいた人々は驚く。
それを周りから見ていた樹族が、床の下の穴を覗いて叫ぶ。
「おい! 下から何かせりあがって来るぞ!」
皆の視線が集まる中、けたたましい笛の音や、太鼓のリズムに合わせてヒジリ達は下から現れた。
「なんだ? この恥ずかしい演出は・・・。ナビの悪戯か? それにしても民衆の何かを期待するようなあの目・・・。これは何か芸をしないと、皆を納得させる事が出来ないぞ・・・」
「いや、別にしなくてもいいのでは・・・」
ウメボシが止めようとしたが、主はやる気満々だった。
「では私が今一番気に入っているギャグを・・・。蒸着!」
ヒジリはそう言って、宇宙刑事ヒジリダーのヘルメットを顔に装着した。
そして少しせり上がってステージの様になった台座の上を、ぴょんぴょんと昇り降りしだした。
ヒジリダーを見て誰かが叫ぶ。
「おい! あれは宇宙刑事ヒジリダ―だ!」
グランデモニウム王国で絶大な人気を誇る宇宙刑事ヒジリダーの放送は、樹族国の一部の地域でも視聴が出来るのでオタクの間で話題になっていた。
奇妙な動きをしてヒジリダーは、何か大きな声で叫びだしたので注目する。
「びっくりするほどユートピア! びっくりするほどユートピア!」
そう言って尻を叩くヒジリダーを見て人、々はこれから何が起きるのか期待した。が、それ以上は何もないのだ。これだけである。
「よ、よりによってそんなギャグを・・・」
ウメボシは主がチョイスした、大昔のギャグの寒さに凍り付いた。
が、思いの外子供にウケがいい。あちこちで子供たちが嬉しそうに飛び跳ねて、自分の尻を叩いて真似をしていた。
「びっくりするほどユートピア! びっくりするほどユートピア! キャハハハー!」
ウメボシはハァとため息をつき、瞬時にここ最近アルケディアでオープンした店の名前を検索する。これをここにいる人々に宣伝だと思わせた方が、書庫が冒険者たちに見つからなくて済むからだ。ホログラムの花火を打ち上げ、空からお菓子を降らせる。
「新しくアルケディアにオープンした魔法店『お兄ちゃんの匂い袋』(酷い名前です・・・)を宜しくお願いしまーす!」
ああ、やっぱり宣伝だった! と納得する人々を見てウメボシは何とか誤魔化しきれたと胸を撫で下ろしたが、恥ずかしい主のギャグを見て、イグナ達はさぞかし幻滅しているだろうと彼女たちをチラリと見る。
三人は動きを止めて固まっていた。
(やはり幻滅しているのですね・・・。ああ、マスターのイメージが・・・)
「ヒジリ、カッコイイ・・・」
「ダーリンの一生懸命な姿はいつ見ても輝いて見えるな・・・。いや、いつも輝いているが」
「すげぇ! 俺も一緒にやりてぇ!」
ウメボシは三人の呟きを聞いて、鼻から(鼻は無いが)ホログラムの鼻水をブバっと噴き出して驚いた。
「何で?!」
後日、この宣伝のお蔭で魔法店『お兄ちゃんの匂い袋』が大繁盛する事になる。勝手に宣伝されていたとは知らない店主は困惑し、嬉しい悲鳴をあげた。
セイバーは相変わらず黒いカトーマスクをしており、表情が読み取りにくい。
もう一人が素顔を晒すと、シオがヒジリの脚から離れ、杖を構えた。
「どう見ても悪人じゃねぇか!」
シオが身の危険を感じるほど、もう一人の鉄騎士からは冷たく、鋭い雰囲気が溢れ出ている。
「僕が悪人だって? ハッ! 言ってくれる!」
長い銀髪を手ぐしで整えてから、シオを睨む騎士の顔は、確かにロールプレイングゲームのラスボス一歩手前でプレイヤーを苦しめる悪の副官のような顔をしている。
見知らぬ鉄騎士はヒジリに向き直り、大仰にお辞儀をした。
「初めまして、若かりし頃の陛下。まぁ陛下は未来でも若い見た目ですが・・・。我が名はカワー・バンガー。フーリー家と肩を並べる名門の一族です」
自分の一族を名門と言ってしまう彼の自信に満ちた顔に、ヒジリは更に笑いそうになるが、努めて真顔にする。
「やぁ、カワー。宜しく」
何が嬉しかったのか、カワーはグッと拳を作って片頬を上げて笑った。
イグナがそっとカワーの心中を読むと「聖下に名前を呼び捨てで呼ばれた! ヒャッハー!」と叫んでいたのだ。
「ダーリン、もしかして自由騎士殿は、あの悪人顔のカワーとやらに操られているのではないか?」
シルビィが珍しく他人を外見で判断した。それぐらい彼の顔は信用できない顔をしているのだ。
それを聞いたイグナが首を横に振る。
「あの人は見た目ほど悪人じゃない。今もヒジリに、名前で呼ばれた事を心の中で喜んでいた」
「はは、可愛いヤツだな」
ヒジリは笑うと、抱いていたイグナとシルビィを地面に下ろした。
「さて、セイバー。未来の出来事を伝えに来たわけではないだろう? 私も聞きたくない。ではどうするかね?」
セイバーの事を詳しく知らない者は、ヒジリの言う未来という言葉の意味か判らなかった。きっとあの自由騎士には占い師か何の素養があるのだろう程度に考える。
「事の原因はそこの老婆が・・・」
そう独り言のように呟いて、セイバーはバトルハンマーを構えた。
「僕は生まれてから十数年、父親の愛情を知らないまま育ったんだ。公園で父親と遊ぶ他の子の幸せそうな顔を見てはしょげて家に帰る、なんて事もあった。ですが、僕の父親は、後々奇跡的に復活する事になる。それでも失われた十数年は帰ってこない。その時間を奪った原因は貴方なのですよ、ご老人。そして今度は復活したはずの父親が消えた。可愛い妹たちも消えるかもしれない! 貴方が神の帰還を望まなければ世界は平穏だった!」
一気に片を付ける気でいるのか、セイバーは【姿隠し】の魔法を唱えて消えた。身を隠したメイジ程、厄介なものはないので、一同は警戒態勢をとる。
ヒジリだろうがウメボシだろうが、現世から僅かにずれた次元に身を置くメイジを、感知する事は出来ない。
現れた瞬間に空気の揺れを察知して、セイバーが狙っているであろうナビを守らなければと、ウメボシは意識を老婆の周りに集中する。
しかしその予想は外れ、空気の揺れは自分の近くで発生した事に、ウメボシは驚く。
その驚いたウメボシに向かってセイバーは謝った。
「ごめんなさい、ウメボシさん。今は眠ってもらいます。停止パスワード! 青い梅の種には青酸配糖体がある! アーモンド臭!」
セイバーがそう言うとウメボシは瞳から光を失くして地面に落ちた。
「ウメボシ!」
何故セイバーがウメボシの停止パスワードを知っているのか知らないが、ヒジリは急いでウメボシに駆け寄る。
駆け寄ってきたヒジリを見て、セイバーは再び魔法で消えた。
その間にカワーがナビににじり寄り、剣を振り上げる。
「覚悟!」
「駄目!」
イグナがカワーの動きを魔法で封じようとしたが、途端に声が出せなくなった。
(【沈黙】の魔法! セイバーがやった?!)
ヒジリがウメボシの再起動に手間取っていると、背中から老婆の悲鳴が聞こえてくる。
「ひえぇぇ! ホログラムとはいえ、痛みを感じるんだよぉ! やめとくれ!」
カワーの攻撃があと僅か、というところで、その攻撃は霞のような何かによって阻まれた。
ナビはその霞が何か解ったのか、ほっと胸を撫で下ろし感謝を述べる。
「ありがとうよ、ダンティラス坊や」
セイバー達が現れてから、様子見の為に霞となって闇に同化していた吸魔鬼が姿を見せたのだ。
「ダンティラス?!」
カワーは一気に後方へ跳躍して距離を取り、セイバーを探して叫んだ。
「闇魔女様の話に始祖の吸魔鬼は出てこなかったはずだが? セイバー!」
たじろぐカワーの横にセイバーは現れ、悲しい目でダンティラスを見つめる。それは彼の未来を知っているという目だった。
(ダンティラスさん・・・)
「これ以上やるようであれば、吾輩も本気を出さねばならないのである」
ナビを庇うようにして立つダンティラスの真剣な目を見て、セイバーはバトルハンマーを構えるのを止めた。
「彼はここで死ぬ運命にない。きっと僕達が来た事で過去が変わったのだろう。戻るぞ、カワー。僕達がこちらで時間を過ごせば未来でも時間は進む。何か変化があったかもしれない」
セイバーは転移石を掲げた。
「お騒がせしてすみませんでした、皆さん」
そう言い残すと彼らはパッと消えていなくなった。
暫く静寂は続いたが、シオが我慢できなくなって喚いた。
「ちきしょう! 何だったんだよ、あいつら」
八つ当たりして地面に落ちていた本を蹴る。
あの二人に生半可な魔法では効果がないと思ったシルビィは、強力な魔法の詠唱をしていたが間に合わなかったのでそれを止めた。
「何か老婆に問題があるような感じだったが」
「だな。どうもセイバーとやらの個人的な話だけじゃないような気がしたが、嬢ちゃんはどう思う?」
杖のデルフォイがシオに問いかけるも、何も知らないシオが答えられるはずもなく。
「お前、あの婆さんと知り合いなんだろ? デルフォイさんよぉ? なんで俺に聞くんだよ」
「だーかーらー。俺はあのババァを知らねぇし、そんなチンカラホイみたいな名前じゃねぇっつーの」
ウメボシに異常がない事を確かめ、ヒジリはホッとする。彼女を脇に抱えて立ち上がった。
「もし今後も大きな問題があるのなら、セイバーはまたやって来るさ。直ぐにでもな。帰って来ないところを見ると問題は解決したんじゃないのかね?」
「それにしても強かったな・・・。セイバーは。イグナの魔法レジストをあっさり破って【沈黙】をかけた。オーラを見たけど、イグナに匹敵する闇色だった。オーガなのに・・・」
シルビィは苦い顔をしてワンドを懐にしまった。魔人族の次に魔力の高い樹族が、オーガに魔法で劣る事が悔しいのだ。
「彼は私よりも強いだろう」
ヒジリの言葉にシオが驚く。
「ええ? ヒジリよりも強い奴がいるのか?」
「私も初めは、自分より強い者はいないと思って、この星で過ごしていたのだがね。フランの学校に現れた、高速で動くインキュバスや、穴底に住み着いた黒竜などは、正攻法で戦えば負けていた可能性もある。サカモト粒子――――、虚無の魔法を身に纏うセイバーも本気を出せば、私を博士と同じ目に遭わせる事が出来るだろう。・・・ん? 待てよ? 博士は何故死体のまま亜空間を漂っているのだ? 普通はサカモト粒子に触れればエネルギーに変換されてしまうはずだが?」
それを聞いた老婆はフェフェと笑った。
「マナじゃよ。博士は二度目の戦いで邪神に取り込まれた。邪神は博士を盾にするかの如く、体の前面に貼り付けて攻撃してきたんじゃ。博士が自分に構わず、サカモト粒子砲を撃てとノーム達に叫んだ時、彼らがどんな気持ちだったか解るかい? 博士は女にはモテなかったが人望はあり、特にノームからは絶大な支持を得ていたんじゃ。そんな彼らが、博士の死を望むわけなかろう? それでも世界の平和の為に、邪神と博士を虚無の向こう側へと葬った。その時、誰もが博士を守ってくれと強く願っていたんじゃ。その願いはマナを介して、サカモト粒子から博士を守ったが、今一歩願いは深く届かず、亜空間の真空に対しては効果がなかった。彼は息絶え、今もその亡骸と魂は別宇宙の亜空間に囚われたままなんじゃじゃ」
「どうしてそれが解るのかね? 亜空間を漂う博士をどうやって見た?」
「堅物の貴方様には解らんじゃろうが、高位ドラゴンは異世界を見通せるし、移動もできる。その彼らが作ったマジックアイテムには、異世界を見る事が出来る物もある。ワシはそれで見たんじゃよ」
「そのマジックアイテムは何処に?」
「その鏡はな、知り合いのゴブリンが嬉しそうに持って来た。何でも見たいものを見せてくれるというので、喜びに身を震わせながら博士を見ておったら、十秒ほどで鏡が砕け散った・・・。恐らくドラゴンが暇つぶしに作った物じゃったんじゃろう。使用回数に制限があったのかもしれん。でも確かに見たんじゃ、光も何も無い世界を漂う博士の遺体を・・・。おぅっ・・・。おおおお」
ホログラムの老婆は、その場にしゃがんで泣き始めた。
ダンティラスがそっと老婆の肩に手を置く。
「その悲しみも間もなく終わるのである。もうすぐ博士の居場所が解るのだから。そうであろう? ナビ」
「ああ、そうじゃ半分ぐらいは、うれし涙じゃ!」
ウメボシは主の脇の下で、胡散臭そうにナビを見ている。
「全部彼女の妄想だと思いますが・・・。何一つ具体的なソースは提示されておりませんし」
「まぁそう言うな、ウメボシ。で、座標を突き止めて、どうやってこの宇宙に戻すのかね?」
「それが大きな問題でねぇ・・・。召喚して呼び戻すんじゃが、いつの間にか世界には、優秀な召喚士が見当たらなくなっておって・・・。昔は遥か彼方の次元に住むドラゴンですら、召喚できる者もいたんじゃが、今では精々グレーターデーモン止まりじゃ・・・。博士の座標を手がかりに、居場所を特定する優秀な召喚士をあんたら知らないかえ?」
老婆の視線はイグナに止まった。闇魔女の渦巻く瞳を見て、並みのメイジではないと感じ取ったからだろう。
「召喚士は魔法使いの中で最弱であり最強でもある。強さの振れ幅が大き過ぎるので、誰も召喚士を目指そうとはしない。変わり者だけがなろうとする。彼らは数が少ないから、切磋琢磨する機会も少ない。なので徐々に弱体化したのだと思う。私の知る限りでは優秀な召喚士はいない」
イグナの言葉に、ヒジリは自分の出会った召喚士を思い出す。
「ネココも確かに変わり者だった。そのネココと何年も一緒に暮らしていたロロムはまともで優しいが、もしかしたら変な癖があるのかもしれないな。そしてマサヨシ。言うまでもない」
「結局座標が解っていても、召喚士次第というのであれば確実性がないように思えます。やはりナビの夢物語なのではないでしょうか?」
「それでも私は、何もしないよりはいいんじゃないかと思い始めている」
「またぁ・・・。マスターは地走り族並みに好奇心旺盛ですね」
「ナビ。もし座標が解ったら知らせてくれ。それまでに召喚士ギルドで優秀な者を探してくる。カプリコン、ナビとの回線を繋げておいてくれ。それから、くれぐれも書庫の情報を地球に横流ししないようにな」
ザッとノイズが走り、ヒジリの耳に笑い声を含んだ紳士的な声がそれに答える。
「ハハハ。御冗談を。それをすれば私の運命がどうなるか、ヒジリ様もご存じのはず。ナビとのチャンネルは繋いだままにしました。これでいつでも彼女の声をお知らせ出来ます」
「うむ、ありがとう。では帰るか。ナビが今より正常になるのも時間がかかりそうだしな」
「地上へはそこのエレベーターでどうぞ。フェフェ」
そう言って老婆は大きな円形の台座を指さした。
「別に転送で帰ってもいいのだが、エレベーターで一度地上に出るか・・・」
ヒジリはエレベーターらしからぬ台座に立って、吸魔鬼に話しかけた。
「ダンティラス殿は、これからどうするのかね?」
「吾輩は数千年ぶりに遺跡守りの呪いから解放されたのである。古い友人の事もこの書庫で解ったし、今後の予定はない」
「君が地上に出れば大騒ぎになるだろう。特に吸魔鬼を誰もが恐れる樹族国ではな。良かったら我が国へ来たらどうかね? 闇側の住人は吸魔鬼の脅威を知らない。念のためサングラスをするといい。その目だと直ぐにバレるからな」
「かたじけない。そうさせてもらうのである」
皆が円の中央に立つと台座は地上へとせり上がっていく。
「このまま、天井に押しつぶされたりしてなぁ?」
杖が不吉な事を言うもので、シオもそんな気がしてきた。何故なら天井が一向に開く気配がないからだ。
「だ、大丈夫だよな? もう天井は目の前だぞ! わぁぁ!」
シオがしゃがんだその時、天井に丸い穴が開いた。下からナビの「フェフェフェ」という笑い声が聞こえる。
「ちきしょう! あのババァ! ふざけやがって!」
杖はこれが老婆の悪戯だと気が付いたのだ。
「また来ておくれ、ダンティラスとデルフォイ! この書庫は薄暗くて寂しいよぉ」
「うむ、いつ来るとは約束出来ないが、また来るのである。さらばだナビ」
「悪戯ババァめ! お前は昔から悪戯ばかり・・・。あれ?」
杖は一瞬、微かにナビとの過ごした時間を思い出したような気がしたが、それはすぐに掻き消える。
「あばよ! ババァ!」
エレベーターはアルケディアの中央広場へと繋がっていた。
突然、丸い床が浮き上がってその上にいた人々は驚く。
それを周りから見ていた樹族が、床の下の穴を覗いて叫ぶ。
「おい! 下から何かせりあがって来るぞ!」
皆の視線が集まる中、けたたましい笛の音や、太鼓のリズムに合わせてヒジリ達は下から現れた。
「なんだ? この恥ずかしい演出は・・・。ナビの悪戯か? それにしても民衆の何かを期待するようなあの目・・・。これは何か芸をしないと、皆を納得させる事が出来ないぞ・・・」
「いや、別にしなくてもいいのでは・・・」
ウメボシが止めようとしたが、主はやる気満々だった。
「では私が今一番気に入っているギャグを・・・。蒸着!」
ヒジリはそう言って、宇宙刑事ヒジリダーのヘルメットを顔に装着した。
そして少しせり上がってステージの様になった台座の上を、ぴょんぴょんと昇り降りしだした。
ヒジリダーを見て誰かが叫ぶ。
「おい! あれは宇宙刑事ヒジリダ―だ!」
グランデモニウム王国で絶大な人気を誇る宇宙刑事ヒジリダーの放送は、樹族国の一部の地域でも視聴が出来るのでオタクの間で話題になっていた。
奇妙な動きをしてヒジリダーは、何か大きな声で叫びだしたので注目する。
「びっくりするほどユートピア! びっくりするほどユートピア!」
そう言って尻を叩くヒジリダーを見て人、々はこれから何が起きるのか期待した。が、それ以上は何もないのだ。これだけである。
「よ、よりによってそんなギャグを・・・」
ウメボシは主がチョイスした、大昔のギャグの寒さに凍り付いた。
が、思いの外子供にウケがいい。あちこちで子供たちが嬉しそうに飛び跳ねて、自分の尻を叩いて真似をしていた。
「びっくりするほどユートピア! びっくりするほどユートピア! キャハハハー!」
ウメボシはハァとため息をつき、瞬時にここ最近アルケディアでオープンした店の名前を検索する。これをここにいる人々に宣伝だと思わせた方が、書庫が冒険者たちに見つからなくて済むからだ。ホログラムの花火を打ち上げ、空からお菓子を降らせる。
「新しくアルケディアにオープンした魔法店『お兄ちゃんの匂い袋』(酷い名前です・・・)を宜しくお願いしまーす!」
ああ、やっぱり宣伝だった! と納得する人々を見てウメボシは何とか誤魔化しきれたと胸を撫で下ろしたが、恥ずかしい主のギャグを見て、イグナ達はさぞかし幻滅しているだろうと彼女たちをチラリと見る。
三人は動きを止めて固まっていた。
(やはり幻滅しているのですね・・・。ああ、マスターのイメージが・・・)
「ヒジリ、カッコイイ・・・」
「ダーリンの一生懸命な姿はいつ見ても輝いて見えるな・・・。いや、いつも輝いているが」
「すげぇ! 俺も一緒にやりてぇ!」
ウメボシは三人の呟きを聞いて、鼻から(鼻は無いが)ホログラムの鼻水をブバっと噴き出して驚いた。
「何で?!」
後日、この宣伝のお蔭で魔法店『お兄ちゃんの匂い袋』が大繁盛する事になる。勝手に宣伝されていたとは知らない店主は困惑し、嬉しい悲鳴をあげた。
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