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禁断の箱庭と融合する前の世界(166)
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(ナンベル皇帝の命令で樹族国の総督に封じられてから何年経っただろうか?)
ヤイバは父親がくれた永久にインクの減らない不思議な万年筆で頭を掻くと、書類から目を離し窓から外を見た。
「まだ一年も経って無いんだよなぁ・・・。鬼のような忙しさだったからそう思ってしまうのも無理もないけど。妹や弟たちは元気かな。ポカとカイトのほっぺたは、そろそろプニプニしなくなるぐらいには成長している頃だろうね・・・ハァ・・・。あのほっぺたはもっと堪能しておくべきだった」
ずり落ちる眼鏡を中指で少し持ち上げ定位置に戻す。
夜目が利かないヤイバはそれを補うために魔法の眼鏡をしているが、視力自体は悪くないので昼間は外しても問題はない。が、なんとなく自分の眼鏡顔が気に入っているので外さないでいる。
ふいにドアがカカカカとせっかちにノックされた。
「カワー、いい加減そのノックの仕方を止めてくれないか?」
机に肘を置き、ため息をついてドアに向かって声をかけると、ガチャリとドアが開いて総督補佐のカワー・バンガーが入ってきた。
ラスボス一歩手前に出てくる悪の副官のような顔をした親友はフンと鼻を鳴らし銀色の長い髪を掻き上げた。
「暗殺者ではなく、僕がノックしていると解っていいだろう?(まぁ暗殺者はノックなんてしないが)それよりも、ヤイバ総督。また闇側住人の自治会長が来ているのだがね」
ヤイバは目の縁をなぞるように青黒い瞳をぐるりと一周させると、またため息をつく。
「はぁ~。またか彼か・・・。自治会長のギャンコスさんだっけ?確か英雄の弟の・・・」
「うむ。頑固なギャンコスと覚えている」
「フフッ。クールなカワーも時には駄洒落を言うのだね」
カワーはそんなつもりは無かったのか、悪人顔を真赤にして否定した。
「駄洒落を言ったのではない!まぁドワーフは総じて頑固だから、一々頑固だという必要はないのだが。でも語呂が良いから覚えやすいだろう?」
「確かに。アハハ」
ここ最近ずっと眉間に皺を寄せ、ため息ばかりついていた親友が笑顔を見せた事にカワーは気を良くしているとドアを無造作に開いてドワーフが入ってきた。
「機嫌が良さそうに見えるな、総督殿」
部屋にドスドスと樽のような体を揺らして入ってきたしかめっ面のドワーフは、武器である両刃の両手斧を背中に装備している。斧は固定具も無しに浮いたまま背中に固定されているのだ。この斧が魔法の斧であることがそれで一目で分かる。
「本来ならば」
カワーは一旦そこで言葉を溜めて、忌々しいドワーフめ!といった顔でギャンコスの持つ魔法の斧と彼の顔を睨みつけた。
「武器を所持したまま総督室に入ってくる者は、敵意有りとみなされて攻撃されても文句は言えないのだがね、ギャンコス・ステインフォージ殿。貴方が今は亡き英雄の弟だから大目に見てはいるが・・・」
ステインフォージ家の特徴である錆色の豊かな髭をギュッと引っ張って、ギャンコスはハッ!と短く声を上げた。
「エリートだか何だか知らんが、オーガの若造が調子に乗るなよ。この斧は兄貴が残した唯一の形見だ。樹族の屋敷でこれが飾られているのを見つけた時は怒りで気が狂うかと思ったわい。弟であるワシがこれを肌身離さず持たずしてどうする?また厚かましい樹族の部屋に逆戻りするかもしれんじゃろうが?カーッ!」
樹族嫌いのドワーフは、自分で言った樹族という言葉を唾に乗せて床に吐こうとしたが、カワーが咳払いをしてそれを諌める。
ギャンコスも流石に無礼だと気が付き、フンと鼻を鳴らして唾を飲み込んだ。
総督のヤイバは両手を顔の前に組んで、疲れた様子で高い鼻を組んだ拳に乗せた。
「で、何のようです?ステインフォージさん」
「何の用も糞もない。お前さんはワシが何を言いに来たか、知っているはずじゃろう。何故ツィガル帝国からの移民や観光客を規制したんじゃ!お前さんも帝国出身じゃろうが!何故樹族の肩を持つ?」
「それは本気で言っているのですか?僕はね、アルケディアに就任してからツィガル人である事を非常に恥じているのですよ。樹族国の治安の悪化の原因をご存知で?ゴブリンやオークの窃盗や強盗、ドワーフのルール無視の商売、オーガの暴力沙汰!兵士や治安維持の為の冒険者の派遣が統治前の十倍ですよ!これがどれだけ財政を圧迫しているか!」
「力こそ全ての我々には樹族は大人し過ぎるんじゃよ。嫌なら必死に抗え!」
「力こそ全てなんてものは、闇側住人の生き様や信念に過ぎませんよ。それは法律で約束されているものではありませんから。それに帝国でもその考えは徐々に廃れてきています。力有るものが強引に富を囲っても、社会が停滞してしまって変化が起き難い。ある程度、富と責任を分け合い、知恵を出して助け合ってこそ社会は面白いものになると、皆も気がついたのかもしれません。それに力こそ全ての信念でいけば、社会的弱者である貴方はこの場に来て抗議する事も出来ないはずですが?今頃ガードナイトに叩き潰されていてもおかしくないのではありませんか?」
ヤイバはドアの両脇に立つ鎧の化物のようなガードナイトをちらりと見ると、視線をギャンコスに戻した。
「フン!ワシもただではやられんがの?あの兜から巻き毛を出しているお嬢ちゃんくらいなら道連れに出来るぞ!」
実際、英雄が持っていた魔法の武器ならば屈強なエリートオーガの一人ぐらい、戦闘経験の少ない戦士でも何とか道連れには出来るだろう。
「そんな事しても生産的ではありませんね。自治会長である貴方が、しっかりと帝国からの移民を取りまとめてくれれば、外国でこんな恥ずかしい報道はされないのですが」
ヤイバは息巻くギャンコスの注意を机の引き出しから出した魔法水晶に移させた。
そこにはモティ神聖国という宗教国家のニュースが流れている。ニュースには次々と帝国領となった樹族国の様子が映し出されていた。
樹族国の首都アルケディアの大通りで昼間から飲んだくれて横たわるオーガの酔っぱらい、堂々と樹族から首飾りを引きちぎって盗んでいくオークの少年、店から集団で万引きをしていくゴブリン達が次々に映し出され、帝国の統治能力の低さにニュースの司会者も呆れていた。
更に司会者の言葉は続く。
「どうです!この有様は。これが世界最強のツィガル帝国の統治能力なんですか?樹族発祥の地である樹族国が見るも無残な姿ですよ。帝国から来た品の無いならず者達によって樹族国住民達は気軽に街も歩けないようです。折角”神の子“ヤイバ様が総督として就任したのに、それでも彼等は無礼を働く。これはある意味神への冒涜ですよ!」
司祭兼司会者であるこの樹族は信心深いのかローブの下から木の形をしたペンダントを出して軽く祈った。
「煩いわ!糞樹族が!」
ドワーフは憤慨し、拳を作って魔法水晶を叩き割ろうとしたがカワーがその手を掴む。
「この魔法水晶は割りと高価なのだがね?借金塗れの貴方に弁償が出来るとは思えないのだが?」
「ぐむぅ!何故その事を?」
ドワーフがしかめっ面を若干緩めた。動揺しているのだ。
「英雄の弟殿を調べるのは些か失礼かと思ったがね・・・。貴方は英雄である兄の名を使って鍛冶屋を開いたが、腕の悪さで評判を落とし借金を作った。頼った甥のドワームにも突っぱねられ、それで首が回らなくなって逃げるようにして樹族国に来たのだろう?で、来たは良いが、結局樹族国でも情けない事に鍛冶屋経営を失敗している。その背中の兄の形見も無理やり所有者の樹族から半ば強引に所有権を移譲させた事も知っている。当然のように自分に所有権があるような顔をしているが、実際は借金返済の為に売り払うつもりではないのかね?本来なら英雄ドワイト・ステインフォージの息子であるドワーム殿に所有権があってもおかしくはないのだが?」
誰彼構わず傲慢で憎まれ口を叩くカワーという男に対し、今にも憤死しそうな顔で怒るギャンコスは口から泡を吹きながら背中の両手斧に手を伸ばそうとした。
「いい加減にしてくれ、二人共。カワーはもう黙れ」
ハァとため息をついてヤイバはドワーフを警戒して戦闘態勢を取るガードナイトに手を上げて制す。
しかし、カワーは元々意地悪な顔を更に歪ませて言う。
「いや、黙らないぞヤイバ。ギャンコス殿、樹族国に来る帝国の移民は皆、貴方のような負け犬なんじゃないのかね?祖国で爪弾きにされて樹族国に夢見てやって来たが、素行の悪さから樹族にも嫌な顔をされて煙たがられる。それで拗ねて悪さをするなんて、まるで小さな子供のようだ。悪行を指摘されまいと弱者や被害者を装って相手の口を封じる狡猾さだけは大人だがね。貴方達のような者は世界中、どこへ行こうがその土地に馴染むことは無い!」
「いいいい!言わせておけば小僧!悪さをしない移民だっている!自治区の皆も最初から悪さをしようとこの国へやって来たわけではないわい!慣れない国で無駄に空回りし、財産を消費し燃え尽きてしまったから仕方なく生きるために盗みを働くんじゃ!」
「それは、あなた方の都合であり樹族国の住人には何ら関係のない話だ。失敗したなら大人しく祖国に帰り、力を蓄えて、またこの国に挑めば良いだろう?ここにしつこく居座るのは、樹族国の社会保障制度が気に入ったからだろう。失敗しても帝国と違って生活を保証してくれる制度が帝国領になる数年前に樹族国には作られていた。帝国は無用な混乱を招かないように配慮して、樹族国の制度を多く残してる。貴方達は口でこそ、力こそ全て等と言いながら実際は弱者を演じて社会保障制度に頼っている。こんな情けない同胞は恥ずかしくて見ていられないな。一度祖国に帰って精神を鍛え直してくれると我々も統治が捗るのだがね?」
「カワー!いい加減にしろ!」
二つ名が動く魔法要塞であるヤイバは命令を無視した部下の口を魔法で閉じさせた。
プルプルと怒りで震え、何とか自制心を保とうとするギャンコスは息を大きく吸って―――しかし、やはり感情を抑えきれなかったのか、拳で机を激しく叩いた。
「ワシとて自治会長としての立場がある。今後も冷遇され、荒れた土地の粗末な掘っ立て小屋に住めと言うのならば、こちらにも考えがあるぞ!」
「何でそういう話になりますかね・・・ギャンコスさん。まず自らを律してくれないと我々も援助のしようがないのですよ。樹族国において・・・いや、帝国の支配を興味を持って見守る光側の各国にとって、あなた方はツィガル帝国の顔だという事を忘れてしまっているようだ。その自覚を持って誇り高き帝国臣民の規範となれば、こちらとしても手を差し伸べる大義が出来るというものです。しかし今のあなた方を援助すれば、悪さをしても優遇される帝国からの移民と二等市民として扱われる樹族のような印象を世界に与えてしまいます。戦争は得意でも平和的外交が苦手なナンベル皇帝陛下にとって、各国に与えるソフトで前向きなイメージというものは大事なのですよ。一度、皆を引き連れて帝国に帰ってみては如何でしょうか?その為の路銀と三ヶ月程の最低限の生活費は保証しますから」
ギャンコス・ステインフォージは錆色の大きく垂れる眉毛の下から目を剥いて憤慨した。
「ふざけるな!ワシらは意地でも帰らん!帰れば負け犬として笑われるじゃろうからな!」
「はぁ・・・。何故あなた方はそのプライドを・・・我が身を律する方向に持っていかないのでしょうか?」
「やかましいわ!ワシらにはワシらなりのやり方があるんじゃ!もう話すことはない!総督が同胞を助けないのであれば、我らは好きなようにさせてもらう!それではごきげんよう、世俗に落ちた神の子ヤイバ殿!」
ヤイバはかつて邪神から世界を救ってこの世から消えていった現人神ヒジリの子である。
信仰の対象であるヤイバを侮辱され、カワーとガードナイトの一人がギャンコスに飛びかかろうとしたが、ヤイバはそれを見越しており、二人を【捕縛】という見えない魔法のロープで縛り上げた。
ヤイバが魔法を発動させていなければ、ギャンコスは間違いなく床の染みになっていただろう。それほどオーガは怪力なのだ。
顔の冷や汗を手で撫でるようにして拭い、ギャンコスはほっと安堵の息を吐く。そして安全だと解ると、いつものしかめっ面に戻って背筋を伸ばした。
「ハッ!良い姿じゃな!小僧!」
ギャンコスはつま先で地面に寝転ぶカワーの胴を軽く小突くと部屋から出ていった。
元貴族であったシルビィ・ウォールは調度品も何もない広い居間でソファに深く腰を下ろすと、落ち着き無く赤い髪を軽く撫でたり顎を擦ったりして今後のウォール家の行く末のイメージを掴み取ろうとしていた。
「思いの外、帝国に財産を持っていかれてしまったな・・・。財を囲い込む元貴族が多いから、富の再分配をすると言っていたが厳しいものがある。戦後すぐに財産を没収してくれたのならまだ踏ん切りがついて良かったのだが・・・。これでは屋敷を維持する為の召使いも雇えんな。父上ならこんな時、どうしただろうか・・・」
帝国との戦いで戦死した父を思い出し、彼ならなんと言ったかを考える。豪放磊落な父親が赤い髪と立派な髭を揺らしてガハハと笑って「神の御心のままに!」と言っている姿が見えた。
「父上ならウォール家再興のチャンスまで身の丈にあった生活をしてそうだな・・・。となると屋敷を売って借家に住むか。子供たちは既に独立しているのが救いだな。母上は元平民とはいえ召使いもいない狭い部屋で暮らしていけるだろうか・・・。可哀想だが、それは慣れてもらうしかない・・・」
シルビィが他に考えるべき事を探していると、屋敷の玄関からドアの開く音がし、下品でガラガラとした声が聞こえてきた。それに対して気の強い女性のような声が怒鳴っている。
「また聖なる光の杖と喧嘩しているのか、シオは・・・」
長い金髪に金色の瞳、ローブの胸部を押し上げて少し膨らんで見える胸。中性的を通り越して女性のような見た目の夫は何かあるといつもインテリジェンス・スタッフである聖なる光の杖と言い争っているのだ。
「仲が良いのか悪いのか判らないな、あの二人は。どれ、出迎えに行くか・・・」
シルビィが部屋から出て玄関に近づくと、言い争いの内容が聞こえてきた。
夫の憤慨する声が杖を責め立てる。
「何でお前はいっつも大事な時に寝てんだよ!強力な敵のトドメはいつもお前の光魔法と俺の炎の魔法でって決めてるだろ!なんで攻撃しなかったんだよ!」
「・・・仕方無ぇだろ、相棒。・・・・あのさ、これはお前に弱みを見せるみたいで嫌だから、あんまり言いたく無かったんだけどよ・・・。俺様、そろそろ人格固定の魔法が消えそうなんだわ・・・」
「え!」
シオはそれを聞くと金色の瞳が瞬時に潤み、目の縁いっぱいに涙を溜める。
「うそ・・・だよな・・・?じょ、冗談言うなよ?それってまた新しく魔法かけ直せば大丈夫だよな?そ、そうだ!魔法の事ならイグナに聞こうぜ!な?な?闇魔女の彼女なら色んな魔法を知っているし、きっと再固定もしてくれるだろ?」
「・・・。すまねぇな、相棒。再固定は無理なんだわ。お前らの感覚で言う寿命ってやつ?俺も永遠に魔法が続くと思ってたんだけどよ、どうやらそうじゃないみたいだな。何か色々と思い出してきたわ。博士の事やクロスケやナビの事。一万年も魔法が続いた事は奇跡だった」
「いやだ!何で・・・何でお前まで!・・・没落していく我が家にとどめを刺すかのように!お前まで逝ってしまったら俺は・・・俺は・・・」
シオは杖に縋るようにして膝をついて涙をこぼした。
その様子を見てシルビィは階段を素早く降りて夫の肩に手を置く。
「シオ・・・・、どんなものだっていつかは朽ちていくものだ。杖だって時の流れには逆らえないのだよ」
「でもよシルビィ・・・。俺は物心ついた頃からこの杖とずっと一緒だったんだ・・・。まだ二十歳の時に両親が病気で亡なって一人で男爵として領地を治める事になった時も、不安がる俺の横でずっと憎まれ口叩きながら俺を励ましてくれてたんだぜ。こいつ無しの人生なんて考えられないよ。なぁ、何とかならねぇかな?なぁ・・・・」
シオは杖に縋るのを止めて、妻のシルビィの革ズボンに情けなく縋った。
気の強い夫は滅多にこんな姿を見せたりはしない。相当ショックが大きいのだろうと思い、暫く手助けになる知識は無いか、あれこれ頭の中の情報を探った後、一つだけ解決策を思いついた。
「・・・では、あの方に相談してみるか?」
「あの方って・・・もしかしてヒジリの事か?でも彼はもうただのオーガとして生きているって話だぞ?神としての彼に何かを頼むのは気が引けるな・・・」
「しかし、私の思いつく方法はそれしかない。彼は明日、子供を連れてアルケディアに来ると聞いた。治安維持の為に街を巡回していた聖騎士フランがそう言っていたのだ、間違いない」
「でも、ヒジリは魔法には精通していないぞ?」
「うむ、だが聖なる光の杖は普通のインテリジェンス・ウェポンではない。星のオーガの技術で生まれたとイグナが言っていた。だったら星のオーガであるヒジリが何も知らないという事は無いだろう?」
みるみるシオの顔に輝きが戻ってきた。キラキラする金色の目からは涙が消え、勢い良くシルビィに抱きつき、頬にキスをしまくる。
「そうか!!流石はヒジリマニアだな!シルビィ!愛してる!」
「おい!杖の前だぞ!恥ずかしいだろ!」
杖が抱き合う二人を見て茶化す。
「ヒューヒュー!熱いね!中年夫婦のくせに!」
「うるせぇ!誰のためにあれこれ考えていると思ってんだ!あほ杖!」
「へいへい、感謝感謝。ありがとありがと」
ヤイバは父親がくれた永久にインクの減らない不思議な万年筆で頭を掻くと、書類から目を離し窓から外を見た。
「まだ一年も経って無いんだよなぁ・・・。鬼のような忙しさだったからそう思ってしまうのも無理もないけど。妹や弟たちは元気かな。ポカとカイトのほっぺたは、そろそろプニプニしなくなるぐらいには成長している頃だろうね・・・ハァ・・・。あのほっぺたはもっと堪能しておくべきだった」
ずり落ちる眼鏡を中指で少し持ち上げ定位置に戻す。
夜目が利かないヤイバはそれを補うために魔法の眼鏡をしているが、視力自体は悪くないので昼間は外しても問題はない。が、なんとなく自分の眼鏡顔が気に入っているので外さないでいる。
ふいにドアがカカカカとせっかちにノックされた。
「カワー、いい加減そのノックの仕方を止めてくれないか?」
机に肘を置き、ため息をついてドアに向かって声をかけると、ガチャリとドアが開いて総督補佐のカワー・バンガーが入ってきた。
ラスボス一歩手前に出てくる悪の副官のような顔をした親友はフンと鼻を鳴らし銀色の長い髪を掻き上げた。
「暗殺者ではなく、僕がノックしていると解っていいだろう?(まぁ暗殺者はノックなんてしないが)それよりも、ヤイバ総督。また闇側住人の自治会長が来ているのだがね」
ヤイバは目の縁をなぞるように青黒い瞳をぐるりと一周させると、またため息をつく。
「はぁ~。またか彼か・・・。自治会長のギャンコスさんだっけ?確か英雄の弟の・・・」
「うむ。頑固なギャンコスと覚えている」
「フフッ。クールなカワーも時には駄洒落を言うのだね」
カワーはそんなつもりは無かったのか、悪人顔を真赤にして否定した。
「駄洒落を言ったのではない!まぁドワーフは総じて頑固だから、一々頑固だという必要はないのだが。でも語呂が良いから覚えやすいだろう?」
「確かに。アハハ」
ここ最近ずっと眉間に皺を寄せ、ため息ばかりついていた親友が笑顔を見せた事にカワーは気を良くしているとドアを無造作に開いてドワーフが入ってきた。
「機嫌が良さそうに見えるな、総督殿」
部屋にドスドスと樽のような体を揺らして入ってきたしかめっ面のドワーフは、武器である両刃の両手斧を背中に装備している。斧は固定具も無しに浮いたまま背中に固定されているのだ。この斧が魔法の斧であることがそれで一目で分かる。
「本来ならば」
カワーは一旦そこで言葉を溜めて、忌々しいドワーフめ!といった顔でギャンコスの持つ魔法の斧と彼の顔を睨みつけた。
「武器を所持したまま総督室に入ってくる者は、敵意有りとみなされて攻撃されても文句は言えないのだがね、ギャンコス・ステインフォージ殿。貴方が今は亡き英雄の弟だから大目に見てはいるが・・・」
ステインフォージ家の特徴である錆色の豊かな髭をギュッと引っ張って、ギャンコスはハッ!と短く声を上げた。
「エリートだか何だか知らんが、オーガの若造が調子に乗るなよ。この斧は兄貴が残した唯一の形見だ。樹族の屋敷でこれが飾られているのを見つけた時は怒りで気が狂うかと思ったわい。弟であるワシがこれを肌身離さず持たずしてどうする?また厚かましい樹族の部屋に逆戻りするかもしれんじゃろうが?カーッ!」
樹族嫌いのドワーフは、自分で言った樹族という言葉を唾に乗せて床に吐こうとしたが、カワーが咳払いをしてそれを諌める。
ギャンコスも流石に無礼だと気が付き、フンと鼻を鳴らして唾を飲み込んだ。
総督のヤイバは両手を顔の前に組んで、疲れた様子で高い鼻を組んだ拳に乗せた。
「で、何のようです?ステインフォージさん」
「何の用も糞もない。お前さんはワシが何を言いに来たか、知っているはずじゃろう。何故ツィガル帝国からの移民や観光客を規制したんじゃ!お前さんも帝国出身じゃろうが!何故樹族の肩を持つ?」
「それは本気で言っているのですか?僕はね、アルケディアに就任してからツィガル人である事を非常に恥じているのですよ。樹族国の治安の悪化の原因をご存知で?ゴブリンやオークの窃盗や強盗、ドワーフのルール無視の商売、オーガの暴力沙汰!兵士や治安維持の為の冒険者の派遣が統治前の十倍ですよ!これがどれだけ財政を圧迫しているか!」
「力こそ全ての我々には樹族は大人し過ぎるんじゃよ。嫌なら必死に抗え!」
「力こそ全てなんてものは、闇側住人の生き様や信念に過ぎませんよ。それは法律で約束されているものではありませんから。それに帝国でもその考えは徐々に廃れてきています。力有るものが強引に富を囲っても、社会が停滞してしまって変化が起き難い。ある程度、富と責任を分け合い、知恵を出して助け合ってこそ社会は面白いものになると、皆も気がついたのかもしれません。それに力こそ全ての信念でいけば、社会的弱者である貴方はこの場に来て抗議する事も出来ないはずですが?今頃ガードナイトに叩き潰されていてもおかしくないのではありませんか?」
ヤイバはドアの両脇に立つ鎧の化物のようなガードナイトをちらりと見ると、視線をギャンコスに戻した。
「フン!ワシもただではやられんがの?あの兜から巻き毛を出しているお嬢ちゃんくらいなら道連れに出来るぞ!」
実際、英雄が持っていた魔法の武器ならば屈強なエリートオーガの一人ぐらい、戦闘経験の少ない戦士でも何とか道連れには出来るだろう。
「そんな事しても生産的ではありませんね。自治会長である貴方が、しっかりと帝国からの移民を取りまとめてくれれば、外国でこんな恥ずかしい報道はされないのですが」
ヤイバは息巻くギャンコスの注意を机の引き出しから出した魔法水晶に移させた。
そこにはモティ神聖国という宗教国家のニュースが流れている。ニュースには次々と帝国領となった樹族国の様子が映し出されていた。
樹族国の首都アルケディアの大通りで昼間から飲んだくれて横たわるオーガの酔っぱらい、堂々と樹族から首飾りを引きちぎって盗んでいくオークの少年、店から集団で万引きをしていくゴブリン達が次々に映し出され、帝国の統治能力の低さにニュースの司会者も呆れていた。
更に司会者の言葉は続く。
「どうです!この有様は。これが世界最強のツィガル帝国の統治能力なんですか?樹族発祥の地である樹族国が見るも無残な姿ですよ。帝国から来た品の無いならず者達によって樹族国住民達は気軽に街も歩けないようです。折角”神の子“ヤイバ様が総督として就任したのに、それでも彼等は無礼を働く。これはある意味神への冒涜ですよ!」
司祭兼司会者であるこの樹族は信心深いのかローブの下から木の形をしたペンダントを出して軽く祈った。
「煩いわ!糞樹族が!」
ドワーフは憤慨し、拳を作って魔法水晶を叩き割ろうとしたがカワーがその手を掴む。
「この魔法水晶は割りと高価なのだがね?借金塗れの貴方に弁償が出来るとは思えないのだが?」
「ぐむぅ!何故その事を?」
ドワーフがしかめっ面を若干緩めた。動揺しているのだ。
「英雄の弟殿を調べるのは些か失礼かと思ったがね・・・。貴方は英雄である兄の名を使って鍛冶屋を開いたが、腕の悪さで評判を落とし借金を作った。頼った甥のドワームにも突っぱねられ、それで首が回らなくなって逃げるようにして樹族国に来たのだろう?で、来たは良いが、結局樹族国でも情けない事に鍛冶屋経営を失敗している。その背中の兄の形見も無理やり所有者の樹族から半ば強引に所有権を移譲させた事も知っている。当然のように自分に所有権があるような顔をしているが、実際は借金返済の為に売り払うつもりではないのかね?本来なら英雄ドワイト・ステインフォージの息子であるドワーム殿に所有権があってもおかしくはないのだが?」
誰彼構わず傲慢で憎まれ口を叩くカワーという男に対し、今にも憤死しそうな顔で怒るギャンコスは口から泡を吹きながら背中の両手斧に手を伸ばそうとした。
「いい加減にしてくれ、二人共。カワーはもう黙れ」
ハァとため息をついてヤイバはドワーフを警戒して戦闘態勢を取るガードナイトに手を上げて制す。
しかし、カワーは元々意地悪な顔を更に歪ませて言う。
「いや、黙らないぞヤイバ。ギャンコス殿、樹族国に来る帝国の移民は皆、貴方のような負け犬なんじゃないのかね?祖国で爪弾きにされて樹族国に夢見てやって来たが、素行の悪さから樹族にも嫌な顔をされて煙たがられる。それで拗ねて悪さをするなんて、まるで小さな子供のようだ。悪行を指摘されまいと弱者や被害者を装って相手の口を封じる狡猾さだけは大人だがね。貴方達のような者は世界中、どこへ行こうがその土地に馴染むことは無い!」
「いいいい!言わせておけば小僧!悪さをしない移民だっている!自治区の皆も最初から悪さをしようとこの国へやって来たわけではないわい!慣れない国で無駄に空回りし、財産を消費し燃え尽きてしまったから仕方なく生きるために盗みを働くんじゃ!」
「それは、あなた方の都合であり樹族国の住人には何ら関係のない話だ。失敗したなら大人しく祖国に帰り、力を蓄えて、またこの国に挑めば良いだろう?ここにしつこく居座るのは、樹族国の社会保障制度が気に入ったからだろう。失敗しても帝国と違って生活を保証してくれる制度が帝国領になる数年前に樹族国には作られていた。帝国は無用な混乱を招かないように配慮して、樹族国の制度を多く残してる。貴方達は口でこそ、力こそ全て等と言いながら実際は弱者を演じて社会保障制度に頼っている。こんな情けない同胞は恥ずかしくて見ていられないな。一度祖国に帰って精神を鍛え直してくれると我々も統治が捗るのだがね?」
「カワー!いい加減にしろ!」
二つ名が動く魔法要塞であるヤイバは命令を無視した部下の口を魔法で閉じさせた。
プルプルと怒りで震え、何とか自制心を保とうとするギャンコスは息を大きく吸って―――しかし、やはり感情を抑えきれなかったのか、拳で机を激しく叩いた。
「ワシとて自治会長としての立場がある。今後も冷遇され、荒れた土地の粗末な掘っ立て小屋に住めと言うのならば、こちらにも考えがあるぞ!」
「何でそういう話になりますかね・・・ギャンコスさん。まず自らを律してくれないと我々も援助のしようがないのですよ。樹族国において・・・いや、帝国の支配を興味を持って見守る光側の各国にとって、あなた方はツィガル帝国の顔だという事を忘れてしまっているようだ。その自覚を持って誇り高き帝国臣民の規範となれば、こちらとしても手を差し伸べる大義が出来るというものです。しかし今のあなた方を援助すれば、悪さをしても優遇される帝国からの移民と二等市民として扱われる樹族のような印象を世界に与えてしまいます。戦争は得意でも平和的外交が苦手なナンベル皇帝陛下にとって、各国に与えるソフトで前向きなイメージというものは大事なのですよ。一度、皆を引き連れて帝国に帰ってみては如何でしょうか?その為の路銀と三ヶ月程の最低限の生活費は保証しますから」
ギャンコス・ステインフォージは錆色の大きく垂れる眉毛の下から目を剥いて憤慨した。
「ふざけるな!ワシらは意地でも帰らん!帰れば負け犬として笑われるじゃろうからな!」
「はぁ・・・。何故あなた方はそのプライドを・・・我が身を律する方向に持っていかないのでしょうか?」
「やかましいわ!ワシらにはワシらなりのやり方があるんじゃ!もう話すことはない!総督が同胞を助けないのであれば、我らは好きなようにさせてもらう!それではごきげんよう、世俗に落ちた神の子ヤイバ殿!」
ヤイバはかつて邪神から世界を救ってこの世から消えていった現人神ヒジリの子である。
信仰の対象であるヤイバを侮辱され、カワーとガードナイトの一人がギャンコスに飛びかかろうとしたが、ヤイバはそれを見越しており、二人を【捕縛】という見えない魔法のロープで縛り上げた。
ヤイバが魔法を発動させていなければ、ギャンコスは間違いなく床の染みになっていただろう。それほどオーガは怪力なのだ。
顔の冷や汗を手で撫でるようにして拭い、ギャンコスはほっと安堵の息を吐く。そして安全だと解ると、いつものしかめっ面に戻って背筋を伸ばした。
「ハッ!良い姿じゃな!小僧!」
ギャンコスはつま先で地面に寝転ぶカワーの胴を軽く小突くと部屋から出ていった。
元貴族であったシルビィ・ウォールは調度品も何もない広い居間でソファに深く腰を下ろすと、落ち着き無く赤い髪を軽く撫でたり顎を擦ったりして今後のウォール家の行く末のイメージを掴み取ろうとしていた。
「思いの外、帝国に財産を持っていかれてしまったな・・・。財を囲い込む元貴族が多いから、富の再分配をすると言っていたが厳しいものがある。戦後すぐに財産を没収してくれたのならまだ踏ん切りがついて良かったのだが・・・。これでは屋敷を維持する為の召使いも雇えんな。父上ならこんな時、どうしただろうか・・・」
帝国との戦いで戦死した父を思い出し、彼ならなんと言ったかを考える。豪放磊落な父親が赤い髪と立派な髭を揺らしてガハハと笑って「神の御心のままに!」と言っている姿が見えた。
「父上ならウォール家再興のチャンスまで身の丈にあった生活をしてそうだな・・・。となると屋敷を売って借家に住むか。子供たちは既に独立しているのが救いだな。母上は元平民とはいえ召使いもいない狭い部屋で暮らしていけるだろうか・・・。可哀想だが、それは慣れてもらうしかない・・・」
シルビィが他に考えるべき事を探していると、屋敷の玄関からドアの開く音がし、下品でガラガラとした声が聞こえてきた。それに対して気の強い女性のような声が怒鳴っている。
「また聖なる光の杖と喧嘩しているのか、シオは・・・」
長い金髪に金色の瞳、ローブの胸部を押し上げて少し膨らんで見える胸。中性的を通り越して女性のような見た目の夫は何かあるといつもインテリジェンス・スタッフである聖なる光の杖と言い争っているのだ。
「仲が良いのか悪いのか判らないな、あの二人は。どれ、出迎えに行くか・・・」
シルビィが部屋から出て玄関に近づくと、言い争いの内容が聞こえてきた。
夫の憤慨する声が杖を責め立てる。
「何でお前はいっつも大事な時に寝てんだよ!強力な敵のトドメはいつもお前の光魔法と俺の炎の魔法でって決めてるだろ!なんで攻撃しなかったんだよ!」
「・・・仕方無ぇだろ、相棒。・・・・あのさ、これはお前に弱みを見せるみたいで嫌だから、あんまり言いたく無かったんだけどよ・・・。俺様、そろそろ人格固定の魔法が消えそうなんだわ・・・」
「え!」
シオはそれを聞くと金色の瞳が瞬時に潤み、目の縁いっぱいに涙を溜める。
「うそ・・・だよな・・・?じょ、冗談言うなよ?それってまた新しく魔法かけ直せば大丈夫だよな?そ、そうだ!魔法の事ならイグナに聞こうぜ!な?な?闇魔女の彼女なら色んな魔法を知っているし、きっと再固定もしてくれるだろ?」
「・・・。すまねぇな、相棒。再固定は無理なんだわ。お前らの感覚で言う寿命ってやつ?俺も永遠に魔法が続くと思ってたんだけどよ、どうやらそうじゃないみたいだな。何か色々と思い出してきたわ。博士の事やクロスケやナビの事。一万年も魔法が続いた事は奇跡だった」
「いやだ!何で・・・何でお前まで!・・・没落していく我が家にとどめを刺すかのように!お前まで逝ってしまったら俺は・・・俺は・・・」
シオは杖に縋るようにして膝をついて涙をこぼした。
その様子を見てシルビィは階段を素早く降りて夫の肩に手を置く。
「シオ・・・・、どんなものだっていつかは朽ちていくものだ。杖だって時の流れには逆らえないのだよ」
「でもよシルビィ・・・。俺は物心ついた頃からこの杖とずっと一緒だったんだ・・・。まだ二十歳の時に両親が病気で亡なって一人で男爵として領地を治める事になった時も、不安がる俺の横でずっと憎まれ口叩きながら俺を励ましてくれてたんだぜ。こいつ無しの人生なんて考えられないよ。なぁ、何とかならねぇかな?なぁ・・・・」
シオは杖に縋るのを止めて、妻のシルビィの革ズボンに情けなく縋った。
気の強い夫は滅多にこんな姿を見せたりはしない。相当ショックが大きいのだろうと思い、暫く手助けになる知識は無いか、あれこれ頭の中の情報を探った後、一つだけ解決策を思いついた。
「・・・では、あの方に相談してみるか?」
「あの方って・・・もしかしてヒジリの事か?でも彼はもうただのオーガとして生きているって話だぞ?神としての彼に何かを頼むのは気が引けるな・・・」
「しかし、私の思いつく方法はそれしかない。彼は明日、子供を連れてアルケディアに来ると聞いた。治安維持の為に街を巡回していた聖騎士フランがそう言っていたのだ、間違いない」
「でも、ヒジリは魔法には精通していないぞ?」
「うむ、だが聖なる光の杖は普通のインテリジェンス・ウェポンではない。星のオーガの技術で生まれたとイグナが言っていた。だったら星のオーガであるヒジリが何も知らないという事は無いだろう?」
みるみるシオの顔に輝きが戻ってきた。キラキラする金色の目からは涙が消え、勢い良くシルビィに抱きつき、頬にキスをしまくる。
「そうか!!流石はヒジリマニアだな!シルビィ!愛してる!」
「おい!杖の前だぞ!恥ずかしいだろ!」
杖が抱き合う二人を見て茶化す。
「ヒューヒュー!熱いね!中年夫婦のくせに!」
「うるせぇ!誰のためにあれこれ考えていると思ってんだ!あほ杖!」
「へいへい、感謝感謝。ありがとありがと」
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