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禁断の箱庭と融合する前の世界(39)

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「なんと!ここに住んで良いのか?」

 今まで仏頂面をしていたダンティラスはシオの別荘の前で寝耳へ水の果報とばかりに喜んだ。

「その代わりにってのもなんだけど・・・」

 シオはふと先祖である吸魔鬼のファナとの戦いを思い出した。こんな事を頼んで本当に大丈夫だろうかと少し戸惑いながら、喜ぶ吸魔鬼に提案を出す。

「遺跡に近寄ってくる魔物から人々を出来るだけ守ってやって欲しいんだ。勿論、気が向かない時や旅行に行く時なんかは冒険者に任せてしまってもいいぜ。ダンティラスがここいらを守護してくれると俺も鼻が高い。何せ、あんたはご先祖様に縁のある方だからな」

 シオを補足するように杖が喋り出す。

「金が必要なときはその辺の魔物倒して体の一部を近くのエポ村まで持っていけば冒険者ギルドが退治した魔物の対価を払ってくれるぜ?結構いい値段になるよな?相棒」

「おうよ。アイテムを求めてあちこち旅してたあの頃が懐かしいな~。退治した魔物の体の一部は触媒にもなるらしいからな。ギルドも潤って俺達も潤う」

 ダンティラスは喋る聖なる杖に少したじろぐ。これが光れば結構なダメージを受けるからだ。純粋ではない吸魔鬼のファナに比べ、始祖のうちの一人であるダンティラスには光魔法が何より脅威である。

 滅多に起こらない二次感染のような形(噛まれて寄生虫の卵を体内に入れられる、生殖行為で分身の寄生虫を送り込まれる等)で寄生された吸魔鬼より、直接オリジナルの寄生生物に潜りこまれて吸魔鬼となった者の方が能力も高く耐久力も高いが、光魔法の影響も受けやすい。

「吾輩の事を誇りに思ってくれるのはとても嬉しい事である。期待に添えるよう、遺跡周辺の人々を守護してみせよう」

「ありがとな!ダンティラス殿!」

 シオが笑顔でダンティラスをハグする。

 これでダンティラスは遺跡周辺に住む人々の守護者となった。

 恋人だったカトリーナを探し出して一緒に住もうか等と考えていると、ヒジリ達一行は遺跡に向かって歩き出した。

 シオは振り返って手を振っている。それに笑顔で片手を上げて応じ、見送ると彼は屋敷の中に入っていった。




「それにしても結婚してから色気が出てきたな、シルビィ」

 遺跡までは近いのでゆっくりと歩いてヒジリはシルビィに話を振った。

 しかし何故かシオがそれに答えた。

「そうなんだよ~。一児の母親なのにこの色気はヤバイだろ?俺も気が気でなくてさぁ~。常に目を光らせていないと男が言い寄って来るんだよ」

「なんと!モテ期到来だな、シルビィ」

 シルビィはやれやれといった態度で答える。

「確かに以前よりは男性が近づいて来るが、それは結婚して丸くなったからだろう。単に私に社交辞令や世間話をしているだけなのだが、シオはそれを見て嫉妬ばかりするのだ。困ったものだよ、ダーリン」

 カカカと杖が笑って言う。

「毎日毎晩、シオのお嬢ちゃんは嫉妬した後は盛った犬のように、シルビィちゃんとよろしくやってんだぜ?勘弁して欲しいよな。ここ最近、夜にお嬢ちゃんの部屋に置かれた事がないんだわ。玄関にばかり置くからよぉ、俺寂しいんだわ」

「ちょ!馬鹿!お前!」

 シオはプライベートな事を言われて慌てるが、ヒジリもそうだろうな、という態度だった。

「二人目はまだかね?リューロック殿も孫が増えれば嬉しいだろう?」

「ヒジリは何も知らねぇんだな。樹族の妊娠確率は恐ろしく低いんだ。一割あれば良いほうだぞ」

「じゃあ、一発でシルビィ殿を妊娠させたのは幸運だったのだな」

「ははは・・・何発も搾り取られたけどな・・・」

 シルビィが珍しく恥ずかしがりながらシオの尻を抓る。

 タスネは中年夫婦のお盛んな話にうんざりしながら歩いていると、何日か前に精霊使いと呼ばれる召喚士が土の精霊を呼んで埋めた穴が見えてきた。

 が、当たり前だが今はぽっかりと穴が開いている。昨日はウメボシが精霊使いの努力を一瞬にして無駄にしたのだ。

 他人の敷地内とはいえ勝手に冒険者達が入らないように穴の近くに裏側の見張りが二人立っていた。

 ヒジリ達を見ると敬礼して通す。

 暫く洞窟内を進むと遺跡は見えてきた。遺跡近くにあったメイジの死体は既に裏側が回収して調べている途中だ。

「取り敢えず、ダンティラス殿が住んでいた場所から探るか」

 ウメボシがスキャンを試みるもどうも不調のようだ。

 ヒジリはそれを察して自身で動きまわって遺跡のあちこちを調べている。が、ダンティラスの生活跡しか見つからない。

「更に奥へ進むとするか」

 ヒジリがそう言うと一行は此処の住人以外まだ踏み入れたことのない奥の暗がりへと向かった。

「ダンティラスさんは奥まで調べたりしなかったのかな?」

「奥には大きな四角い部屋と狭い部屋があるだけだったと彼は言ってたな」

 その言葉通り部屋は学校の講堂の倍くらいの広さがあり、奥の個室の壁には何か象形文字のような字が掘られてあった。

「サンプルが少なくて困難だろうが、何とか解読を試みてくれウメボシ」

「はい」

 静かな部屋にウメボシのジーという作動音が時折聞こえる。

「上を見ろと書いてあります」

 一同が上を見ると天井に文字が浮かび上がった。先程よりは解読に時間の掛からなかったウメボシが答える。

「右を見ろと書いてあります」

 同じように右を見ると

「今度は下を見ろですね」

 全員が下を向くと文字が光る。

「パンツ丸見え」

 ウメボシは書いてある内容を声に出すと、タスネは慌てて自分の下着が見えていないか確かめたが、今日は皮のショートパンツを履いていた事に気がつく。

「本当にそう書いてあるの?」

「はい、恐らくモーションを確認して開くタイプの扉かと」

 ウメボシがそう言い終わらない内に床が消えて一同はシューターに落ちていった。

 ヒジリとウメボシ以外は驚いて慌てふためいている。

「確かにスカートであれば下着が丸見えだな。スカートでなくて良かった」

 もうシューターになれたのかシルビィがそう言って笑う。

「俺は誰にも見せたくないけどな、シルビィのそんな姿」

「ば、馬鹿!」

 タスネは白けた顔でそのやり取りを見る。

(何よ・・・ずっと惚気けてるじゃないの、この馬鹿夫婦は!)

 全員が壁の穴から滑り出てくると、そこには計器が沢山壁に埋まっている部屋だった。中央に大きなモニターが埋まっている。

 ヒジリはウメボシに沢山の計器について尋ねる。

「この計器は何か意味があるのかね?」

「恐らくただのデザインかと」

 ヒジリが計器の近くに無造作に置いてあったカセットを発見した。灰色のそれは戦闘機の絵が書いてあり、縦に五センチ横に十センチの箱に見える。

「スーパーシンテンドウのカセットかな?」

 そう言って近くの穴にカセットを差し込むと突然中央の大きなモニターにインベーダーゲームのようなゲームが始まった。

 ヒジリは大きな台座型のコントローラーを操作して適当にプレイしてみる。

 ゲーム機を知らないシルビィ達にウメボシがルールを教えると、猛烈に興奮してヒジリを応援しだした。

 ゲームは至って単純、敵機を全て撃破すればいいのだ。

 しかしゲームに関してはスロースターターのヒジリは途中で自機を敵機に破壊されてしまった。

 リアルで何かペナルティがあるのか?と警戒したが何事も無く、ただのゲームか?と首を傾げるヒジリを押しのけてシオが大きなコントローラーのある台座の前に立った。

「あーもう!何やってんだよ!ヒジリ!俺にやらせろ!」

 ウメボシはこの可愛い両性具有の樹族に何か良い策でもあるのかと思ったが、ヒジリと大して変わらないスコアを出して自機を大破させデヘヘと笑っている。

 頭を掻いているシオをシルビイがドン!と突き飛ばして息巻いた。

「次は私の番だ!」

 漫画なら効果線の入りそうな顔をして、親指で自分を差す。

 その後ろで「次はアタシだからね」とタスネもワクワクしながら待っている。

「皆様、ゲームを楽しんでいるのですね・・・」

 ワーワーキャーキャー盛り上がっている彼らをよそにウメボシとヒジリは薄いタブレット端末のような機械を見つけた。

「まだ生きているな。それに魔法系アイテムじゃ無さそうだ」

 画面に触れるとパスワードなどでロックはされておらず、適当に触っていると白い髭を蓄えた禿げた老人が現れた。

 老人はキュルルルルと言っただけでその動画は終わってしまった。

「なんだこれは・・・」

 ヒジリは不気味な呪いのビデオでも見たような表情でもう一度動画を見る。やはりキュルルルルとしか言っていない。

「この方は共通語を喋っています。ただ、猛烈な早口なのでキュルルルルとしか聞こえないのです。内容は”私は逃げます。彼ら樹族達は博士が死んでから仲違いを始めてしまった。仲違いに巻き込まれた同胞をこの地に残して逃げるのは忍びないが、時間がない。樹族達が装置を使って星を隔離し隠してしまう前に我々はノームの本国にこの事を伝えに行かねばならない。同胞よ、どうかそれまで持ちこたえてくれ!追伸、『壁に挟まったビッチノームの尻』は廃棄しておいてくれ“ですね」

 ゲームに飽きたシオがタブレット端末を見て言う。

「お、これはノームだな。ドワーフや地走り族に似ているが彼らは早口だし、ゆっくりと喋ったとしても何を言っているのか判らねぇ」

 ヒジリは「これが我々を倒したビーム兵器を作り出す種族か」と呟く。

「このタブレット端末や遺跡の年代特定を頼む、ウメボシ。出来るか?」

「ええ、不調ですが小規模な範囲のスキャンは出来ます。・・・端末は凡そ八千年前の物です。この部屋自体は何かに阻害され調べようとしても出来ませんでした」

「思ったよりも古いな。それに遮蔽装置が作動しているということはノームは結局、本国に戻れなかったのだな。シオ、八千年前には何かあったのかね?」

「特に何もないと思うけど。ようやく文明が始まったって感じか」

「う~む、魔法があるせいか、文明の進歩が遅いのだな・・・。文明が始まって八千年間進歩がないどころか遺跡を見ると衰退しているようにも見える」

 ヒジリは更に一時間ほど探したが、結局ゲームカセットとタブレット端末以外は見つけることが出来なかった。

 遺跡からの持ち出しに関しての法は無いので、冒険者のように発見者に所有権が発生する。

「持ち帰って調べるとするか。出口は・・・恐らく転移装置か何処かに有るに違いない」

「いいえ、マスター。この扉の向こう側に地上への階段がありますよ」

 何もなかった壁に自動ドアが現れ、奥に階段が見える。

「意外とアナログだな。ゲームにしても階段にしても・・・。ノームの趣味なのだろうか?これは・・・」

「アナログが何の意味かは知らないけど、ノームは飛び抜けて賢いけど飛び抜けて間抜けな事も多いぞ。完全に閉じた頑丈な箱の中に娯楽用活動絵巻の映像を永遠に映す装置とか、スイッチを入れると地平の彼方から巨大な鉄傀儡が飛んできてスイッチを切って飛び去っていく装置とか。ここにいたノーム達は恐らく施設の利便性とかゲームに言うほど興味が無かったんじゃないかな。興味が有るものはとことん追求する種族だし」

「変な種族だな」

 変な種族であるノームを変人のヒジリが笑う。シオは可笑しかったが笑うのは悪いと思い止めた。

 結局、ゲームはタスネがクリアしてしまった。ご褒美のように台座の下の穴から缶詰が出てくる。

「古臭い文字でミートキューブって書いてあるね。新品みたいに見えるけど食べて大丈夫かな?」

 ラベルにはフォークを持ったノームの可愛い女の子のマスコットキャラクターが美味しいよ!と言わんばかりに舌なめずりしている絵が描かれている。

「い、嫌な予感がするぞ・・・。調べろウメボシ」

「はい、マスター。・・・中の肉はドワーフ及び地走り族、或いはその近縁種の肉で出来た缶詰です」

「ひえぇぇ!」

 タスネは缶詰を投げてヒジリに飛びついた。

 ヒジリはタスネを抱き上げ言う。

「一体此処で何があったのだろうな・・・」

 一同は、転がていく缶詰と同じマスコットキャラクターのポスターに不気味さを感じながら遺跡の階段を登っていった。

 階段は近くの丘の斜面に繋がっており、皆が出るとまた普通の丘に戻った。どうやら一方通行のようだ。

 その丘の近くで早速、ダンティラスがサイクロプスを捕らえエナジードレインをしていた。剥き身にはなっておらず、触手一本で吸い取っている。

 タスネがダンティラスの活躍を見ながら言う。

「あーきっと近くの鉱山で働かされていたのが逃げ出してきたんだね。普通はこんな所にいないもの、サイクロプス」

 マントで体を包み強気の笑みでサイクロプスからマナや能力を吸い取るダンティラスを見てシルビィは魅了されたのか思わず呟く。

「かっこいいな・・・ダンティラス」

 聖なる光の杖がアチャーと漏らすと同時にシオが嫉妬しだした。

「俺のほうがかっこいいだろ馬鹿!」

 シルビィの顔をグイッと自分の方に向けキスをする。

「はいはい、ごちそうさま、ごちそうさま!早く行っちゃってヒジリ!」

 タスネはそう叫ぶと自分を抱っこしているヒジリに丘を降りるよう指示を出した。

「アタシもそろそろ恋人が欲しいよ、トホホ」

 タスネがそう言うと前振りだと思ったウメボシが辺り一帯を暗くしてタスネの顔の周りだけを丸くライトで照らした。

 そして「テレレレレ、チャンチャン♪」とオチに相応しい音楽と共にライトの光を小さくして消した。

 闇の中でタスネは「これ何の儀式?」とヒジリに聞いたが「あー・・・なんだろうな?お決まりというか・・・」という返事しかなかった。
 
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