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理不尽なる神の意思

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 ぜぇぜぇと息を漏らす少女は、オーガの焼肉を見るなり、拒否反応を示した。

「食欲がないの」

 もっと考えるべきだったか。細かく刻んだ肉を入れたお粥でも良かったが、やはり一刻を争う。それに粥だと効果が薄れるかもしれない。焼肉が最善だと思いたい。

「いや、食べるんだ。絶対に病気が治るから!」

 俺は真っすぐと少女を見つめると、横から同じ病気の老人が会話に入って来る。

「何の肉じゃ?」

 ここで牛とか豚とか言うべきか悩んだ挙句、俺は正直に話した。

「病気にかからない能力持ちであるオーガの左腕の肉ですよ」

「オーガ!」

 驚くのも無理はない。一応、亜種とはいえ人類扱いされている種族だ。

 この星のメイン種族は樹族、次に地走り族や獣人が来る。そして闇側の種族である、ゴブリン、オーガ、オーク、魔人族。ノームだけはどこに行っても良い意味で別格扱いだが。

 オーガは樹族より劣るという意識が、この老人にはあるようだが、それでも同じ人類。共食いをするようなものである。

「あんたは同族の肉を人に出す事に抵抗はないのか? 嫌だとは思わないのか?」

 お爺さんの言葉に、思わず同族ではないと言いそうになったが、俺はこの星ではどう見てもノーマルタイプのオーガ。

「今はそれどころじゃない。ここの患者さんの病気を治すには、この肉を食べてもらう必要があるんだ!」

 俺の必死な懇願も虚しく、老人も少女も、その他大勢の患者も首を縦にふらなかった。

 くそ! 正直にオーガの肉なんて言うべきではなかったんだ。騙してでも―――、無理やりにでも、彼らの口に突っ込むべきだった。

「皆さん、忘れたのですか? オビオは現人神ヒジリ聖下の眷属ですよ?」

 眷属ではない。大家と借主みたいな関係だ。だが今は仕方がない。俺もウィングの言葉に乗ろう。

「そうだ。神の眷属である俺が、信用できないのか?」

 もう時間がない患者もいる。ウィングが広範囲の回復の祈りを継続させていても、意識すらない患者も何人もいる。あの少女だって、いつそうなってもおかしくはない。

「こうなったら、奥の手を出すか・・・・トァーーー!!!!」

 俺はその場で跳躍し、空中で三回転宙返りをした後、着地と同時に土下座をした。

「お願いします! 食って下さい!」

 聖堂の床に額を擦りつけ、バッと顔を上げて周囲の反応を窺うも、皆、驚いているだけで動こうとはしなかった。

 駄目だ。料理人の俺では誠意が・・・、伝わらないっ! 貴族や商人のような交渉スキルが無いからだ。鶏糞のような涙が出そうになるのを抑えていると、聖堂に反響するほどの怒声が飛ぶ。

「愚か者!!」

 遂にウィングが怒りに顔を赤く染めた。

「神の眷属にここまでさせるとは、あなた方は一体何様なのです? 恥を知りなさい! 彼は、献身、慈愛、命の尊さを、示してくれているのですよ! 今まで学んだ神の教えとは、なんだったのか、よく考えなさい!」

 暫く沈黙が漂った後、少女が寝ころんでいた長椅子から、よろよろと立ち上がった。

「私、食べる! バトルコック団のリーダーを信じる!」

 俺とアニメのバトルコック団のリーダーを重ねて見る少女は、薄い肉を手に取り、小さく齧って咀嚼した。そして飲み込む。

「美味しい!」

 良い匂いに釣られて、地下からやって来たトウスさんは、状況を察し、鎖で雁字搦めになったオーガを軽く前に蹴り出すと、お前も状況を飲み込めと促した。

「オーガさんのお肉のお陰で 咳も出なくなったし、元気が出てきた!」

 少女は、片腕のゼッドを見つめて、飛び跳ねて見せた。それを見ていた、他の患者が亡者のようになって、肉に手を伸ばす。子供に毒見させるとは、情けない大人たちだなぁ・・・。

「はぁ? じゃあ俺の肉を食った事で、こいつらにも能力が移ったって事か? オビオさんよぉ」

 ゼッドは元気そうにはしゃぐ少女や老人の前で、不思議そうな顔をする。

「いや、一回こっきりしか効果を発揮しない。でもお前の肉は、人を救ったんだ」

「なーにが、人を救っただ! 俺の腕を返せ! 馬鹿が」

 ゼッドの左腕は癒しの祈りで傷は塞がっている。その腕をちらりと見て、テーブルの上にある元左腕肉を恨めしそうに見つめた。

「残念ながら、もう無理だ」

 最後の一切れを地走り族の患者が、急いで口に放り込んだからだ。

「ちくしょぉぉぉ!!」

 自分の立場や、法の抜け穴を利用して悪行三昧をしてきた彼にとって、自分が利用されるのは、腸が煮えくり返るほどの出来事だろう。

「腕が残っていりゃ、治療の成功率が上がったのによぉ!」

「果たして、それはどうかな? さっき言った事を忘れたのかい?」

 ウィングは白々しく腕を組んで首を傾げた。悪のカルマ値が高く、信仰心の低いゼッドにそれは望めない事だからだ。

「さてと、村も救えた事だし、こいつの処遇はどうする? オビオ」

 どうすると聞いておきながら、トウスさんはゼッドの膝裏を蹴って、無理やり跪かせていた。そして首の背に、魔剣必中の刃先を当てている。

「神聖なる聖堂で、処刑なんて馬鹿な真似をするな!」

 サーカが珍しくトウスさんを窘めた。

「おおっと、いけねぇ。確かにそうだ。ウィングを犯そうとし、オビオを真っ二つにしたこいつを、俺は直ぐにでも殺したくて仕方がねぇんだ。誰が何と言おうと俺は殺るぜ? いいな? オビオ」

 いいな? って言われてもなぁ。

 そうこう迷っているうちにも、トウスさんは鎖を掴んで、ゼッドを引きずって歩く。ジャラ、ジャラと音が鳴り、聖堂の外へ通じる大扉に近づく獅子人の―――、足音がしないはずのブーツの音は硬い。

 外に出れば、トウスさんは、容赦なくゼッドの首を刎ねるだろう。法に基づく善行よりも、人々の自発的な善行を良しとするこの獅子人にとって、法を利用して悪事を働くゼッドはとても許せるような相手ではないのだ。

 一歩ごとに死が近づくのを感じて、胆力の塊という二つ名を付けても誰も文句は言わないだろうオーガのゼッドの顔色は、どんどんと青ざめていく。

「たすっ・・・」

 助けてほしいのか。でも今回ばかりは俺にもどうしようもない。あれだけ優しいウィングさえも、トウスさんを止めようとせず、黙って見送っている。俺もこいつは死んだ方が世界の為かもしれないと、心のどこかで思っているんだ。こいつの陰鬱で残虐な過去を見てしまったからな。

「助けてくれ! なんでもする! だから、だから!」

 そうやって自分の目の前で懇願し、死んでいった人々の気持ちを、今知ったのだろう。死のカウントダウンはあと一歩。

 しかし、意外な所から救いの声が上がった。

「獅子人のおじちゃん! そのオーガのおじちゃんを助けてあげて!」

 病死するまであと数日だった少女が、胸の前で拳を作って叫んだ。

 ピタリと足を止めたトウスさんは、子供に弱い。普通の戦士なら、少女の声を無視しただろう。

「なんでだ? 嬢ちゃん。こいつは、村人を殺しにやって来た悪者だぜ? なんで助けたいと思う?」

 少女は服の裾を握りしめて、俯いた。

「可哀想だから・・・。それに、その人のお肉で、私たちは助かったんでしょ?」

「それでもプラスマイナスゼロにはならねぇ。こいつを解き放てば、今度こそ、嬢ちゃんたちは死ぬかもしれねぇんだぞ? こいつはモティに雇われた騎士だ。お嬢ちゃん達の味方をする為に、モティを裏切って、暗殺者から身を隠す人生を選ぶとは思えねぇな」

 しかし、少女も負けていなかった。

「オーガのおじちゃん、泣いているもん! 可哀想だよ!」

「三文芝居だ。心の中では、お嬢ちゃんの声援に感謝して、ほくそ笑んでいる」

「違うよ! 本当に泣いているよ!」

 食いつく少女に、トウスさんは大人気なく、威圧スキルを発動させた。

「本当の涙なわけねぇだろ! こいつは今まで、同じように泣きながら助けてくれと懇願する大人を、いや、子供までも、容赦なく犯して殺してきたんだよ!! 惑わされるな!」

 懲罰室で自慢気にこれまでの悪事話したゼッドを庇おうとする処女に対して、咆哮に近いその声は、俺の敏感な鼓膜や聖堂の長椅子を、ビリビリと揺らした。患者の中には、威圧に負けて気絶する者もいる。

「それでも! 可哀想だもん!」

 そんな中で少女は、まだ立ったまま抗った。

「それでも、じゃ理由にはならねぇぞ。嬢ちゃん。話にならねぇ!」

 トウスさんは鎖を再び強く握りしめて、あと一歩踏み出そうとしたその時―――。

「クハハハ!! 久しぶりだなぁ。白獅子の」

 次元の割れ目から、奴が現れたのだ。そう、全身のクラックが光る、真っ黒の悪魔が。一応ここは聖堂で、邪悪な悪魔は入れないはずなんだけどな。

「その少女は、お前が放った渾身の威圧スキルに抗った。見事じゃねぇか」

 抗い足掻く者を好む、鋭い牙のある受け口の悪魔は、鋭い爪の付いた人差し指を、聖堂の庭に向けた。

「外を見ろ、司祭」

 ウィングは、悪魔キリマルに警戒しつつも、横を通り抜け外を見る。

「あ、あれは、可能性の蝶!」

 外を飛ぶ二匹の蝶は、見紛うことなく朧月蝶。本来、この地域には生息しない蝶だ。

「嘘だろ・・・。聖下はこんな悪人を生かせと言うのか!!」

 切れ長の目を見開いて、ウィングは膝を地面についた。

「それが神の冷や飯ッ! いやッ! 思し召しッ!」

 次元の隙間から、ヒョイと現れたビャクヤが奇妙なポーズをとって、お道化る。しかし、どこか怒り感じるのは気のせいか?

「あの神は、善人であった国境守りは生き返らせなかったというのにッ! こんな悪人に慈悲を与えるなんてッ! いとわろしッ!」

 やっぱり怒ってんだな。

「ディハハ! なんだかわからねぇが、神様が俺を生かせと言っているのだろう? だったらさっさと鎖を外せよ、糞獅子」

 トウスさんは目を閉じて舌打ちをしてから、意見を仰ぐようにウィングを見る。

 が、我らが司祭様は「これが神の意思であるのであれば」と言ったきり、横を向いてしまった。

「ゼッドにけじめを付けさせる事はできないってのか? これは定められた運命なのか? キリマル」

 俺は悔しそうにキリマルに聞いてみた。

「あぁ。残念だったな。クハハ。真の神は、お前らの価値観や倫理観なんて関係ない次元で生きているからな。腹が立つなら、マサヨシでも張り倒しとけ」

 なんでそこでツィガル帝国の高官、マサヨシさんが出てくるんだよ。

「まぁ神となったヒジリの思念体も、真の神の意向に無意識に従っているだけだからな。俺様が次元を超越して殺してきた、ダイスを振るだけの胸糞悪い神どもよりはマシな判断だと思うぜ?」

 なぜ、ゼッドを生かすのがまともな判断だと思うのか? 何か意味があるのか? このオーガが、生きて自分の身を削って人助けするとは思えない。

 俺とキリマルの会話中、退屈なのか、ビャクヤはシルクハットを上に放り投げて一回転させてからキャッチして言った。

「んんん、ところでッ! ところてんッ! ここで解放されたとして、その後はどうするのですかな? オーガ殿」

「そりゃ、モティに戻るに決まっているだろ」

 ビャクヤは頭を低く下げて、仮面の額に指を添え、片腕を高く上げて、ため息をついた。

「ハァ~、貴方~ッ、殺されますぞッ?」

 表情は見えないが、その仮面の下からは不穏な空気が漏れ出している。確実なる死が待っているぞ、というゼッドへの警告なのだろうか?

「俺がか?」

「左様。モティの斥候は、貴方の現状を今もどこかで見ているでしょう。吾輩は、その斥候がどこにいるのか、稚児のかくれんぼが如くッ! わかりますともッ!」

「ああ、あいつら隠れているつもりだろうが、クセェクセェ」

 キリマルの息の方が臭いけどな。ちゃんと歯ァ磨いてんのか?

「つまり俺が、オーガの神から恩赦を受けた事で、奴らから敵認定されたと?」

「そういう事ですッ! 中々察しの良いオーガですなッ!」

「モティの斥候如きに、俺が負けるか。阿呆が」

 ゼッドの体中に絡む鎖を解きながら、トウスさんが「ハッ!」と笑った。

「言っておくが、襲ってくるのは、モティの弱い斥候だけじゃねぇぞ。俺たちゃ、毎回色んな暗殺者を送り込まれているんだよ。街中ですれ違いざまに、毒針を刺そうとしてくる老婆や、寝込みを襲ってくる闇樹族、遠方から捻りもなく魔法を撃ってくる、はぐれメイジなどな。俺たちゃ(オビオ以外は)元々、それなりに強かったから退けてこれたが、敵はどんどんと強くなっていく一方だった。こういった手合いを、お前一人で―――、しかもこれからは、右腕だけで対処しないといけないんだぞ? 性格の悪いお前が、パーティを組めるとも思えねぇしな。傭兵を雇う金だって、いつまでもあるわけじゃねぇだろ。しかも、その傭兵に裏切られる可能性もある。それにオークのバガー兄弟なんか送り込まれたら、お前程度では絶対に勝てねぇ」

 バガー兄弟は自由騎士のセイバー(ヤイバ)をずっと追っているから、多分ゼッドなんて相手にしないだろう。

「それでも・・・。何とか生き延びてやるさ。神は生きろと言ってんだろ?」

 急に言葉に力が無くなったゼッドは、バガー兄弟以外の実力者の来襲が恐ろしくなったのだと思う。

「良いカルマを積みなさい」

 司祭ウィングは、そう言って鎖を解くのを手伝った。

「人を助け、善い行いを続けることで、神の庇護は強くなるでしょう」

「嘘をつくんじゃねぇ。もしそうなら、この世は善人だらけなはずだ。お前だって神を信じていたのに、俺に殺されそうになっていただろ」

「でも、今私は生きています。それどころか、一度消滅の武器で存在自体消えてしまいましたが、ここにいます」

「なに?! あの武器の攻撃を受けて復活したのか? ありえん」

「これも神の偉大なる御業」

 フフッと笑って、ウィングは俺にウィンクをした。

 だが、これに関しては心境が複雑だ。もはや消滅の武器の効果で、記憶から消えつつある女竜騎士の犠牲があってこその、ウィングの復活。

 伴侶を失った竜騎士のライト・マターさんは、今頃元気にしているだろうか?
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