76 / 299
西の大陸ゴデの街
しおりを挟む
俺とビャクヤは丸太を組んだ足場の上で海を眺めていた。
限りない海と空。
そして南国の初夏の太陽。できれば下に見える白い砂浜に寝そべって、のんびりしていたいもんだ。
「誰も見送りに来なくて良かったぜ。来られるとあれこれ話しかけてきてうっとおしいからな」
絶対に見送りに来ると思っていたクライネは、団長の仕事があるのでこの場にはいない。
英雄を見送りたいと申し出る村人も多数いたが、ビャクヤは上位転移魔法の存在をあまり知られたくないので、それを断った。魔法を隠そうとするのはビャクヤに限らずで、メイジや能力者は手の内を知られるのを嫌う。
なので今は二人、いや腰のアマリを含めて三人で、潮風を浴びながら水平線を見つめている。
「故郷へのイメージは掴めそうか? やっぱ時代が違うと駄目なのかねぇ?」
ビャクヤは未来人なので、過去の故郷のイメージを掴めるか不安で、中々集中できないようだ。
「多分、吾輩のいた時代とそう変わってはいないと思うがッ! 若かりし頃の現人神様にッ! これから会うと考えると緊張でッ! 心がぞわぞわしてくるのだよッ!」
そう言ってペンダントを握って何か祈っている。
「なんだ? 神様に無事に転移できますようにって祈っているのか?」
「いや、主様に祈っているのだッ! このロケットペンダントには主様の髪の毛が入っているッ!」
「そういや泣きながら、リンネの墓穴を掘って埋めてたのは、お前だったもんな。普通は父親がやりそうな仕事だけどよ・・・」
「泣いてなどいないッ!」
「いいっていいって。泣くのは恥じゃねぇ。(ヒヒヒ、泣き糞虫め)」
「聞こえているのだがねッ! 泣き虫は解るッ! だが、泣き”糞“虫とはなんだねッ! 失礼なッ!」
ビャクヤはここ最近【読心】の魔法を常駐させていなかったので、今のは油断してたわ。
変態仮面の怒りを逸らそうと俺は話題を変えた。
「アトラスはよ・・・。ありゃあ隠れクズ人間だぜ」
「どうしてそう思うのかねッ!」
「死んだリンネの顔を見ようともしなかったろ。心が折れるから死に顔は見たくないなんて言ってたが、ありゃ単純に使い捨てのリンネに関心がなかっただけだぜ。それに生き返ったアンナに欲情してたしよ。リンネの蘇生だって俺たちに任せっきりだしな」
「悪魔らしい陰口を叩くね。吾輩もアトラス様には思うところはあるッ! だがそこまで悪くは見ていないッ! 確かにリンネ様には関心がなさそうだったがッ! 親であるアトラス様が我が子の遺体を見て、心が折れるというのならそうなのだろうッ! アンナ様に欲情するのも解る気がするッ! アンナ様はリンネ様に似て美しいからねッ! 十数年ぶりに当時の姿のまま復活した妻を見てッ! 欲情してしまうのもあり得るッ! 嬉しさのあまり、思い出と劣情が蘇っても不思議ではないよッ! それにアトラス様が名誉の回復をした今、騎士の仕事が沢山あるだろうからねッ! リンネ様復活をッ! 我らに託すのも致し方なしッ!」
「ケッ!お人好しが。せっかく人の心を読む魔法を持ってんだからよ、他人の裏側にあるドロドロとした淀みを知れ。俺ばっかりに読心の魔法を使ってないでよ」
「前にも言ったが【読心】の魔法は危険なのだよ。上手く使わないとッ! 自分の心が疲弊してしまう! かつて偉大なる闇魔女様はッ! 【読心】を使い過ぎたせいで心が脆くなり、そのせいで怒りの精霊に支配されてしまったのだッ! 暴走した彼女が突然戦場に現れて、大量の敵を即死させたという伝説も残っている。吾輩は怒りの精霊に心を支配されるなんてまっぴら御免でごんスっ!」
ビャクヤはちょっとは元気になったようだな。以前のようにシュバシュバ動きながら喋っている。
「もう吹っ切れたのか? ビャクヤ」
「ええ。生き返ってくれるならリンネ様が赤ん坊でもいいッ!! と、段々そう思えるようになってきたのだよ」
「へぇ。前向きだな。まぁいつまでもメソメソしてたら、皆の前でパンツずり下ろしてやろうかと思ってたがよ」
「そんな事をすれば、全国一千万人いるビャクヤファンの女性がッ! 吾輩の一本しかないタケリタケに群がるではないかッ!」
「言ってろ、アホが」
「それに我々魔人族は樹族同様、寿命が近くなるまで歳を取らない。リンネ様が成長するのをゆっくりと待つさッ!」
「赤ん坊の時から付きまとうストーカーか。キモイな。ところで、お前ら魔人族は何歳まで生きるんだ?」
「百八十歳から二百歳の間に死ぬッ!」
「はぁ? マジか? また嘘をついているな?」
ブチャラティみたいに顔を舐めて、嘘をついているかどうか確かめようと思ったが、ビャクヤは仮面を付けている。
「嘘ではないよッ! それは西の大陸に行けば解る事さッ! よし、そろそろ転移できそうだッ! キリマルと話したお陰で緊張がほぐれてきた! たまには吾輩の役に立つのだねッ!」
「ひでぇ言い様だな」
さっさと飛べ。転移酔いの覚悟はできている。それに、びゅうびゅうと顔を叩く潮風と自分の髪がうっとおしいしな。以前にリンネがくれたリボンで後ろに結んでなけりゃ、メデューサの頭で激しく蠢く蛇みたいになってたろうよ。
「それではいきますよッ! グレェタァァァ!! テレポ~テーションぬッ!」
珍しく転移酔いをしなかったぜ。うん? 不自然に薄暗いな・・・。
「ここはどこだ? ビャクヤ」
俺は薄暗い中で、文字盤が光る腕時計で時間を確認する。昼過ぎか。
腕時計の他に時間を知る手段でもあったスマホは、充電ができずにただの四角くて薄い箱になっていた。なので今はビャクヤの無限鞄の中で漂っている。
それにしてもこの五百円で買った腕時計が、こんなにありがたいものになるとは思ってなかったぜ。ブランド名はSEIKOならぬSELKOだ。Lが微妙にIに見えて紛らわしい。元は中国にある日本企業の下請けが作ったOEM品なのでそこそこ丈夫なんだわ。
「聖地ゴデだ。現人神様の住んでいた・・・、いやこの時代は住んでいるのかッ! そう、現人神様の住む街!」
ビャクヤの仮面が、ワクワクした表情を作っている。
「まだ昼間なのに何でこんな暗いんだ? それに最近、嫌って程聞いたうめき声が、そこら中から聞こえてくるんだがよ」
「キリマル、後ろッ! 危ないんぬッ!」
いや、お前の後ろも危ないが?
「ゾンビに囲まれているな・・・。はぁ・・・またゾンビかよ!」
まぁこの程度なら何とかなるが。問題は、あの変な蜘蛛女に乗る地走り族と、素早く動く禿坊主のメイジだな。あいつら目の前のゾンビと戦うのに必死で、後ろのゾンビに気が付いてねぇぞ。
限りない海と空。
そして南国の初夏の太陽。できれば下に見える白い砂浜に寝そべって、のんびりしていたいもんだ。
「誰も見送りに来なくて良かったぜ。来られるとあれこれ話しかけてきてうっとおしいからな」
絶対に見送りに来ると思っていたクライネは、団長の仕事があるのでこの場にはいない。
英雄を見送りたいと申し出る村人も多数いたが、ビャクヤは上位転移魔法の存在をあまり知られたくないので、それを断った。魔法を隠そうとするのはビャクヤに限らずで、メイジや能力者は手の内を知られるのを嫌う。
なので今は二人、いや腰のアマリを含めて三人で、潮風を浴びながら水平線を見つめている。
「故郷へのイメージは掴めそうか? やっぱ時代が違うと駄目なのかねぇ?」
ビャクヤは未来人なので、過去の故郷のイメージを掴めるか不安で、中々集中できないようだ。
「多分、吾輩のいた時代とそう変わってはいないと思うがッ! 若かりし頃の現人神様にッ! これから会うと考えると緊張でッ! 心がぞわぞわしてくるのだよッ!」
そう言ってペンダントを握って何か祈っている。
「なんだ? 神様に無事に転移できますようにって祈っているのか?」
「いや、主様に祈っているのだッ! このロケットペンダントには主様の髪の毛が入っているッ!」
「そういや泣きながら、リンネの墓穴を掘って埋めてたのは、お前だったもんな。普通は父親がやりそうな仕事だけどよ・・・」
「泣いてなどいないッ!」
「いいっていいって。泣くのは恥じゃねぇ。(ヒヒヒ、泣き糞虫め)」
「聞こえているのだがねッ! 泣き虫は解るッ! だが、泣き”糞“虫とはなんだねッ! 失礼なッ!」
ビャクヤはここ最近【読心】の魔法を常駐させていなかったので、今のは油断してたわ。
変態仮面の怒りを逸らそうと俺は話題を変えた。
「アトラスはよ・・・。ありゃあ隠れクズ人間だぜ」
「どうしてそう思うのかねッ!」
「死んだリンネの顔を見ようともしなかったろ。心が折れるから死に顔は見たくないなんて言ってたが、ありゃ単純に使い捨てのリンネに関心がなかっただけだぜ。それに生き返ったアンナに欲情してたしよ。リンネの蘇生だって俺たちに任せっきりだしな」
「悪魔らしい陰口を叩くね。吾輩もアトラス様には思うところはあるッ! だがそこまで悪くは見ていないッ! 確かにリンネ様には関心がなさそうだったがッ! 親であるアトラス様が我が子の遺体を見て、心が折れるというのならそうなのだろうッ! アンナ様に欲情するのも解る気がするッ! アンナ様はリンネ様に似て美しいからねッ! 十数年ぶりに当時の姿のまま復活した妻を見てッ! 欲情してしまうのもあり得るッ! 嬉しさのあまり、思い出と劣情が蘇っても不思議ではないよッ! それにアトラス様が名誉の回復をした今、騎士の仕事が沢山あるだろうからねッ! リンネ様復活をッ! 我らに託すのも致し方なしッ!」
「ケッ!お人好しが。せっかく人の心を読む魔法を持ってんだからよ、他人の裏側にあるドロドロとした淀みを知れ。俺ばっかりに読心の魔法を使ってないでよ」
「前にも言ったが【読心】の魔法は危険なのだよ。上手く使わないとッ! 自分の心が疲弊してしまう! かつて偉大なる闇魔女様はッ! 【読心】を使い過ぎたせいで心が脆くなり、そのせいで怒りの精霊に支配されてしまったのだッ! 暴走した彼女が突然戦場に現れて、大量の敵を即死させたという伝説も残っている。吾輩は怒りの精霊に心を支配されるなんてまっぴら御免でごんスっ!」
ビャクヤはちょっとは元気になったようだな。以前のようにシュバシュバ動きながら喋っている。
「もう吹っ切れたのか? ビャクヤ」
「ええ。生き返ってくれるならリンネ様が赤ん坊でもいいッ!! と、段々そう思えるようになってきたのだよ」
「へぇ。前向きだな。まぁいつまでもメソメソしてたら、皆の前でパンツずり下ろしてやろうかと思ってたがよ」
「そんな事をすれば、全国一千万人いるビャクヤファンの女性がッ! 吾輩の一本しかないタケリタケに群がるではないかッ!」
「言ってろ、アホが」
「それに我々魔人族は樹族同様、寿命が近くなるまで歳を取らない。リンネ様が成長するのをゆっくりと待つさッ!」
「赤ん坊の時から付きまとうストーカーか。キモイな。ところで、お前ら魔人族は何歳まで生きるんだ?」
「百八十歳から二百歳の間に死ぬッ!」
「はぁ? マジか? また嘘をついているな?」
ブチャラティみたいに顔を舐めて、嘘をついているかどうか確かめようと思ったが、ビャクヤは仮面を付けている。
「嘘ではないよッ! それは西の大陸に行けば解る事さッ! よし、そろそろ転移できそうだッ! キリマルと話したお陰で緊張がほぐれてきた! たまには吾輩の役に立つのだねッ!」
「ひでぇ言い様だな」
さっさと飛べ。転移酔いの覚悟はできている。それに、びゅうびゅうと顔を叩く潮風と自分の髪がうっとおしいしな。以前にリンネがくれたリボンで後ろに結んでなけりゃ、メデューサの頭で激しく蠢く蛇みたいになってたろうよ。
「それではいきますよッ! グレェタァァァ!! テレポ~テーションぬッ!」
珍しく転移酔いをしなかったぜ。うん? 不自然に薄暗いな・・・。
「ここはどこだ? ビャクヤ」
俺は薄暗い中で、文字盤が光る腕時計で時間を確認する。昼過ぎか。
腕時計の他に時間を知る手段でもあったスマホは、充電ができずにただの四角くて薄い箱になっていた。なので今はビャクヤの無限鞄の中で漂っている。
それにしてもこの五百円で買った腕時計が、こんなにありがたいものになるとは思ってなかったぜ。ブランド名はSEIKOならぬSELKOだ。Lが微妙にIに見えて紛らわしい。元は中国にある日本企業の下請けが作ったOEM品なのでそこそこ丈夫なんだわ。
「聖地ゴデだ。現人神様の住んでいた・・・、いやこの時代は住んでいるのかッ! そう、現人神様の住む街!」
ビャクヤの仮面が、ワクワクした表情を作っている。
「まだ昼間なのに何でこんな暗いんだ? それに最近、嫌って程聞いたうめき声が、そこら中から聞こえてくるんだがよ」
「キリマル、後ろッ! 危ないんぬッ!」
いや、お前の後ろも危ないが?
「ゾンビに囲まれているな・・・。はぁ・・・またゾンビかよ!」
まぁこの程度なら何とかなるが。問題は、あの変な蜘蛛女に乗る地走り族と、素早く動く禿坊主のメイジだな。あいつら目の前のゾンビと戦うのに必死で、後ろのゾンビに気が付いてねぇぞ。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
ノリオ
ファンタジー
今から約200年前。
ある一人の男が、この世界に存在する数多の人間を片っ端から大虐殺するという大事件が起こった。
犠牲となった人数は千にも万にも及び、その規模たるや史上最大・空前絶後であることは、誰の目にも明らかだった。
世界中の強者が権力者が、彼を殺そうと一心奮起し、それは壮絶な戦いを生んだ。
彼自身だけでなく国同士の戦争にまで発展したそれは、世界中を死体で埋め尽くすほどの大惨事を引き起こし、血と恐怖に塗れたその惨状は、正に地獄と呼ぶにふさわしい有様だった。
世界は瀕死だったーー。
世界は終わりかけていたーー。
世界は彼を憎んだーー。
まるで『鬼』のように残虐で、
まるで『神』のように強くて、
まるで『鬼神』のような彼に、
人々は恐れることしか出来なかった。
抗わず、悲しんで、諦めて、絶望していた。
世界はもう終わりだと、誰もが思った。
ーー英雄は、そんな時に現れた。
勇気ある5人の戦士は彼と戦い、致命傷を負いながらも、時空間魔法で彼をこの時代から追放することに成功した。
彼は強い憎しみと未練を残したまま、英雄たちの手によって別の次元へと強制送還され、新たな1日を送り始める。
しかしーー送られた先で、彼には記憶がなかった。 彼は一人の女の子に拾われ、自らの復讐心を忘れたまま、政府の管理する学校へと通うことになる。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる