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第六章 ハロウィン戦争編
第百九十七話「復讐 其の四~力を合わせて~」
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最優先緊急任務:ネフティスNo.2錦野蒼乃と北条銀二の討伐及び『完全蘇生体』錦野智優美の討伐、死器『葬無冥殺之機神鈴白』の討伐
遂行者:錦野蒼乃、北条銀二を除くネフティス全メンバー、アルスタリア高等学園全生徒及び教師
犠牲者:???
午後13時20分 シルヴィア・アルジェ及び一部の回復部隊と白神亜玲澄の転送完了。ほぼ同時刻、ネフティスNo.5丸山雛乃が『葬無冥殺之機神鈴白』に向け攻撃開始――
「……さっ、皆であれを倒すわよ! 終わったらスペシャルライブのプレゼント……だよ?」
「うおおおおおお!!!」
「そうきちゃったら早くこいつをぶっ潰さねぇとな!!」
「私達もスペシャルライブのためにもうひと踏ん張りするわよ!」
生徒達が一斉に湧き上がり、力をみなぎらせる。アイドルというのはある意味『人を操る』能力を持った魔術師に等しい。そしてその能力は、あらゆる人に希望を与え、絶望から未来を変える。彼女もまた、『復讐者』の一人である。
「がああああああ――!!!!!」
全身から激しい水蒸気を噴き出しながら、ばらばらになった鈴白は再び一つになった。これで二度目の復活になる。
「復活っ……!?」
「慌てるな、同じように動けばいずれ倒せるっ!!」
「それに俺達にはひなのんがついている! あんなバケモンくらい余裕のよっちゃんだぜ!」
大声で掛け合いながら鼓舞する。各々震えていた足も落ち着くようになってきた。やるなら今しかない。
「……行こう、任務再開っ!!」
近距離部隊最後の一人にして隊長であるガイル・シュレイドは剣の切っ先を正面に向けながら全部隊に指揮を執る。各部隊の隊長を担う生徒たちは、それぞれ攻撃や次の鈴白の攻撃に備えて指示をする。
「……さて、もう一回かな」
雛乃さんはもう一度弓を構える。桃色の炎が燃え広がるように矢の形状を生み出し、それが一本から二本、そして三本まで増えていった。
「さっきよりもっと細かくして、炎の力で跡形も無く焼き尽くす……! 『舞矢閃花』!!」
先程よりも激しく燃え上がりながら、三本のピンクの矢が空を裂いた。凄まじい速度で一直線に飛び、一瞬で鈴白に迫った。
「がああああああっ――!!」
突如、鈴白は大きく飛びながら両手の大剣を振るい、雛乃さんの矢を弾く。
「……やっぱり、マヤネーン博士の言う通りだね。これが言ってた『魔術適応』ってやつね」
『魔術適応』。これこそが、鈴白が死器と呼ばれる大きな理由だ。その名の通り、魔術に適応……正確には『一度喰らった魔術や技を復活と同時に学習し、物理的に無効化する』といったもの。つまり、一度倒すごとに自分の技や魔術の札を一枚捨てる事になるのと同じなのだ。
「……技の手札勝負って言ったところかしら。なら私は負ける気がしないわっ!!」
気を引き締め、再度弓を引こうとしたその時、遠くから何やら騒音が近づいていくのが聞こえた。
「……聞いてないよ、まさか北条側の増援っ!?」
そうではないと信じたいが仮にそうだった時のために考えようと頭を悩ませるが、今はそんな時間などあるはずもない。増援じゃないことを信じ、鈴白を倒す事に専念する。
「今度は別の技でっ……『氷花凍穿』!」
今度は青白い冷気を纏った三本の矢を放った。鈴白は両手から拡散させるようにレーザーを放った。
「おい、また来るぞっ! 総員、タンク隊の後ろにつけ! タンク隊はそのまま前に! 遠距離部隊はタンク隊についてすぐ、さっきと同じ一斉攻撃でまた奴の視界を封じろ!」
「「了解っ!!」」
「がああああああっ!!!!!」
だが、一歩遅かった。鈴白のレーザーはあらゆる方向に飛び散っていく。
「よしっ、何とか矢は当たりそう! でも皆がやばい……!」
矢が鈴白に届くよりも速く皆がレーザーにやられちゃう。盾を持った人達で全員守れればいいけど……
「全員、早くしろ! 死んじまうぞ!!」
「ダメ、今そっちにいったら逆に全滅するわ!」
「くっ……タンク部隊、早急に治療部隊の前につけっ!」
「ガイル隊長、治療部隊が逃げ回っている中、俺達が動けば防御の陣形が崩れ、隊長だけでなく更に多くの犠牲が生まれます! 雛乃さんの攻撃を待った方が良いかと!」
「治療部隊が全滅したらどうするんだ! 後に彼女たちには巻き込まれた都民の治療の任務も担っているんだぞ! こんな所で死なせるわけにはいかない! 隊長命令だ、早急に迎え!!」
治療部隊がレーザーから逃げ回る中、タンク部隊は複数の班に分かれて少しでも治療部隊を守ろうとした、その時だった。
「S'écarter du chemin : !!!!(どけどけぇぇぇぇ!!!!)」
「Sárchez est en route Goraa !(サーシェス様のお通りだぜゴラァ!!)」
「なっ――!?」
一直線に突き抜けるようにガイルの横をバイクの群れが激しい走行音と共に横切る。バイクを運転する不良達は鈴白に向けて銃を構え、一斉に発砲した。鈴城の至る所に弾丸が命中したその瞬間、それぞれ爆発を起こした。次第に雛乃さんの放った矢も鈴白に命中し、一瞬で機神を氷漬けにする。
「うそっ……あのバイクの集団、何者なの?」
雛乃さんだけでなく、ここにいる全員がそう思った矢先に、今度は赤いスポーツカーが走り抜け、ドリフトしながら凍結した鈴白の目の前に止まる。運転席から出てきた金髪のオールバックの男は左手から金色の大剣を召喚して肩に担ぐと、ニッと笑った。
「S'agit-il de la plus ancienne arme divine existante, transformée en arme mortelle ? Je suis ici pour vous achever.(こいつが例の『現存最古の神器』が死器と化したものか。早速であれだが、この俺がトドメを刺しに来たぜ)」
そう言うとすぐに、サーシェスはその場で大きく飛び、鈴白を頭目掛けて躊躇無く大剣を振り下ろした。
廻獄結界をも一刀両断したその一撃は、機神すら凌駕する――
遂行者:錦野蒼乃、北条銀二を除くネフティス全メンバー、アルスタリア高等学園全生徒及び教師
犠牲者:???
午後13時20分 シルヴィア・アルジェ及び一部の回復部隊と白神亜玲澄の転送完了。ほぼ同時刻、ネフティスNo.5丸山雛乃が『葬無冥殺之機神鈴白』に向け攻撃開始――
「……さっ、皆であれを倒すわよ! 終わったらスペシャルライブのプレゼント……だよ?」
「うおおおおおお!!!」
「そうきちゃったら早くこいつをぶっ潰さねぇとな!!」
「私達もスペシャルライブのためにもうひと踏ん張りするわよ!」
生徒達が一斉に湧き上がり、力をみなぎらせる。アイドルというのはある意味『人を操る』能力を持った魔術師に等しい。そしてその能力は、あらゆる人に希望を与え、絶望から未来を変える。彼女もまた、『復讐者』の一人である。
「がああああああ――!!!!!」
全身から激しい水蒸気を噴き出しながら、ばらばらになった鈴白は再び一つになった。これで二度目の復活になる。
「復活っ……!?」
「慌てるな、同じように動けばいずれ倒せるっ!!」
「それに俺達にはひなのんがついている! あんなバケモンくらい余裕のよっちゃんだぜ!」
大声で掛け合いながら鼓舞する。各々震えていた足も落ち着くようになってきた。やるなら今しかない。
「……行こう、任務再開っ!!」
近距離部隊最後の一人にして隊長であるガイル・シュレイドは剣の切っ先を正面に向けながら全部隊に指揮を執る。各部隊の隊長を担う生徒たちは、それぞれ攻撃や次の鈴白の攻撃に備えて指示をする。
「……さて、もう一回かな」
雛乃さんはもう一度弓を構える。桃色の炎が燃え広がるように矢の形状を生み出し、それが一本から二本、そして三本まで増えていった。
「さっきよりもっと細かくして、炎の力で跡形も無く焼き尽くす……! 『舞矢閃花』!!」
先程よりも激しく燃え上がりながら、三本のピンクの矢が空を裂いた。凄まじい速度で一直線に飛び、一瞬で鈴白に迫った。
「がああああああっ――!!」
突如、鈴白は大きく飛びながら両手の大剣を振るい、雛乃さんの矢を弾く。
「……やっぱり、マヤネーン博士の言う通りだね。これが言ってた『魔術適応』ってやつね」
『魔術適応』。これこそが、鈴白が死器と呼ばれる大きな理由だ。その名の通り、魔術に適応……正確には『一度喰らった魔術や技を復活と同時に学習し、物理的に無効化する』といったもの。つまり、一度倒すごとに自分の技や魔術の札を一枚捨てる事になるのと同じなのだ。
「……技の手札勝負って言ったところかしら。なら私は負ける気がしないわっ!!」
気を引き締め、再度弓を引こうとしたその時、遠くから何やら騒音が近づいていくのが聞こえた。
「……聞いてないよ、まさか北条側の増援っ!?」
そうではないと信じたいが仮にそうだった時のために考えようと頭を悩ませるが、今はそんな時間などあるはずもない。増援じゃないことを信じ、鈴白を倒す事に専念する。
「今度は別の技でっ……『氷花凍穿』!」
今度は青白い冷気を纏った三本の矢を放った。鈴白は両手から拡散させるようにレーザーを放った。
「おい、また来るぞっ! 総員、タンク隊の後ろにつけ! タンク隊はそのまま前に! 遠距離部隊はタンク隊についてすぐ、さっきと同じ一斉攻撃でまた奴の視界を封じろ!」
「「了解っ!!」」
「がああああああっ!!!!!」
だが、一歩遅かった。鈴白のレーザーはあらゆる方向に飛び散っていく。
「よしっ、何とか矢は当たりそう! でも皆がやばい……!」
矢が鈴白に届くよりも速く皆がレーザーにやられちゃう。盾を持った人達で全員守れればいいけど……
「全員、早くしろ! 死んじまうぞ!!」
「ダメ、今そっちにいったら逆に全滅するわ!」
「くっ……タンク部隊、早急に治療部隊の前につけっ!」
「ガイル隊長、治療部隊が逃げ回っている中、俺達が動けば防御の陣形が崩れ、隊長だけでなく更に多くの犠牲が生まれます! 雛乃さんの攻撃を待った方が良いかと!」
「治療部隊が全滅したらどうするんだ! 後に彼女たちには巻き込まれた都民の治療の任務も担っているんだぞ! こんな所で死なせるわけにはいかない! 隊長命令だ、早急に迎え!!」
治療部隊がレーザーから逃げ回る中、タンク部隊は複数の班に分かれて少しでも治療部隊を守ろうとした、その時だった。
「S'écarter du chemin : !!!!(どけどけぇぇぇぇ!!!!)」
「Sárchez est en route Goraa !(サーシェス様のお通りだぜゴラァ!!)」
「なっ――!?」
一直線に突き抜けるようにガイルの横をバイクの群れが激しい走行音と共に横切る。バイクを運転する不良達は鈴白に向けて銃を構え、一斉に発砲した。鈴城の至る所に弾丸が命中したその瞬間、それぞれ爆発を起こした。次第に雛乃さんの放った矢も鈴白に命中し、一瞬で機神を氷漬けにする。
「うそっ……あのバイクの集団、何者なの?」
雛乃さんだけでなく、ここにいる全員がそう思った矢先に、今度は赤いスポーツカーが走り抜け、ドリフトしながら凍結した鈴白の目の前に止まる。運転席から出てきた金髪のオールバックの男は左手から金色の大剣を召喚して肩に担ぐと、ニッと笑った。
「S'agit-il de la plus ancienne arme divine existante, transformée en arme mortelle ? Je suis ici pour vous achever.(こいつが例の『現存最古の神器』が死器と化したものか。早速であれだが、この俺がトドメを刺しに来たぜ)」
そう言うとすぐに、サーシェスはその場で大きく飛び、鈴白を頭目掛けて躊躇無く大剣を振り下ろした。
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