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第六章 ハロウィン戦争編
第百九十六話「復讐 其の参~機神討伐任務~」
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最優先緊急任務:ネフティスNo.2錦野蒼乃と北条銀二の討伐及び『完全蘇生体』錦野智優美の討伐、死器『葬無冥殺之機神鈴白』の討伐
遂行者:錦野蒼乃、北条銀二を除くネフティス全メンバー
犠牲者:???
午後12時55分 白神亜玲澄サイド――
この身体になってから初めて出した奥義『罪開』で鈴白を真っ二つに斬り裂き、同時に焼き尽くしたはずだった。しかし、鈴白は白煙をたてながら焼けたパーツを再生させた。要は復活したのだ。
「――!!」
「おいおい……『罪開』を喰らって蘇生するとかマジもんのバケモンじゃねぇかこいつ!!」
油断していた俺に最大の危機が訪れていた時、大蛇とアルスタリア学院全生徒が姿を現した。
「あの怪物列車を倒すぞ!」
「えっ、あれを私達で倒すの……? 無理じゃない??」
生徒達は全員俺のとこまで走っていくのが見えた。どうやら大蛇は正義に加勢し、北条と対峙するつもりなのだ。共に戦ってこのクソみたいな戦争を終わらせたかったが、俺には鈴白を止めるという大事な任務があるのでそれを果たすまではお預けにしておく。まぁ、俺が早くケリつけられればいいだけの話だ。
「おいアレス! 俺達置いて一人であんな奴と戦おうなんてすんじゃねぇよ!」
「そうよ! 私達もいずれネフティスの一員として戦うんだから!」
「アルスタリア高等学園1年、全員の力で鈴白? ……をぶっ潰すぞ!!!」
全員一丸となってそれぞれ武器を構え、戦闘を開始する。剣や槍を持った前線部隊は一斉に鈴白目掛けて突進する。
「てめぇら、やめろっ……」
「アレス君!」
スタニッシュリング及び戦神の力を使いすぎた故、俺は一気に押し寄せられるかのように脱力感にやられ、倒れた。そこに治療を得意とするであろう数人の生徒たちが駆けつける。
「外部の損傷……よりも、過度の魔力消費ね。一先ず治療部隊を半分に分けるわ。そこの部隊は彼を安全な場所に転送魔法で非難させ、回復魔法をかけるわ。恐らく脳の疲労が酷いから頭部はなるべく動かさないように! もう片方の部隊はここに残って負傷した生徒達を回復させて!」
「「はいっ!!」」
こんな状況にも関わらず冷静に生徒達に指揮を執っているのは、アルスタリア高等学園一般区分科1年B組担任のシルヴィア・アルジェ先生だ。元々ネフティスの治療部隊のトップとして、負傷した数多くのメンバーや戦闘員をあらゆる治療手段を用いて回復させてきた、『回復魔法のスペシャリスト』だ。
「全員いるわね? 唱えるわよ……『瞬間転送』!!」
シルヴィア先生は地面に左手をつけながら転送魔法を唱える。青い魔方陣が周囲に描かれ、ドーム状の結界を作り出した。それに気づいたのか、鈴白がシルヴィア先生目掛けて左手からレーザーを放つ準備をする。
「タンク部隊は構えろ!! 生徒会が来るまでの間、俺達も訓練通りに動くぞ!!」
「「おうっ!!」」
「タンク部隊、ここは俺達が全部受け止めるぞ! 全員盾を構え、防御魔術を唱えろ!!」
シルヴィア先生達の前に白銀の重鎧に巨大な盾を装備した集団が現れ、三列に並んで階段状に配置を整え、正面に盾を構えた。
「――!!!」
「来るぞっ! 全員唱えろ!!」
――『不壊之絶城壁!!』
総勢50人近いタンク部隊の盾を更に巨大な青白い盾が覆い、城壁の如くシルヴィア先生達を囲う。それを貫かんとばかりに、鈴白の極太レーザーが放たれた。
「うおおおおおおお!!!!」
懸命にレーザーを防ぐタンク部隊の後ろで、攻撃部隊が鈴白の隙をつく。
「よし、奴の後ろを俺達近接部隊が攻撃する!! どんな技を使ってでもいい、奴のパーツを破壊しろ!!!」
うおおおおおっ、とこちらも雄叫びを上げながら突撃し、鈴白に攻撃を仕掛ける。そんな近接部隊に、鈴白は空いた右腕に取り付けられた大剣で行く手を阻む。
「うわぁぁぁっ!」
「ぐふぉぁぁっ!!」
「うぉっ、危ねぇ……!!」
「気を付けろ、奴の大剣は死器エリミネイト同等! 一撃でも当たれば即死だと思え!! 遠距離部隊、奴の視界を封じろ!!」
「行くよ、皆唱えてっ!!」
鈴白から見て全方位かつ頭上から遠距離部隊の生徒達が、鈴白の両眼目掛けて魔法を唱える。翳された両手からは炎や氷、雷や風といった様々な属性の魔法が精製される。
「――総員、放てっ!!」
刹那、あらゆる属性魔法が一斉に鈴白の両眼を襲った。見事全弾命中し、そこから爆発音と共にパーツが飛び散る。
「よし、ナイスだ遠距離部隊っ! 近接部隊、今がチャンスだ! 畳み掛けるぞっ!!」
「「おおおおおおおっ!!!!」」
これ以上無い最大の好機を逃さぬよう、近接部隊が一気に技を仕掛ける。しかし、両眼を失った鈴白は煙突から激しく黒煙を噴き出しながらレーザーを出す左手を薙ぎ払うように振った。
「なっ……!」
「まずいっ……総員、一旦退却!! すぐにタンク部隊の後ろにまわれ!!」
しかし、鈴白の動きが速すぎるのとタンク部隊との距離がある故に、レーザーは近接部隊を容赦無く焼き消す。
「くそっ、完全に暴走してやがる! 近接部隊、早くこっちに来い!!」
と、言いつつもそれより前にレーザーに焼かれたり大剣で叩き潰されたりとで確実に隊員が減っていく。このままでは全滅する。
――そしてついに、近接部隊最後の一人となった男子生徒に、魔のレーザーが襲い掛かる。
「マジかよ……もうおしまいかよ…………」
嫌だ……死にたくねぇ。まだ家族だっているし、ここで死んだら他の部隊の指揮も少なからず衰える!!
「でも俺は……ここで死ぬわけにはっ……!!」
自力で逃げてもレーザーにはめられて終わるなら、残る手段は一つしかない。神風特攻隊の如く、捨て身の攻撃を仕掛ける。
「せめてでかい爪痕つけてやるよ、鈴白ぉぉぉぉ!!!!!」
迫りくるレーザーに屈する事無く、近接部隊最後の一人は怯える足を無理矢理動かし、剣を後ろに構えて突っ込む。
このままレーザーに焼かれると思った、その時だった。
――――「『舞矢閃花』!!」
「なっ――!?」
上空から薄桃色のオーラを纏った一本の矢がレーザーを放つ左手首を穿つ。その直後、動きを止めて方向転換し、今度は大剣を振るう右腕の肘を穿つ。まるで矢が意思を持っているかの如く、音も立てずに次々と鈴白の周囲を飛び回っては身体を貫く。それが九回に渡って続いた。
「――!!!」
猛攻に耐えられなくなったか、鈴白の身体はバラバラに砕かれ、激しい土煙を立てながら崩れ落ちた。
「あれはっ!?」
「おい待て、あのビルの上にいるのって……!」
タンク部隊や治療部隊、更には遠距離部隊も今の攻撃を放った張本人が立つビルを見上げる。
「……見間違いじゃない。あの伝説のアイドルグループのメンバーが何でこの戦場に……!?」
無論、ここにいるアルスタリア全生徒は知るはずも無かった。桃色のツインテールを風で揺らしながら神々しい同色の弓を持つ、正に魔法少女と言わんばかりの姿をした女性は、アイドルとしての姿でしか見ていないのだから。
「――これがもう一つの私の顔。ネフティスNo.5兼アイドルグループ『トワイライト・パステリッツ』のリーダー丸山雛乃、只今参上っ! ……ってね☆」
(正義君、亜玲澄君、アルスタリア学園の皆……ここまで戦ってくれてありがとう。後は先輩である私に任せてねっ!!)
可愛いは最強。それを具現化したような存在である彼女の登場は、多くの生徒達を力づけた――
遂行者:錦野蒼乃、北条銀二を除くネフティス全メンバー
犠牲者:???
午後12時55分 白神亜玲澄サイド――
この身体になってから初めて出した奥義『罪開』で鈴白を真っ二つに斬り裂き、同時に焼き尽くしたはずだった。しかし、鈴白は白煙をたてながら焼けたパーツを再生させた。要は復活したのだ。
「――!!」
「おいおい……『罪開』を喰らって蘇生するとかマジもんのバケモンじゃねぇかこいつ!!」
油断していた俺に最大の危機が訪れていた時、大蛇とアルスタリア学院全生徒が姿を現した。
「あの怪物列車を倒すぞ!」
「えっ、あれを私達で倒すの……? 無理じゃない??」
生徒達は全員俺のとこまで走っていくのが見えた。どうやら大蛇は正義に加勢し、北条と対峙するつもりなのだ。共に戦ってこのクソみたいな戦争を終わらせたかったが、俺には鈴白を止めるという大事な任務があるのでそれを果たすまではお預けにしておく。まぁ、俺が早くケリつけられればいいだけの話だ。
「おいアレス! 俺達置いて一人であんな奴と戦おうなんてすんじゃねぇよ!」
「そうよ! 私達もいずれネフティスの一員として戦うんだから!」
「アルスタリア高等学園1年、全員の力で鈴白? ……をぶっ潰すぞ!!!」
全員一丸となってそれぞれ武器を構え、戦闘を開始する。剣や槍を持った前線部隊は一斉に鈴白目掛けて突進する。
「てめぇら、やめろっ……」
「アレス君!」
スタニッシュリング及び戦神の力を使いすぎた故、俺は一気に押し寄せられるかのように脱力感にやられ、倒れた。そこに治療を得意とするであろう数人の生徒たちが駆けつける。
「外部の損傷……よりも、過度の魔力消費ね。一先ず治療部隊を半分に分けるわ。そこの部隊は彼を安全な場所に転送魔法で非難させ、回復魔法をかけるわ。恐らく脳の疲労が酷いから頭部はなるべく動かさないように! もう片方の部隊はここに残って負傷した生徒達を回復させて!」
「「はいっ!!」」
こんな状況にも関わらず冷静に生徒達に指揮を執っているのは、アルスタリア高等学園一般区分科1年B組担任のシルヴィア・アルジェ先生だ。元々ネフティスの治療部隊のトップとして、負傷した数多くのメンバーや戦闘員をあらゆる治療手段を用いて回復させてきた、『回復魔法のスペシャリスト』だ。
「全員いるわね? 唱えるわよ……『瞬間転送』!!」
シルヴィア先生は地面に左手をつけながら転送魔法を唱える。青い魔方陣が周囲に描かれ、ドーム状の結界を作り出した。それに気づいたのか、鈴白がシルヴィア先生目掛けて左手からレーザーを放つ準備をする。
「タンク部隊は構えろ!! 生徒会が来るまでの間、俺達も訓練通りに動くぞ!!」
「「おうっ!!」」
「タンク部隊、ここは俺達が全部受け止めるぞ! 全員盾を構え、防御魔術を唱えろ!!」
シルヴィア先生達の前に白銀の重鎧に巨大な盾を装備した集団が現れ、三列に並んで階段状に配置を整え、正面に盾を構えた。
「――!!!」
「来るぞっ! 全員唱えろ!!」
――『不壊之絶城壁!!』
総勢50人近いタンク部隊の盾を更に巨大な青白い盾が覆い、城壁の如くシルヴィア先生達を囲う。それを貫かんとばかりに、鈴白の極太レーザーが放たれた。
「うおおおおおおお!!!!」
懸命にレーザーを防ぐタンク部隊の後ろで、攻撃部隊が鈴白の隙をつく。
「よし、奴の後ろを俺達近接部隊が攻撃する!! どんな技を使ってでもいい、奴のパーツを破壊しろ!!!」
うおおおおおっ、とこちらも雄叫びを上げながら突撃し、鈴白に攻撃を仕掛ける。そんな近接部隊に、鈴白は空いた右腕に取り付けられた大剣で行く手を阻む。
「うわぁぁぁっ!」
「ぐふぉぁぁっ!!」
「うぉっ、危ねぇ……!!」
「気を付けろ、奴の大剣は死器エリミネイト同等! 一撃でも当たれば即死だと思え!! 遠距離部隊、奴の視界を封じろ!!」
「行くよ、皆唱えてっ!!」
鈴白から見て全方位かつ頭上から遠距離部隊の生徒達が、鈴白の両眼目掛けて魔法を唱える。翳された両手からは炎や氷、雷や風といった様々な属性の魔法が精製される。
「――総員、放てっ!!」
刹那、あらゆる属性魔法が一斉に鈴白の両眼を襲った。見事全弾命中し、そこから爆発音と共にパーツが飛び散る。
「よし、ナイスだ遠距離部隊っ! 近接部隊、今がチャンスだ! 畳み掛けるぞっ!!」
「「おおおおおおおっ!!!!」」
これ以上無い最大の好機を逃さぬよう、近接部隊が一気に技を仕掛ける。しかし、両眼を失った鈴白は煙突から激しく黒煙を噴き出しながらレーザーを出す左手を薙ぎ払うように振った。
「なっ……!」
「まずいっ……総員、一旦退却!! すぐにタンク部隊の後ろにまわれ!!」
しかし、鈴白の動きが速すぎるのとタンク部隊との距離がある故に、レーザーは近接部隊を容赦無く焼き消す。
「くそっ、完全に暴走してやがる! 近接部隊、早くこっちに来い!!」
と、言いつつもそれより前にレーザーに焼かれたり大剣で叩き潰されたりとで確実に隊員が減っていく。このままでは全滅する。
――そしてついに、近接部隊最後の一人となった男子生徒に、魔のレーザーが襲い掛かる。
「マジかよ……もうおしまいかよ…………」
嫌だ……死にたくねぇ。まだ家族だっているし、ここで死んだら他の部隊の指揮も少なからず衰える!!
「でも俺は……ここで死ぬわけにはっ……!!」
自力で逃げてもレーザーにはめられて終わるなら、残る手段は一つしかない。神風特攻隊の如く、捨て身の攻撃を仕掛ける。
「せめてでかい爪痕つけてやるよ、鈴白ぉぉぉぉ!!!!!」
迫りくるレーザーに屈する事無く、近接部隊最後の一人は怯える足を無理矢理動かし、剣を後ろに構えて突っ込む。
このままレーザーに焼かれると思った、その時だった。
――――「『舞矢閃花』!!」
「なっ――!?」
上空から薄桃色のオーラを纏った一本の矢がレーザーを放つ左手首を穿つ。その直後、動きを止めて方向転換し、今度は大剣を振るう右腕の肘を穿つ。まるで矢が意思を持っているかの如く、音も立てずに次々と鈴白の周囲を飛び回っては身体を貫く。それが九回に渡って続いた。
「――!!!」
猛攻に耐えられなくなったか、鈴白の身体はバラバラに砕かれ、激しい土煙を立てながら崩れ落ちた。
「あれはっ!?」
「おい待て、あのビルの上にいるのって……!」
タンク部隊や治療部隊、更には遠距離部隊も今の攻撃を放った張本人が立つビルを見上げる。
「……見間違いじゃない。あの伝説のアイドルグループのメンバーが何でこの戦場に……!?」
無論、ここにいるアルスタリア全生徒は知るはずも無かった。桃色のツインテールを風で揺らしながら神々しい同色の弓を持つ、正に魔法少女と言わんばかりの姿をした女性は、アイドルとしての姿でしか見ていないのだから。
「――これがもう一つの私の顔。ネフティスNo.5兼アイドルグループ『トワイライト・パステリッツ』のリーダー丸山雛乃、只今参上っ! ……ってね☆」
(正義君、亜玲澄君、アルスタリア学園の皆……ここまで戦ってくれてありがとう。後は先輩である私に任せてねっ!!)
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