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第六章 ハロウィン戦争編
第百九十四話「復讐 其の壱~交差する復讐の刃~」
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最優先緊急任務:ネフティスNo.2錦野蒼乃と北条銀二の討伐及び『完全蘇生体』錦野智優美の討伐、死器『葬無冥殺之機神鈴白』の討伐
遂行者:錦野蒼乃、北条銀二を除くネフティス全メンバー
犠牲者:???
東京都渋谷区 時刻 午後12時25分――
この瞬間、二つの黒い閃光がぶつかった。
「っ――!!」
「くっ……!」
刀身同士が掠り合う度に黒い火花が激しく散る。お互い上半身を右に動かして剣撃を避ける。
「はぁぁっ!」
北条は今の攻撃の反動を利用し、右手の鎌で水平回転斬りを繰り出す。俺はすぐさま鎌の内側に入り込み、体制を整える。巨大な刃が首を通る前に、俺は目の前に見える鎌の柄を叩き斬る。
「ちっ、やはりそう来るか!」
「戦争も公平にしようぜ……そっちの方が緊迫感増して楽しいだろ」
分かっている。自分でも何を言っているのか分からない事くらい。だがどの道これが北条との最初で最後の戦闘だ。そして過去経験してきた中で一番の壁だ。それくらいのスリルが無ければこの戦闘に彩りは無い。
「……戦闘狂がっ!」
先程よりも速く左手の短剣が襲い掛かる。それを難なく剣で受けたり躱したりを繰り返す。
「お前も同じようなものだ!」
北条が左に振り抜いた直後、僅かに生まれた隙を逃さないよう右足を前に出し、左から水平に青白い半円を描くように振り払う。
「ふっ、そうかもしれないな!」
「ちっ……!」
突如間合いに入られ、北条は右足で腹部目掛けて蹴る。喰らう寸前に左手の裏拳で右足を僅かに外に弾くと、北条は左足を軸に回転蹴りを繰り出した。
「甘いっ!」
「っ――」
唐突な連続攻撃に驚くも、咄嗟に右足を後ろに蹴って宙返りする。前髪が北条の踵に触れて大きく靡いて少しどきりとしたが何とか避ける事に成功する。
「っぶねぇ……」
「今のを避けるとは……流石『黒き英雄』と呼ばれるだけある」
「……そりゃどうも」
北条からの褒め言葉を素っ気なく返し、俺は先程の宙返りで地面に触れた左手に刺さったガラスの破片を摘んで地面に捨てる。若干所々出血していたが、戦闘に支障は出ないだろう。
「さて……第二ラウンドといこうか。お遊びはここまでだ」
「共にお前の陰謀もここまでだ!」
右足で強く飛び上がり、反命剣を頭上まで大きく振りかぶる。北条は短剣を正面に翳し、カウンターの構えをとる。
「せぁぁぁあああ!」
「来るがいい、黒神大蛇っ!」
剣先が北条の足元に触れた直後、赤黒いオーラを|纏った北条の短剣が目の前まで襲い掛かった。前かがみになった状態で全身を捻り、北条の右手の方まで回転して間一髪で躱す。
「うらぁっ――!!」
「させるかっ!!」
再び逆手に持った短剣で俺の一撃を受け止める。少しの間鍔迫り合いに移行した。
「北条、本当に俺を殺すだけのためにこの街を滅茶苦茶にしたのか! 初めから罪なき人達も抹殺する気なんだろ!」
「私が思わず息の根を止める前に君には教えてあげよう。君の言う通り、私の真の目的は『海の魔女』の復活という名の君への復讐だ。アースラの魂となる魔力の『核』は私が持っている。それと数多の人類から生まれる『負の力』と無慈悲に飛び散った血を融合したその時……」
――『海の魔女』アースラは終焉の神として再臨する。
「っ――!!」
一瞬、身体が硬直した。その刹那、北条の短剣が俺の右頬を浅く斬った。
「ちっ……」
「止めたければ私を殺したまえ。だが、そう遠くない未来にこの運命は必ず訪れる」
何がアースラの復活だ……何が俺への復讐だ、運命だ……ふざけるなふざけるなふざけるな。
――そんな運命、お前諸共ぶっ殺してやる。
「おああああああああ!!!!!」
怒りが頂点に達し、俺は無意識に突進しては北条の首目掛けて剣を右上から勢いよく振り下ろした。青白い刀身を覆った黒い閃光は、俺の北条に対する殺意が表しているかのように光っていた。
遂行者:錦野蒼乃、北条銀二を除くネフティス全メンバー
犠牲者:???
東京都渋谷区 時刻 午後12時25分――
この瞬間、二つの黒い閃光がぶつかった。
「っ――!!」
「くっ……!」
刀身同士が掠り合う度に黒い火花が激しく散る。お互い上半身を右に動かして剣撃を避ける。
「はぁぁっ!」
北条は今の攻撃の反動を利用し、右手の鎌で水平回転斬りを繰り出す。俺はすぐさま鎌の内側に入り込み、体制を整える。巨大な刃が首を通る前に、俺は目の前に見える鎌の柄を叩き斬る。
「ちっ、やはりそう来るか!」
「戦争も公平にしようぜ……そっちの方が緊迫感増して楽しいだろ」
分かっている。自分でも何を言っているのか分からない事くらい。だがどの道これが北条との最初で最後の戦闘だ。そして過去経験してきた中で一番の壁だ。それくらいのスリルが無ければこの戦闘に彩りは無い。
「……戦闘狂がっ!」
先程よりも速く左手の短剣が襲い掛かる。それを難なく剣で受けたり躱したりを繰り返す。
「お前も同じようなものだ!」
北条が左に振り抜いた直後、僅かに生まれた隙を逃さないよう右足を前に出し、左から水平に青白い半円を描くように振り払う。
「ふっ、そうかもしれないな!」
「ちっ……!」
突如間合いに入られ、北条は右足で腹部目掛けて蹴る。喰らう寸前に左手の裏拳で右足を僅かに外に弾くと、北条は左足を軸に回転蹴りを繰り出した。
「甘いっ!」
「っ――」
唐突な連続攻撃に驚くも、咄嗟に右足を後ろに蹴って宙返りする。前髪が北条の踵に触れて大きく靡いて少しどきりとしたが何とか避ける事に成功する。
「っぶねぇ……」
「今のを避けるとは……流石『黒き英雄』と呼ばれるだけある」
「……そりゃどうも」
北条からの褒め言葉を素っ気なく返し、俺は先程の宙返りで地面に触れた左手に刺さったガラスの破片を摘んで地面に捨てる。若干所々出血していたが、戦闘に支障は出ないだろう。
「さて……第二ラウンドといこうか。お遊びはここまでだ」
「共にお前の陰謀もここまでだ!」
右足で強く飛び上がり、反命剣を頭上まで大きく振りかぶる。北条は短剣を正面に翳し、カウンターの構えをとる。
「せぁぁぁあああ!」
「来るがいい、黒神大蛇っ!」
剣先が北条の足元に触れた直後、赤黒いオーラを|纏った北条の短剣が目の前まで襲い掛かった。前かがみになった状態で全身を捻り、北条の右手の方まで回転して間一髪で躱す。
「うらぁっ――!!」
「させるかっ!!」
再び逆手に持った短剣で俺の一撃を受け止める。少しの間鍔迫り合いに移行した。
「北条、本当に俺を殺すだけのためにこの街を滅茶苦茶にしたのか! 初めから罪なき人達も抹殺する気なんだろ!」
「私が思わず息の根を止める前に君には教えてあげよう。君の言う通り、私の真の目的は『海の魔女』の復活という名の君への復讐だ。アースラの魂となる魔力の『核』は私が持っている。それと数多の人類から生まれる『負の力』と無慈悲に飛び散った血を融合したその時……」
――『海の魔女』アースラは終焉の神として再臨する。
「っ――!!」
一瞬、身体が硬直した。その刹那、北条の短剣が俺の右頬を浅く斬った。
「ちっ……」
「止めたければ私を殺したまえ。だが、そう遠くない未来にこの運命は必ず訪れる」
何がアースラの復活だ……何が俺への復讐だ、運命だ……ふざけるなふざけるなふざけるな。
――そんな運命、お前諸共ぶっ殺してやる。
「おああああああああ!!!!!」
怒りが頂点に達し、俺は無意識に突進しては北条の首目掛けて剣を右上から勢いよく振り下ろした。青白い刀身を覆った黒い閃光は、俺の北条に対する殺意が表しているかのように光っていた。
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