186 / 232
第六章 ハロウィン戦争編
第百七十三話「異常事態(上)」
しおりを挟む
――異常事態発生 異常事態発生
『最優先緊急任務』
東京都渋谷区に異常事態発生。被害拡大の恐れあり。ネフティスメンバーは直ちに直行せよ。繰り返す――――
「っ――!?」
ポケットの中の携帯が警告音と共に震える。僕――マヤネーン・シューベルは画面を開き、詳細を確認する。しかしそこには――
「……東京都渋谷区に謎の集団が一斉召喚され、街を破壊している。被害を少しでも抑えるべく、ネフティスメンバーは直ちに応戦せよっ……!?」
まずい、今はネフティス同士で争ってる場合じゃない。日本壊滅の危機だっ……!
「とりあえず何とかしないとっ!」
急いで手袋を履きながら運転席に乗り込み、そのまま車を走らせた。
「一先ず家に戻って全員に連絡だ……!」
◇
東京都渋谷区 涼宮凪沙サイド
――大蛇君なら、大蛇君達なら絶対この戦いを終わらせられる……だから彼らに全てを託して私はこの世を去る。そのシチュエーションも悪くはなかった。なのに……
「トリック……トリックゥゥ……」
「オカシ……オカシ…………チョコォォ……クッキィィィ……オカシィィィィ!!!!」
「っ――!!」
そう簡単に運命は私を死なせてくれないらしい。にしても何この集団。白いボロボロの衣服に鋭い鎌を持った骸骨の亡霊。その後ろにはジャック・オ・ランタンを思わせるような全身かぼちゃ色に頭が正にそれのゾンビの軍団がじりじりと私を挟んでいく。
「うっ……私、死ぬ寸前……なのにぃ……!!」
おまけに蒼乃ちゃんも意識を失っている。そんな中このボロボロの状態でどうこの集団と戦えというのか。
「……これが北条の真の目的って事ね」
もしくは……死器エリミネイトを回収出来なかった際の、最後の手段。
今日という日には正にぴったりには賑やかになった。かぼちゃの被り物、あれじゃないけど被りたかったな。
「……でもごめんね。私の仮装はミイラだって毎年決めてるのっ!!」
実質死にものぐるいで槍を振り回し、双方から亡霊達が迫ってくるのを待った。
「北条銀二。ネフティスの皆を……ネフティスをこんな目にさせた事……絶対許さないんだから!」
◇
東京都渋谷区 白神亜玲澄、武刀正義サイド
目的以外の敵は殺さない……そんな正義の性格のおかげで、俺達はネフティスメンバーの雛乃先輩を北条の洗脳から解き、今や共に行動していた。
「そうなんだ……じゃあ、私達は知らぬ間に北条に操られて、利用されていたって事なんだ」
「そうだと思います。とは言っても、実際そうなんですけど」
「とりあえず誤解が解けてくれて良かったぜ。ま、まだまだいるんだろうけどよ」
「そりゃそうだろ。凪沙先輩と雛乃先輩、北条を除いたらまだ7人もいる。大事が起きる前に全員にかかった北条の呪縛を解かないといけねぇんだぞ」
今のところ、何で正義が俺の攻撃から雛乃先輩を守っただけで呪縛から解けたのかは不明だ。だがこのようにして北条に利用されたネフティスメンバーが救われたのだ。このまま同様に全員を救い、ネフティスを元通りにする。それが今回の緊急任務の一つでもあるのだから。
「黒坊……無事だと良いけどな」
「あぁ……てか大蛇が死んだら俺達から何もかもが失われる最悪の未来になってしまうからな。無事だと思ってないとこの先やっていけないぞ」
「大蛇……」
黒神大蛇。名前は聞いたことある。彼らと同じネフティスに所属していて、数少ない禁忌魔法の所有者。更に今は死器エリミネイトを操る死神。北条さんが最も警戒し、最も憎むべき本来の敵。でも、私はその個人的憎悪で利用されていただけだった。一緒に任務を遂行する仲間を殺したくなかったから。
「彼もまた、辛い中で生きているんだね……」
「……雛乃パイセン?」
「あ、ごめんね二人共。早く皆を助けないと、だね!」
つい癖で出てしまう独り言を聞かれて赤らめた顔を、お得意の作り笑顔で何とか誤魔化して前を向いて速歩きした。
「あ、ちょっと早ぇぜパイセン!!」
「正義、お前も一旦落ち着けっ――」
亜玲澄が二人に追いつこうと足を踏み込んだ、その刹那……街が大きく揺れ始めた。
「っ……!!?」
「きゃっ……!」
「地震かっ!?」
三人の動きがピタリと止まる。所々で窓ガラスが割れる音が鳴り響き、人の悲鳴と共鳴する。
「オカシ……オカシ…………」
「キャンディィ……ペロペロキャンディィィ!!!!!」
正義の頭上目掛けてかぼちゃ頭の白い亡霊が巨大な鎌を振りかぶる。
「うおっ……!!」
この一秒と経たない間に正義は思い切り背中を反り、鎌の切っ先を避ける。正義の髪を撫でた直後、衝撃波で地面が扇形に割れる。
「マジかよ……バケモンかよこいつら」
――待て、それより白坊達はっ……!
「心配すんな! 俺達なら無事だ」
「とりあえず今はこっちを優先しないとだね!」
「へっ……どうやら心配した俺が馬鹿みてぇだな!」
亜玲澄達はそれぞれ衝撃波が来る前に左右に飛んで避け、武器を構えていた。亡霊が近づく度に襲い掛かる地震に耐えながら、正義の元に集まる。
「正義、何がなんだか分かんねぇけどなるべく被害を抑えつつ全力で潰すぞ」
「ま、いつも通りやれって事ね。分かってますぜ」
「ふふっ、敵の敵は味方……こういうのも悪くないね!」
「何か使い方間違ってるような……いや、指摘してる場合じゃないな!」
正面にいる鎌を持った亡霊を筆頭に、後ろから一気に濁流のように襲い掛かってきた。
亜玲澄と正義もほぼ同時に地を蹴り、雛乃は後方に飛びながら弓を構える。
こうして、渋谷の各場所で血に染まる地獄のハロウィンパーティーが行われた――
『最優先緊急任務』
東京都渋谷区に異常事態発生。被害拡大の恐れあり。ネフティスメンバーは直ちに直行せよ。繰り返す――――
「っ――!?」
ポケットの中の携帯が警告音と共に震える。僕――マヤネーン・シューベルは画面を開き、詳細を確認する。しかしそこには――
「……東京都渋谷区に謎の集団が一斉召喚され、街を破壊している。被害を少しでも抑えるべく、ネフティスメンバーは直ちに応戦せよっ……!?」
まずい、今はネフティス同士で争ってる場合じゃない。日本壊滅の危機だっ……!
「とりあえず何とかしないとっ!」
急いで手袋を履きながら運転席に乗り込み、そのまま車を走らせた。
「一先ず家に戻って全員に連絡だ……!」
◇
東京都渋谷区 涼宮凪沙サイド
――大蛇君なら、大蛇君達なら絶対この戦いを終わらせられる……だから彼らに全てを託して私はこの世を去る。そのシチュエーションも悪くはなかった。なのに……
「トリック……トリックゥゥ……」
「オカシ……オカシ…………チョコォォ……クッキィィィ……オカシィィィィ!!!!」
「っ――!!」
そう簡単に運命は私を死なせてくれないらしい。にしても何この集団。白いボロボロの衣服に鋭い鎌を持った骸骨の亡霊。その後ろにはジャック・オ・ランタンを思わせるような全身かぼちゃ色に頭が正にそれのゾンビの軍団がじりじりと私を挟んでいく。
「うっ……私、死ぬ寸前……なのにぃ……!!」
おまけに蒼乃ちゃんも意識を失っている。そんな中このボロボロの状態でどうこの集団と戦えというのか。
「……これが北条の真の目的って事ね」
もしくは……死器エリミネイトを回収出来なかった際の、最後の手段。
今日という日には正にぴったりには賑やかになった。かぼちゃの被り物、あれじゃないけど被りたかったな。
「……でもごめんね。私の仮装はミイラだって毎年決めてるのっ!!」
実質死にものぐるいで槍を振り回し、双方から亡霊達が迫ってくるのを待った。
「北条銀二。ネフティスの皆を……ネフティスをこんな目にさせた事……絶対許さないんだから!」
◇
東京都渋谷区 白神亜玲澄、武刀正義サイド
目的以外の敵は殺さない……そんな正義の性格のおかげで、俺達はネフティスメンバーの雛乃先輩を北条の洗脳から解き、今や共に行動していた。
「そうなんだ……じゃあ、私達は知らぬ間に北条に操られて、利用されていたって事なんだ」
「そうだと思います。とは言っても、実際そうなんですけど」
「とりあえず誤解が解けてくれて良かったぜ。ま、まだまだいるんだろうけどよ」
「そりゃそうだろ。凪沙先輩と雛乃先輩、北条を除いたらまだ7人もいる。大事が起きる前に全員にかかった北条の呪縛を解かないといけねぇんだぞ」
今のところ、何で正義が俺の攻撃から雛乃先輩を守っただけで呪縛から解けたのかは不明だ。だがこのようにして北条に利用されたネフティスメンバーが救われたのだ。このまま同様に全員を救い、ネフティスを元通りにする。それが今回の緊急任務の一つでもあるのだから。
「黒坊……無事だと良いけどな」
「あぁ……てか大蛇が死んだら俺達から何もかもが失われる最悪の未来になってしまうからな。無事だと思ってないとこの先やっていけないぞ」
「大蛇……」
黒神大蛇。名前は聞いたことある。彼らと同じネフティスに所属していて、数少ない禁忌魔法の所有者。更に今は死器エリミネイトを操る死神。北条さんが最も警戒し、最も憎むべき本来の敵。でも、私はその個人的憎悪で利用されていただけだった。一緒に任務を遂行する仲間を殺したくなかったから。
「彼もまた、辛い中で生きているんだね……」
「……雛乃パイセン?」
「あ、ごめんね二人共。早く皆を助けないと、だね!」
つい癖で出てしまう独り言を聞かれて赤らめた顔を、お得意の作り笑顔で何とか誤魔化して前を向いて速歩きした。
「あ、ちょっと早ぇぜパイセン!!」
「正義、お前も一旦落ち着けっ――」
亜玲澄が二人に追いつこうと足を踏み込んだ、その刹那……街が大きく揺れ始めた。
「っ……!!?」
「きゃっ……!」
「地震かっ!?」
三人の動きがピタリと止まる。所々で窓ガラスが割れる音が鳴り響き、人の悲鳴と共鳴する。
「オカシ……オカシ…………」
「キャンディィ……ペロペロキャンディィィ!!!!!」
正義の頭上目掛けてかぼちゃ頭の白い亡霊が巨大な鎌を振りかぶる。
「うおっ……!!」
この一秒と経たない間に正義は思い切り背中を反り、鎌の切っ先を避ける。正義の髪を撫でた直後、衝撃波で地面が扇形に割れる。
「マジかよ……バケモンかよこいつら」
――待て、それより白坊達はっ……!
「心配すんな! 俺達なら無事だ」
「とりあえず今はこっちを優先しないとだね!」
「へっ……どうやら心配した俺が馬鹿みてぇだな!」
亜玲澄達はそれぞれ衝撃波が来る前に左右に飛んで避け、武器を構えていた。亡霊が近づく度に襲い掛かる地震に耐えながら、正義の元に集まる。
「正義、何がなんだか分かんねぇけどなるべく被害を抑えつつ全力で潰すぞ」
「ま、いつも通りやれって事ね。分かってますぜ」
「ふふっ、敵の敵は味方……こういうのも悪くないね!」
「何か使い方間違ってるような……いや、指摘してる場合じゃないな!」
正面にいる鎌を持った亡霊を筆頭に、後ろから一気に濁流のように襲い掛かってきた。
亜玲澄と正義もほぼ同時に地を蹴り、雛乃は後方に飛びながら弓を構える。
こうして、渋谷の各場所で血に染まる地獄のハロウィンパーティーが行われた――
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】
早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【第2巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる