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第六章 ハロウィン戦争編
第百六十二話「立場逆転」
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緊急任務:ネフティスNo.6北条銀二の討伐、地球防衛組織ネフティスを北条の支配から奪還する、謎の少女ピコとマコの討伐
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ・ヴィーナス、涼宮凪沙、サーシェス、ミスリア、アルスタリア高等学院全生徒
犠牲者:???
「おおおおああああああああ!!!!」
ただ一人、吠えながら凄まじい勢いでピコに黒い刃を振るう。闇の軌道は確実に少女の左肩を捕らえるも、項から出現する無数の寄生虫によってその道を阻まれる。
「,)←∑?●<≫↑⊇§№℃!!!!」
「ちっ……邪魔くせぇっ!!」
必死に振り続けるも、一歩が踏み出せない。一瞬の隙すら許さない寄生虫の猛攻に、俺はじりじりと足を後ろに持っていかれる。そんな時だった――
「はっ……!!」
寄生虫の群れが俺に気を取られている隙に紗切が刀を上段に構え、ピコの項目掛けて降り下ろす。ザシュッという音と同時に項から切り離される。
「死器使いの援護をするのは不本意だけど……羽衣音ちゃん!」
「うっ……分かってるよ!『星粒之槍』!!」
寄生虫への気持ち悪さを表情に出しながらも懸命に両足に体重を乗せて飛び、右手で周囲に生成した鋭利状の流星を突撃させる。
「そこっ!!」
伸ばされた右手と同じ方向に飛んでいく十本の槍は虹色の光を放ちながらピコの項に飛んでいく。
「ピコの邪魔はさせないよっ!!」
マコはピコの背後に回り、変化させた右手の爪で羽衣音の槍を斬り裂く。しかし、槍は斬る度に本数を増やしていった。
「星は永遠に不滅……全てが滅びない限り、星の光は闇に消える事は無いっ!!『増幅』!」
「うそっ……」
マコの視界を埋め尽くす程の小さな槍が一斉に襲い掛かり、障壁を打ち破り、マコの全身に深々と刺さる。その後、一瞬光ってすぐに爆発の連鎖を起こした。
「マコッ……!!」
「安心しろ……今すぐ同じとこに導いてやるよ。あの時のようになっ!!!」
ピコに迫る危機は、当然これでは終わらない。俺は紗切と羽衣音の援護を受け、ピコの背後に回った。
まるで竜が炎を吐くかのように、俺は吐息と共に口から闇の炎を吐いた。
その刹那、全身からありったけの力がみなぎってきた気がした。今の俺では無く、今までの俺……そう、あの厄災竜ヤマタノオロチだった頃からのあらゆる力が。
「あっ……!」
「とくと見てくれよ……今までこの歪んだ運命を生きてきた俺が創り出した、お前らへの復讐のパレードをな!!」
皮肉に満ちた言葉を吐き捨て、初撃を加えようとしたその時、右目にさらなる痛みが襲い掛かる。それすら気にもせず、俺は左後ろに構えた魔剣を思い切りピコの右首目掛けて振り払う。
「くっ……!」
直撃を避けるためか、ピコは左首を爪で浅く切り、そこからまた寄生虫を出現させる。
「二度は喰らわねぇよっ……!」
俺は右手の魔剣に『暴飲暴喰』を纏わせ、刀身と寄生虫がぶつかった瞬間、闇の衝撃波が突風のように刀身から迸り、寄生虫が塵も残さず消し飛んでいった。
「え、速っ……」
ピコの周囲を駆け抜けながら黒と白のオーラを纏った魔剣を振り続け、ピコの全身に斬撃を与えていく。
『暴飲暴喰』と『終無之剣』を組み合わせた、俺の即興で作り上げた新たな奥義――
「『終無之暴剣』っ……!!」
刀身が炎の如く燃え上がる。俺は無意識に黒い炎を吐く。神速を超えるこの連撃で、呪いの権化を断つ!!
「ピ……コっ……!」
「マ………コ………!!!」
さぁ、これであの時の立場が逆転した。今こそ、俺の全てをその身に刻ませてやる……!!
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ・ヴィーナス、涼宮凪沙、サーシェス、ミスリア、アルスタリア高等学院全生徒
犠牲者:???
「おおおおああああああああ!!!!」
ただ一人、吠えながら凄まじい勢いでピコに黒い刃を振るう。闇の軌道は確実に少女の左肩を捕らえるも、項から出現する無数の寄生虫によってその道を阻まれる。
「,)←∑?●<≫↑⊇§№℃!!!!」
「ちっ……邪魔くせぇっ!!」
必死に振り続けるも、一歩が踏み出せない。一瞬の隙すら許さない寄生虫の猛攻に、俺はじりじりと足を後ろに持っていかれる。そんな時だった――
「はっ……!!」
寄生虫の群れが俺に気を取られている隙に紗切が刀を上段に構え、ピコの項目掛けて降り下ろす。ザシュッという音と同時に項から切り離される。
「死器使いの援護をするのは不本意だけど……羽衣音ちゃん!」
「うっ……分かってるよ!『星粒之槍』!!」
寄生虫への気持ち悪さを表情に出しながらも懸命に両足に体重を乗せて飛び、右手で周囲に生成した鋭利状の流星を突撃させる。
「そこっ!!」
伸ばされた右手と同じ方向に飛んでいく十本の槍は虹色の光を放ちながらピコの項に飛んでいく。
「ピコの邪魔はさせないよっ!!」
マコはピコの背後に回り、変化させた右手の爪で羽衣音の槍を斬り裂く。しかし、槍は斬る度に本数を増やしていった。
「星は永遠に不滅……全てが滅びない限り、星の光は闇に消える事は無いっ!!『増幅』!」
「うそっ……」
マコの視界を埋め尽くす程の小さな槍が一斉に襲い掛かり、障壁を打ち破り、マコの全身に深々と刺さる。その後、一瞬光ってすぐに爆発の連鎖を起こした。
「マコッ……!!」
「安心しろ……今すぐ同じとこに導いてやるよ。あの時のようになっ!!!」
ピコに迫る危機は、当然これでは終わらない。俺は紗切と羽衣音の援護を受け、ピコの背後に回った。
まるで竜が炎を吐くかのように、俺は吐息と共に口から闇の炎を吐いた。
その刹那、全身からありったけの力がみなぎってきた気がした。今の俺では無く、今までの俺……そう、あの厄災竜ヤマタノオロチだった頃からのあらゆる力が。
「あっ……!」
「とくと見てくれよ……今までこの歪んだ運命を生きてきた俺が創り出した、お前らへの復讐のパレードをな!!」
皮肉に満ちた言葉を吐き捨て、初撃を加えようとしたその時、右目にさらなる痛みが襲い掛かる。それすら気にもせず、俺は左後ろに構えた魔剣を思い切りピコの右首目掛けて振り払う。
「くっ……!」
直撃を避けるためか、ピコは左首を爪で浅く切り、そこからまた寄生虫を出現させる。
「二度は喰らわねぇよっ……!」
俺は右手の魔剣に『暴飲暴喰』を纏わせ、刀身と寄生虫がぶつかった瞬間、闇の衝撃波が突風のように刀身から迸り、寄生虫が塵も残さず消し飛んでいった。
「え、速っ……」
ピコの周囲を駆け抜けながら黒と白のオーラを纏った魔剣を振り続け、ピコの全身に斬撃を与えていく。
『暴飲暴喰』と『終無之剣』を組み合わせた、俺の即興で作り上げた新たな奥義――
「『終無之暴剣』っ……!!」
刀身が炎の如く燃え上がる。俺は無意識に黒い炎を吐く。神速を超えるこの連撃で、呪いの権化を断つ!!
「ピ……コっ……!」
「マ………コ………!!!」
さぁ、これであの時の立場が逆転した。今こそ、俺の全てをその身に刻ませてやる……!!
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