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第六章 ハロウィン戦争編
第百六十話「悪夢を隠す霞」
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緊急任務:ネフティスNo.6北条銀二の討伐、地球防衛組織ネフティスを北条の支配から奪還する、謎の少女ピコとマコの討伐
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ・ヴィーナス、涼宮凪沙、サーシェス、ミスリア、アルスタリア高等学院全生徒
犠牲者:???
「そっちこそぉ~、頑張って私達に負けないでねぇぇっ!!!」
「っ――!!」
アメジスト色に発光する全身を覆い尽くすほどのエネルギー弾に俺の反命剣の刃が斬り裂いていく。が、魔力の圧力によって押し負けそうになる。
「今の君じゃ、この力に勝てないよ」
「そうそう、早く諦めて死ぬのが吉だよ」
「ふざけるなっ……誰のせいでこんな運命の中で生きていると思ってるんだっ!」
俺の中にこれまでずっと溜め込んできた怒りがふつふつと燃え始めてきたのを感じる。そしてそれは勢いを増し、爆発する。
「お前らが……お前らが存在していなければっ! 俺が何度も死ぬ事も、あいつらがこんな不条理極まりない幾多の戦いに命をかける事も無かった!! 全部……何もかもお前らが狂わせたっ! お前らがっ!! 俺を弄ぶ宿命の権化だっ!!!」
ありったけの怒りと共に水晶の刃が巨大なエネルギー弾の中心を通り、突如軽くなった。斬ったのだ。あの巨大な弾を。奴らの攻撃を防いだのだ。だがしかし……
「まずいっ……!」
今度は真っ二つに斬られたエネルギー弾が羽衣音に向かって落ちて来る。しかし、羽衣音はとっくにその事を知っていたかのように落ちてくる弾を避け、両手からエメラルド色の弓を召喚した。
「『綺羅星之流群』!!」
弓が大きく撓り、青白い三本の矢で狙いを定める。
「行けぇぇぇぇ!!!!」
叫びながら流星の如く放たれた矢は飛んでいく内に無数の光へと変化し、エネルギー弾を掻き消すかのように爆発する。
「ふ~ん、あれを消せるんだ~」
「そうなんだね~、彼女も隅には置けないよね~」
奴らが羽衣音に気を取られてる間に、俺は先程の爆発の煙に隠れながら走り、赤いスカートを着たピコの背後を狙って剣を構える。
「……引導を渡してやる、ピコッ!!」
両手に持つ|反命剣が陽炎の如く禍々しい黒い光を帯びる。一撃必殺に等しいこの『狂神之天殺』で宿命の根源にトドメを刺す。
「おおおおおおおおっ!!!!!」
ありったけの力を剣に込め、この一撃に全てを賭ける。降り下ろすと同時に闇に塗られた光の刃は徐々にピコの首に迫っていって――
「『致死針』」
「っ――!!??」
その時、一瞬で形勢が真逆になった。あり得ない速度で俺の身体を深々と謎の灰色の槍が貫いた。
「ごふっ……」
ピコの後ろ髪から放たれた無数の針の痛みに耐えきれず、俺は吐血する。身体からも大量の血が地面に小さな池を作り出していた。
「私がよそ見したと思ったら大間違いだよ~」
「そうそう、私達に隙なんてないからね~」
「くっ……!」
歯を食いしばったのは正面に刀を杖代わりに突き立てている紗切だ。背後を狙って返り討ちにされた今の俺を見て、動こうにも動けないのだろう。自分も同じような目に遭うのかもしれないから。
しかしその後、紗切は思い切り首を振った。
「いやっ……隙が無かったら作ればいいだけのことっ!!」
「よせっ……、お前もっ……」
「たとえ君が敵でも、ここで見殺しなんてネフティスメンバーとして見過ごせないっ!!」
「紗切ちゃん、ダメっ!!」
「羽衣音ちゃん……お願い、協力して。あいつらこそほっといたら本当にこの世界が終わる。皆殺されちゃう! 止められるのは私達しかいないのっ!!」
勢いよく地面から刀を抜き、刃を右頬に添えるように構えながら叫ぶ。羽衣音は思わず息を呑むと、すぐに紗切が深呼吸をし、刀身から霞のようなものが現れてきた。
「今から見せてあげる……『三日月宗近』の真の力をっ……!!」
次第に霞が濃くなっていき、視界が真っ白に染められていく。ついには目の前にいたはずのピコの姿さえも見当たらなくなった。
「ねぇねぇ、この霧、なぁに?」
「分かんないよ~、私に聞かないで、ピコ」
「隠月刀……」
俺でさえもどこに何があるのか全く分からなくなった視界に、一瞬北の方向から青白い光が煌めいた。
「……『風無之朧』」
その刹那、微かに聞こえた斬撃音と共に何かが斬れたのを感じた。
「えっ――」
「ピコッ――――!」
白く濃い霞でよく見えなかったが、確かに血が地面に落ちる音がした――
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ・ヴィーナス、涼宮凪沙、サーシェス、ミスリア、アルスタリア高等学院全生徒
犠牲者:???
「そっちこそぉ~、頑張って私達に負けないでねぇぇっ!!!」
「っ――!!」
アメジスト色に発光する全身を覆い尽くすほどのエネルギー弾に俺の反命剣の刃が斬り裂いていく。が、魔力の圧力によって押し負けそうになる。
「今の君じゃ、この力に勝てないよ」
「そうそう、早く諦めて死ぬのが吉だよ」
「ふざけるなっ……誰のせいでこんな運命の中で生きていると思ってるんだっ!」
俺の中にこれまでずっと溜め込んできた怒りがふつふつと燃え始めてきたのを感じる。そしてそれは勢いを増し、爆発する。
「お前らが……お前らが存在していなければっ! 俺が何度も死ぬ事も、あいつらがこんな不条理極まりない幾多の戦いに命をかける事も無かった!! 全部……何もかもお前らが狂わせたっ! お前らがっ!! 俺を弄ぶ宿命の権化だっ!!!」
ありったけの怒りと共に水晶の刃が巨大なエネルギー弾の中心を通り、突如軽くなった。斬ったのだ。あの巨大な弾を。奴らの攻撃を防いだのだ。だがしかし……
「まずいっ……!」
今度は真っ二つに斬られたエネルギー弾が羽衣音に向かって落ちて来る。しかし、羽衣音はとっくにその事を知っていたかのように落ちてくる弾を避け、両手からエメラルド色の弓を召喚した。
「『綺羅星之流群』!!」
弓が大きく撓り、青白い三本の矢で狙いを定める。
「行けぇぇぇぇ!!!!」
叫びながら流星の如く放たれた矢は飛んでいく内に無数の光へと変化し、エネルギー弾を掻き消すかのように爆発する。
「ふ~ん、あれを消せるんだ~」
「そうなんだね~、彼女も隅には置けないよね~」
奴らが羽衣音に気を取られてる間に、俺は先程の爆発の煙に隠れながら走り、赤いスカートを着たピコの背後を狙って剣を構える。
「……引導を渡してやる、ピコッ!!」
両手に持つ|反命剣が陽炎の如く禍々しい黒い光を帯びる。一撃必殺に等しいこの『狂神之天殺』で宿命の根源にトドメを刺す。
「おおおおおおおおっ!!!!!」
ありったけの力を剣に込め、この一撃に全てを賭ける。降り下ろすと同時に闇に塗られた光の刃は徐々にピコの首に迫っていって――
「『致死針』」
「っ――!!??」
その時、一瞬で形勢が真逆になった。あり得ない速度で俺の身体を深々と謎の灰色の槍が貫いた。
「ごふっ……」
ピコの後ろ髪から放たれた無数の針の痛みに耐えきれず、俺は吐血する。身体からも大量の血が地面に小さな池を作り出していた。
「私がよそ見したと思ったら大間違いだよ~」
「そうそう、私達に隙なんてないからね~」
「くっ……!」
歯を食いしばったのは正面に刀を杖代わりに突き立てている紗切だ。背後を狙って返り討ちにされた今の俺を見て、動こうにも動けないのだろう。自分も同じような目に遭うのかもしれないから。
しかしその後、紗切は思い切り首を振った。
「いやっ……隙が無かったら作ればいいだけのことっ!!」
「よせっ……、お前もっ……」
「たとえ君が敵でも、ここで見殺しなんてネフティスメンバーとして見過ごせないっ!!」
「紗切ちゃん、ダメっ!!」
「羽衣音ちゃん……お願い、協力して。あいつらこそほっといたら本当にこの世界が終わる。皆殺されちゃう! 止められるのは私達しかいないのっ!!」
勢いよく地面から刀を抜き、刃を右頬に添えるように構えながら叫ぶ。羽衣音は思わず息を呑むと、すぐに紗切が深呼吸をし、刀身から霞のようなものが現れてきた。
「今から見せてあげる……『三日月宗近』の真の力をっ……!!」
次第に霞が濃くなっていき、視界が真っ白に染められていく。ついには目の前にいたはずのピコの姿さえも見当たらなくなった。
「ねぇねぇ、この霧、なぁに?」
「分かんないよ~、私に聞かないで、ピコ」
「隠月刀……」
俺でさえもどこに何があるのか全く分からなくなった視界に、一瞬北の方向から青白い光が煌めいた。
「……『風無之朧』」
その刹那、微かに聞こえた斬撃音と共に何かが斬れたのを感じた。
「えっ――」
「ピコッ――――!」
白く濃い霞でよく見えなかったが、確かに血が地面に落ちる音がした――
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