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第六章 ハロウィン戦争編
第百四十三話「危機連髪」
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緊急任務:ネフティスNo.6北条銀二の討伐、地球防衛組織ネフティスを北条の支配から奪還する
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ・ヴィーナス、涼宮凪沙、サーシェス、アルスタリア高等学院全生徒
犠牲者:???
東京都足立区 ネフティス本部前――
「始まったか……」
ラジオの時報が0時を知らせた。そして戦争は開幕を迎えた。車の中でコーヒーを飲みながら、マヤネーン博士はその時をじっと待ち受けていた。
「死器……『闇に溺れた神器』か。結局は一つの神器に過ぎない。それなのにこんな戦争を起こすのか……! しかもハロウィンの時期に渋谷でやるなんてっ!!」
この時期の渋谷なんて多くの人で賑わう事など火を見るより明らかだろう。でも、北条はあえてそこを狙ってこの争いを起こし、もしネフティス側が勝ったら『死器による渋谷のハロウィン虐殺事件』とか言って大蛇君を法で裁いて殺すのだろう。
――そうだ。きっと北条が……あいつが…………
「大蛇君の運命をおかしくしているんだっ……!」
僕も一応今回のハロウィン戦争では密かに大蛇君側についている。実は退職届も出してネフティスから抜けてきた。
やっぱりこんな理不尽な戦争で大事な仲間が殺されるだなんて真っ平御免だ。どれだけの付き合いだと思ってるんだ。
「でも凪沙ちゃんもエレイナちゃん達も大蛇君側についてくれている。残りのネフティスメンバーにだけ気をつければ勝機はある……」
もし負けたら僕達の運命はそこで終わるけど、勝つことを信じるしか無い。
「……全ては死器と君の復讐劇にかかっているぞ、大蛇君っ!!」
大蛇君を信じる……ただその一心で僕は覚悟を決め、車を動かした。もちろん目的地は――
◇
東京都渋谷区 街の一角――
北条によって呪われたネフティスの兵士達を確実に倒していく。だが、流石にこのまま防戦一方になりつつある。
(くそっ……あいつらはいつになったら合流するんだ!)
ちなみにハロウィン前日の夜、俺だけがネフティスによって帰還命令が出されたのが理由で一人になっている。そして蓋を開ければこの有り様。勝手に討伐対象とされ、目の前にはネフティスの総員が武器をこちらに構えていた。
「地球の民達を守るためにっ……!!」
「今のお前はそれを破壊する存在に過ぎない!!」
全方位と言っていいほどに、あらゆる所から雄叫びを上げながら兵士達が襲いかかってくる。俺は軽く舌打ちしながら再び神器を召喚し、迎え撃つ事にする。
「言動が一致してねぇよ……っ!」
目の前に見えた兵士達に突進しようとした刹那、背後と正面の兵士達から突然青白い電気を纏った網のようなものが射出する音が聞こえた。
「っ……!?」
避けようと前に足を踏み込んだと同時に網が磁石のように俺の身体に張り付いた。同時に強い電気が身体に流れ込む。
「ぁ……ぁぁああああ!!!」
俺が捕獲される姿を見てニヤリと笑った兵士達は一斉に俺にむかって剣を突き刺そうとしてくる。こちらは網のおかげで何も見えない。何も動けない。いや、動くことには動けるがその分電流が流れ込む。それが痛くて仕方がない。
「終わりだ死神ィィ!!!」
「死ねぇぇえええっ!!!」
俺一人ではこれが限界か……と、思った時だった。
『全てを喰らい、飲み込みなさい……『暴飲暴喰』!!』
テレパシーの如く聞こえてくる死器の声と共に、俺の両腕から禍々しい闇の魔力が螺旋状に広がる。そして強い電気を纏った網を喰らい尽くす。
「なんだ今のは……!」
「これが……死器エリミネイトの力っ……!」
周囲の兵士達と同じように俺も突然の出来事に驚いていた。あまりにもタイミングが良すぎたからか。
「ふぅ……」
今だ痺れと痛みが残るがこれで晴れて自由の身になった。俺の中に眠っていたエリミネイトには後で感謝せねばならないな。
『聞こえていますよ、主様。このお礼は美味しいケーキでお願いしますね』
「……どうやって食べる気だ」
『その時になれば私を強制的に召喚させます』
「嫌と言ったら?」
『主様に拒否権はありません。主様を危機から救ったのですから、そのくらいの報酬は必要だと思います!』
「……こいつは貯金崩し確定だな」
そもそもこの緊迫した状態でこんな事を話している場合では無い。だが拒否権を失われ、更に力を解放させている魔女エリミネイトの口調で言われると余計に調子が狂う。テレパシーで会話してるから尚更なのかもしれないが。
「……とりあえず後にしてくれ。今は任務で忙しい」
『ぜっ……絶対、ですからね……!』
「都合良く口調を変えるな」
今は邪魔くさい兵士達を一気に排除するべく右手から先程の闇の魔力を生み出す。
「『暴飲暴喰』」
刹那、魔力が一気に竜巻のように吹き乱れ、建物ごと兵士達を一掃した。次第に全身の痺れも消え失せ、改めて北条の居場所を特定するべく足を踏み出した直後だった。
「っ……!?」
右足から激痛が走り、ふと見ると先程紗切からもらった傷口から血混じりの紫色の液体が出ていた。間違いなく毒だった。
「くそっ……!」
解毒するべく一先ず傷口から毒を抜く。しかしその途中に更なる危機が襲いかかる。
「ここにいたか」
「っ……、総長……」
今まで見たことが無いほどにまで冷たい視線を俺に向けながら、正嗣総長は左腰から刀を抜いて突進してくる。
「安心しろ、私がすぐに終わらせてやろう」
神速にも等しい程の速さで迫り、今だ俺は毒を抜いている時だった。まずい、これでは何も出来ない。この速さではとても避けきれない。
「――っ!!」
俺が正嗣総長に斬られると分かった今、既に刀は俺の首元に迫っていた――
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ・ヴィーナス、涼宮凪沙、サーシェス、アルスタリア高等学院全生徒
犠牲者:???
東京都足立区 ネフティス本部前――
「始まったか……」
ラジオの時報が0時を知らせた。そして戦争は開幕を迎えた。車の中でコーヒーを飲みながら、マヤネーン博士はその時をじっと待ち受けていた。
「死器……『闇に溺れた神器』か。結局は一つの神器に過ぎない。それなのにこんな戦争を起こすのか……! しかもハロウィンの時期に渋谷でやるなんてっ!!」
この時期の渋谷なんて多くの人で賑わう事など火を見るより明らかだろう。でも、北条はあえてそこを狙ってこの争いを起こし、もしネフティス側が勝ったら『死器による渋谷のハロウィン虐殺事件』とか言って大蛇君を法で裁いて殺すのだろう。
――そうだ。きっと北条が……あいつが…………
「大蛇君の運命をおかしくしているんだっ……!」
僕も一応今回のハロウィン戦争では密かに大蛇君側についている。実は退職届も出してネフティスから抜けてきた。
やっぱりこんな理不尽な戦争で大事な仲間が殺されるだなんて真っ平御免だ。どれだけの付き合いだと思ってるんだ。
「でも凪沙ちゃんもエレイナちゃん達も大蛇君側についてくれている。残りのネフティスメンバーにだけ気をつければ勝機はある……」
もし負けたら僕達の運命はそこで終わるけど、勝つことを信じるしか無い。
「……全ては死器と君の復讐劇にかかっているぞ、大蛇君っ!!」
大蛇君を信じる……ただその一心で僕は覚悟を決め、車を動かした。もちろん目的地は――
◇
東京都渋谷区 街の一角――
北条によって呪われたネフティスの兵士達を確実に倒していく。だが、流石にこのまま防戦一方になりつつある。
(くそっ……あいつらはいつになったら合流するんだ!)
ちなみにハロウィン前日の夜、俺だけがネフティスによって帰還命令が出されたのが理由で一人になっている。そして蓋を開ければこの有り様。勝手に討伐対象とされ、目の前にはネフティスの総員が武器をこちらに構えていた。
「地球の民達を守るためにっ……!!」
「今のお前はそれを破壊する存在に過ぎない!!」
全方位と言っていいほどに、あらゆる所から雄叫びを上げながら兵士達が襲いかかってくる。俺は軽く舌打ちしながら再び神器を召喚し、迎え撃つ事にする。
「言動が一致してねぇよ……っ!」
目の前に見えた兵士達に突進しようとした刹那、背後と正面の兵士達から突然青白い電気を纏った網のようなものが射出する音が聞こえた。
「っ……!?」
避けようと前に足を踏み込んだと同時に網が磁石のように俺の身体に張り付いた。同時に強い電気が身体に流れ込む。
「ぁ……ぁぁああああ!!!」
俺が捕獲される姿を見てニヤリと笑った兵士達は一斉に俺にむかって剣を突き刺そうとしてくる。こちらは網のおかげで何も見えない。何も動けない。いや、動くことには動けるがその分電流が流れ込む。それが痛くて仕方がない。
「終わりだ死神ィィ!!!」
「死ねぇぇえええっ!!!」
俺一人ではこれが限界か……と、思った時だった。
『全てを喰らい、飲み込みなさい……『暴飲暴喰』!!』
テレパシーの如く聞こえてくる死器の声と共に、俺の両腕から禍々しい闇の魔力が螺旋状に広がる。そして強い電気を纏った網を喰らい尽くす。
「なんだ今のは……!」
「これが……死器エリミネイトの力っ……!」
周囲の兵士達と同じように俺も突然の出来事に驚いていた。あまりにもタイミングが良すぎたからか。
「ふぅ……」
今だ痺れと痛みが残るがこれで晴れて自由の身になった。俺の中に眠っていたエリミネイトには後で感謝せねばならないな。
『聞こえていますよ、主様。このお礼は美味しいケーキでお願いしますね』
「……どうやって食べる気だ」
『その時になれば私を強制的に召喚させます』
「嫌と言ったら?」
『主様に拒否権はありません。主様を危機から救ったのですから、そのくらいの報酬は必要だと思います!』
「……こいつは貯金崩し確定だな」
そもそもこの緊迫した状態でこんな事を話している場合では無い。だが拒否権を失われ、更に力を解放させている魔女エリミネイトの口調で言われると余計に調子が狂う。テレパシーで会話してるから尚更なのかもしれないが。
「……とりあえず後にしてくれ。今は任務で忙しい」
『ぜっ……絶対、ですからね……!』
「都合良く口調を変えるな」
今は邪魔くさい兵士達を一気に排除するべく右手から先程の闇の魔力を生み出す。
「『暴飲暴喰』」
刹那、魔力が一気に竜巻のように吹き乱れ、建物ごと兵士達を一掃した。次第に全身の痺れも消え失せ、改めて北条の居場所を特定するべく足を踏み出した直後だった。
「っ……!?」
右足から激痛が走り、ふと見ると先程紗切からもらった傷口から血混じりの紫色の液体が出ていた。間違いなく毒だった。
「くそっ……!」
解毒するべく一先ず傷口から毒を抜く。しかしその途中に更なる危機が襲いかかる。
「ここにいたか」
「っ……、総長……」
今まで見たことが無いほどにまで冷たい視線を俺に向けながら、正嗣総長は左腰から刀を抜いて突進してくる。
「安心しろ、私がすぐに終わらせてやろう」
神速にも等しい程の速さで迫り、今だ俺は毒を抜いている時だった。まずい、これでは何も出来ない。この速さではとても避けきれない。
「――っ!!」
俺が正嗣総長に斬られると分かった今、既に刀は俺の首元に迫っていた――
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