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第四章 剣血喝祭篇
第百話「光と闇」
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任務 ロスト・ゼロ作戦の成功
遂行者 黒神大蛇、白神亜玲澄、エレイナ・ヴィーナス、武刀正義、カルマ、エイジ、ミスリア・セリウス、クロム・セリウス
銀髪の青年はゆっくりと歩き出す。『闇光の両立者』の元へと一歩ずつ近づく。
「愚かな人間だ。我に刃を向けようと……」
「お前は何者だ。アルスタリアの生徒か」
「貴様らと一緒にするな。我はファウスト。貴様ら人間とは程遠き存在……」
ファウストは右の聖剣をエイジに振りかざす。刀身から放たれた純白の衝撃波が襲いかかり、大きく後方に吹き飛ばされる。
「くっ、これは最初から本気でいかないと殺される……!」
それに、たった一振りでこの威力。掠っただけで服が破れ傷口が出来るほどだ。そんなのが生徒会にいるなんておかしい。それ程にまで強すぎるのだ。
「ふぅ……」
一つ深呼吸をし、聖剣を右手に持ち構える。空いた左手を伸ばして翳し、遥か遠き記憶を蘇らせる。
「――どこの誰かは分からないけど……力を貸してくれ」
……もしカルマがこれを見たらどう思うんだろうな。驚くだろうか。それともいつも通りでいられるのだろうか。まぁ、どっちでもいい。俺はエイジだから――
左手に確かな重みが伝わる。大蛇の持つ剣に似た黒い魔剣がエイジの左手に収まる。
――滅殺剣キリシュタリア。かつて魔王を仕えていた勇者が振るったとされる伝説の魔剣。意味は『命を滅ぼす剣』。
「闇光の両立者……人間の可能性をなめるなよ!!」
強く地を蹴り、右の聖剣をファウストに向かって思い切り振りかぶる。勢いの乗った斬撃にファウストが咄嗟に受け止めた左手の魔剣が弾かれる。
「人間風情が……!」
「うおおおお!!!」
僅かな隙を逃さず左足を前に踏み込み、左手の魔剣を振り上げる。漆黒のオーラに包まれた刀身がファウストに迫る。
「甘いっ!!」
「っ――!!」
突如背後から無数の光剣が突き刺さり、攻撃が止まる。エイジはあまりの痛みに思わず膝を突く。
「くっ……」
「全く愚かなものだ。目の前の事にしか意識出来ないのは人間の典型例だな。……我に殺される事を光栄に思うがいい、愚かな人間よ」
ファウストは右手から聖剣を消し、頭上に上げる。刹那、巨大な光の球体が精製される。
「滅びよ、人間……『聖域之罰裁』」
「くっ……『魔女之断罪』!!」
あの球体が来る前に斬る――!!
痛みに苦しむ身体を無理矢理動かし、右手の聖剣を黒いオーラを放ちながらファウストの胸部めがけて突く。
「おおおあああああ!!!」
全身のありったけの力を振り絞る。踏み込んだ足で地割れが発生する。エイジの渾身の一撃すらも微動だにせず、ファウストは右手を振り下ろす。
「終わりだ……お前も、人間も、この世界も……!!!」
「させるかあああああ!!!!!!」
――2人の闇光が地を、空間を、時をも裂き、混ざっては一つの閃光となって広がっていく。
光も闇も、この長崎市からは消えて無くなっていた。
遂行者 黒神大蛇、白神亜玲澄、エレイナ・ヴィーナス、武刀正義、カルマ、エイジ、ミスリア・セリウス、クロム・セリウス
銀髪の青年はゆっくりと歩き出す。『闇光の両立者』の元へと一歩ずつ近づく。
「愚かな人間だ。我に刃を向けようと……」
「お前は何者だ。アルスタリアの生徒か」
「貴様らと一緒にするな。我はファウスト。貴様ら人間とは程遠き存在……」
ファウストは右の聖剣をエイジに振りかざす。刀身から放たれた純白の衝撃波が襲いかかり、大きく後方に吹き飛ばされる。
「くっ、これは最初から本気でいかないと殺される……!」
それに、たった一振りでこの威力。掠っただけで服が破れ傷口が出来るほどだ。そんなのが生徒会にいるなんておかしい。それ程にまで強すぎるのだ。
「ふぅ……」
一つ深呼吸をし、聖剣を右手に持ち構える。空いた左手を伸ばして翳し、遥か遠き記憶を蘇らせる。
「――どこの誰かは分からないけど……力を貸してくれ」
……もしカルマがこれを見たらどう思うんだろうな。驚くだろうか。それともいつも通りでいられるのだろうか。まぁ、どっちでもいい。俺はエイジだから――
左手に確かな重みが伝わる。大蛇の持つ剣に似た黒い魔剣がエイジの左手に収まる。
――滅殺剣キリシュタリア。かつて魔王を仕えていた勇者が振るったとされる伝説の魔剣。意味は『命を滅ぼす剣』。
「闇光の両立者……人間の可能性をなめるなよ!!」
強く地を蹴り、右の聖剣をファウストに向かって思い切り振りかぶる。勢いの乗った斬撃にファウストが咄嗟に受け止めた左手の魔剣が弾かれる。
「人間風情が……!」
「うおおおお!!!」
僅かな隙を逃さず左足を前に踏み込み、左手の魔剣を振り上げる。漆黒のオーラに包まれた刀身がファウストに迫る。
「甘いっ!!」
「っ――!!」
突如背後から無数の光剣が突き刺さり、攻撃が止まる。エイジはあまりの痛みに思わず膝を突く。
「くっ……」
「全く愚かなものだ。目の前の事にしか意識出来ないのは人間の典型例だな。……我に殺される事を光栄に思うがいい、愚かな人間よ」
ファウストは右手から聖剣を消し、頭上に上げる。刹那、巨大な光の球体が精製される。
「滅びよ、人間……『聖域之罰裁』」
「くっ……『魔女之断罪』!!」
あの球体が来る前に斬る――!!
痛みに苦しむ身体を無理矢理動かし、右手の聖剣を黒いオーラを放ちながらファウストの胸部めがけて突く。
「おおおあああああ!!!」
全身のありったけの力を振り絞る。踏み込んだ足で地割れが発生する。エイジの渾身の一撃すらも微動だにせず、ファウストは右手を振り下ろす。
「終わりだ……お前も、人間も、この世界も……!!!」
「させるかあああああ!!!!!!」
――2人の闇光が地を、空間を、時をも裂き、混ざっては一つの閃光となって広がっていく。
光も闇も、この長崎市からは消えて無くなっていた。
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