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第三章 学園惑星編

第八十二話「第二の試練(上)」

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 俺――黒神大蛇は突如来たエレイナと共にたこ焼きと呼ばれる中にタコ足が入った衣の球体を食べ、貴重な休暇を過ごした。翌日、エレイナは元の教室(?)に戻り、俺とミスリアの二人きりになった。これで元通りだ。

「うん、昨日より元気になってる。でもそのお固い顔は変わらないね~」
「……そういう人間なので」
「もっと笑ってよ~! 楽しい授業だよ?」

 馬鹿かこいつは。もはや処刑に等しいほどの訓練で死ぬ寸前にまで追いやられたというのに楽しいわけが無いだろ。はっきり言ってもう退学したい。鬼畜にも程がある。

「次はあんな事にはならないからさ♪」
「もう信用ならない……」

 昨日のあれでかなり……いや、とてつもなく酷い目に遭ったからな。ベトベトの身体で蛇のような毒針を出す化け物シャワーと戦わされて……かなり参ってるしそれを仕組んだと思われるミスリアは信用出来ない。というか常に警戒心を持たなくてはならない。

 ――それくらいに危険な人物だ。

「という事で、次は実戦だよ~!」
「またするのか……」

 特別区分生徒は座学が無い分、実戦系が多いので仕方無いと言えば仕方無いのだが、それでも面倒といえば面倒なのだ。

「実力は日頃の努力から身につくんだよ!」
「はぁ……」

 努力努力って……結局時と場合次第ではないか。努力にも限界ってのがあるというのに。

「ほら、行くよ!」
「はいはい行きますよっと……」

 ミスリアに無理矢理引っ張られる前にベッドに置いたままの魔剣を手に取り、引っ張られるがままに外に連れて行かれた。



「さぁ、2回目の実戦行くよ!」
「ちょっと待て早すぎだろっ!!」

 少し待てと言う前にミスリアの剣筋が俺の右目を襲った。それを反射能力だけで背中を反らして避ける。同時に左手で持つ魔剣を引き抜き、ミスリアの首目掛けて体制を元に戻しながら振り抜く。

「おっと……!」

 ミスリアも先程の俺と同じように避けた。その隙を逃さずに左足を一歩前に踏み込み、剣を大きく振りかぶる。

「ふっ……!」

 軌道は恐らくミスリアの左肩から右脇腹に向かう。あの体制からでは避ける手段は無い――!

 俺の剣が読みどおりミスリアの左肩に命中する寸前、ミスリアはその体制から一回転しながら下から剣を振り上げる。互いの剣が交じり合っては火花を散らす。まずい、このままでは最初の時と同じだ。

「これでも先生だからね。甘く見ちゃだめだよっ!」
「随分と虐待が多い教育をする先生だな」

 あの意味不明なすき焼きといい、謎の怪物といいよくも俺を迷わせては困らせてくれたな。してもらった分はしっかりお返しとやらをしなければな。

「だが、それも全てここでまとめて返してやる」
「かかって頂戴!」

 右足で強く地を蹴り、全身の捻りを使って左斜下から……ミスリアの右脇腹のところから剣を振り上げる。

「今度は捕らえた……斬ってやる」

 丁度俺の剣がミスリアの左脇腹目掛けて鋭い剣の軌道を描こうとしていた。
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