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第二章 シンデレラ宮殿編
第三十七話「焼けた身に咲き誇る花」
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緊急任務:パンサーと名乗る怪盗を逮捕、シンデレラ宮殿の象徴「スタニッシュリング」を奪還
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ、錦野蒼乃、涼宮凪沙、桐谷正嗣、桐谷優羽汰、桐雨芽依
「Décès : !!!!(死ねえええ!!!!)」
雨の如く銃弾を右手の反命剣で弾く。弾と刃による摩擦が起こると、弾が先程同様に爆発を起こした。
「またかっ――!!」
とっさに身を翻しながら後方に下がるも、銃弾は容赦無く俺を襲う。ベンチや木々、遊具に銃弾が命中しては乾いた破裂音と共に爆発する。あっという間に公園はほぼ焼け野原と化していた。
額から流れた汗を左の裾で拭い、不良達を睨みつける。
「ちっ……、前に芽依を庇って戦った時とは格が違うな」
一瞬右を向くと、凪沙さんも同じように爆発する弾が入ったマシンガンに苦戦している。厄介な銃弾に凪沙さんが撃たれる前に何とかしなければ……
「ふっ……!」
右足で強く地を蹴り、正面から襲うマシンガンを剣で弾く。左手で爆発を防ぐ。左の裾が焼けてしまったが、その程度の傷は気にせず走り続ける。
「らああああ!!!」
弾の爆発に身を乗り出しながら、その先に見えたマシンガンを構える不良に一直線で突進しながら全身を捻り、左から水平に真っ二つに斬った。
不良は鮮血を散らしながら、声も出せずに半身を分断されたまま地面に落ちた。しかしマシンガンの勢いは止まらない。残り四人の不良達が四方八方からマシンガンで撃ってくる。
「ちっ!」
舌打ちしながら壊れかけている城の形をした遊具に身を乗り出す。何とか凪沙さんと正反対の場所まで逃げ、そのまま雲梯の上に乗る。
「Bon sang, tu es rapide comme un rat. ...... !(くそっ、鼠みてぇに速え……!!)」
左右から来るマシンガンを弾きながら走り、そこから大きく跳んで大縄で作られた橋を飛び越えて分岐点の足場に身を乗り出す。幸い左側は壁なので片側のマシンガンはある程度防げる。
――と思った矢先、壁の方からバイクのエンジン音が聞こえた。
嘘だろ、あいつらまさか……
「Hyah !(ヒャッハー!!)」
そのまさかだった。壁の向こうにいた二人の不良はマシンガンで壁を壊しながらバイクで俺の目の前まで飛び乗ってきた。
俺は爆発を受けながらも、背後の橋を渡ってバイクとの距離を取る。ブルンブルンッとバイクを鳴らす音がより緊張感を高めてくる。
「くそっ、まだ隠してたか……!」
俺に向かってアクセル全開でバイクが迫ってくる。それぞれ片手でハンドルを握りながらマシンガンで乱れ撃つ。轢かれる直前に爆発の衝撃で吹き飛ばされそうになりながらも、左の階段を急いで上る。しかし上りきる前にバイクに乗ってないもう二人がマシンガンで城の頂上を支える支柱を破壊した。大爆発と同時に俺は支柱ごと下に落ちる。
「ちっ……!!」
逃げ場所どころか障害物となった城の頂上を下段から斬り払い、何とか足場に着地する。だが目の前にはさっきの2台のバイクが見え、急発進してきた。同時に銃弾の雨が横殴りで襲ってくる。
「っ――!!」
銃弾で頬を浅く受け、爆発をまともに喰らった。何とか顔面は防げたものの、ローブはもう全体から炎が上がっており、下半分に関しては焼け落ちてしまっていた。火傷による痛みに苦しんでる最中にもバイクは猛スピードで迫ってくる。
こ、このままでは……轢き殺される!
「鬼ごっこに付き合ってる暇は……無い!」
轢かれるまで残り10センチくらいの距離で、俺はとっさに目の前の足場を斬り払った。直後足場が下に落ち、バイクはそのまま落ちていった。
「危ねぇ……」
本当のギリギリでバイクを始末した。あとは背後に立っている二人の不良達か。あの二人もマシンガンを構えている。
「お前らも同じ目に遭わせてやる……」
小声でそう言いながら地を蹴り、一秒も経たずに不良達の間合いを詰めた。そして再び下段から左上めがけて斬り上げる。鮮血が飛び散る事も知らずにそのままもう一人も右上から叩き斬る。
「ふぅ……あとは凪沙さんのとこか」
一先ず深呼吸をし、すぐさま凪沙さんの所へと駆けつけようとしたその時だった。
数えきれない程のバイクがこの公園の中へと入っていくのが見えた。更にその半分は遊具の上へとアクセル全開で飛び乗ってきた。あっという間にバイク集団に囲まれてしまった。
「おいおい嘘だろ……」
思わず弱音を吐く俺の事を知らずにバイクがミサイルのように突進してくる。3方向おる橋から一斉に走ってくる。更にマシンガンで撃ちながらだ。
「こんなのアリかよっ……!!」
これ以上は仕方ないと思い、俺は『神器解放』を発動させた。六本の霊剣を召喚し、周囲を飛び交うよう左手で指示をする。
3方向から突進してくるバイクが俺を轢き殺す前に、俺の周囲を飛び交う霊剣にその身ごと呆気なく斬られ、大爆発を起こした。そこまでは防ぎきれずにまた喰らう。今度は髪も焼けてしまっていた。
「『狩人の羽刃』……本来はパンサー用に取っておいたんだがな」
しかし、予想外かつ最初の倍以上の増援が来てしまったからには致し方ない。さっさと終わらせる一心で俺は正面の橋に向かって再び地を蹴る。
「Vous, les gars ! Faisons de ce rat noir qui a protégé la Panthère une ruche et montrons-lui de quoi il est capable !(てめぇら! パンサーを守ったこの黒鼠を蜂の巣にして奴に見せつけてやろうぜええ!!)」
刹那、今までとは比べ物にならない量と速さでマシンガンの銃口から光が放たれた。それも3方向全てから。中にはバイクに乗りながら撃ってくる者もいた。
「ちっ……最初からこれが狙いだったのかよ!」
完全に油断し、最初の数発と爆発を喰らいながらも短いようで長い橋を走り抜けながら無数の銃弾による豪雨を弾く。まるで花火のように銃弾が目の前で爆発する。そこは力づくで突破する。
畜生め……さっきの突進は俺が間合いを詰めるための策だったのか。あえて隙を作り、それを突く隙にマシンガンで蜂の巣にする。
隙を突く隙に攻撃するってか。これではまるでドッキリ返しではないか。
「Allez, on y va ! Quel doux nectar puis-je obtenir de ce type ?(さぁ! こいつからはどんな甘い蜜がとれんのかなあっ!?)」
ちっ……霊剣と右手の剣があっても銃弾を抑えるのに精一杯だ。このまま進もうとしても今より速く弾を弾かないといけない。
このままだと本当に蜂の巣にされてしまう。
……どうする黒神大蛇、どうする八岐大蛇。神器解放中の今、禁忌魔法を使う訳にはいかない。いつ何処に本物のパンサーがいてもおかしくない。対策を練られて禁忌魔法を無効化されたらたまったものではない。
こうなったら仕方ない。賭けるしかないか。あれなら見られても対策出来ないだろう。
「……お前ら、よく見ておけ。俺の全力とやらをな!」
もし……いや、ifは無しだ。canにするまで。この八岐大蛇史上、今まで一度しか出してない大技を見せてやる。
「邪竜の逆鱗に触れた事……冥界に行ってさえも後悔させてやる」
右手に持つ反命剣が青白い無数のポリゴンの欠片のような光に分裂し、流星の如く俺の周りを飛び回る。右手には同じ色の細かい紋章が出現する。
そう、これは絶対絶命のピンチの時にしか出さなかった……俺の究極奥義。過ちによる己の逆鱗の権化、その名は――
「『果てをも穿ちし逆鱗の花』」
右手を翳した刹那、花吹雪の如く青白い無数の光が不良達を巻き込んで舞い上がった――
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、エレイナ、錦野蒼乃、涼宮凪沙、桐谷正嗣、桐谷優羽汰、桐雨芽依
「Décès : !!!!(死ねえええ!!!!)」
雨の如く銃弾を右手の反命剣で弾く。弾と刃による摩擦が起こると、弾が先程同様に爆発を起こした。
「またかっ――!!」
とっさに身を翻しながら後方に下がるも、銃弾は容赦無く俺を襲う。ベンチや木々、遊具に銃弾が命中しては乾いた破裂音と共に爆発する。あっという間に公園はほぼ焼け野原と化していた。
額から流れた汗を左の裾で拭い、不良達を睨みつける。
「ちっ……、前に芽依を庇って戦った時とは格が違うな」
一瞬右を向くと、凪沙さんも同じように爆発する弾が入ったマシンガンに苦戦している。厄介な銃弾に凪沙さんが撃たれる前に何とかしなければ……
「ふっ……!」
右足で強く地を蹴り、正面から襲うマシンガンを剣で弾く。左手で爆発を防ぐ。左の裾が焼けてしまったが、その程度の傷は気にせず走り続ける。
「らああああ!!!」
弾の爆発に身を乗り出しながら、その先に見えたマシンガンを構える不良に一直線で突進しながら全身を捻り、左から水平に真っ二つに斬った。
不良は鮮血を散らしながら、声も出せずに半身を分断されたまま地面に落ちた。しかしマシンガンの勢いは止まらない。残り四人の不良達が四方八方からマシンガンで撃ってくる。
「ちっ!」
舌打ちしながら壊れかけている城の形をした遊具に身を乗り出す。何とか凪沙さんと正反対の場所まで逃げ、そのまま雲梯の上に乗る。
「Bon sang, tu es rapide comme un rat. ...... !(くそっ、鼠みてぇに速え……!!)」
左右から来るマシンガンを弾きながら走り、そこから大きく跳んで大縄で作られた橋を飛び越えて分岐点の足場に身を乗り出す。幸い左側は壁なので片側のマシンガンはある程度防げる。
――と思った矢先、壁の方からバイクのエンジン音が聞こえた。
嘘だろ、あいつらまさか……
「Hyah !(ヒャッハー!!)」
そのまさかだった。壁の向こうにいた二人の不良はマシンガンで壁を壊しながらバイクで俺の目の前まで飛び乗ってきた。
俺は爆発を受けながらも、背後の橋を渡ってバイクとの距離を取る。ブルンブルンッとバイクを鳴らす音がより緊張感を高めてくる。
「くそっ、まだ隠してたか……!」
俺に向かってアクセル全開でバイクが迫ってくる。それぞれ片手でハンドルを握りながらマシンガンで乱れ撃つ。轢かれる直前に爆発の衝撃で吹き飛ばされそうになりながらも、左の階段を急いで上る。しかし上りきる前にバイクに乗ってないもう二人がマシンガンで城の頂上を支える支柱を破壊した。大爆発と同時に俺は支柱ごと下に落ちる。
「ちっ……!!」
逃げ場所どころか障害物となった城の頂上を下段から斬り払い、何とか足場に着地する。だが目の前にはさっきの2台のバイクが見え、急発進してきた。同時に銃弾の雨が横殴りで襲ってくる。
「っ――!!」
銃弾で頬を浅く受け、爆発をまともに喰らった。何とか顔面は防げたものの、ローブはもう全体から炎が上がっており、下半分に関しては焼け落ちてしまっていた。火傷による痛みに苦しんでる最中にもバイクは猛スピードで迫ってくる。
こ、このままでは……轢き殺される!
「鬼ごっこに付き合ってる暇は……無い!」
轢かれるまで残り10センチくらいの距離で、俺はとっさに目の前の足場を斬り払った。直後足場が下に落ち、バイクはそのまま落ちていった。
「危ねぇ……」
本当のギリギリでバイクを始末した。あとは背後に立っている二人の不良達か。あの二人もマシンガンを構えている。
「お前らも同じ目に遭わせてやる……」
小声でそう言いながら地を蹴り、一秒も経たずに不良達の間合いを詰めた。そして再び下段から左上めがけて斬り上げる。鮮血が飛び散る事も知らずにそのままもう一人も右上から叩き斬る。
「ふぅ……あとは凪沙さんのとこか」
一先ず深呼吸をし、すぐさま凪沙さんの所へと駆けつけようとしたその時だった。
数えきれない程のバイクがこの公園の中へと入っていくのが見えた。更にその半分は遊具の上へとアクセル全開で飛び乗ってきた。あっという間にバイク集団に囲まれてしまった。
「おいおい嘘だろ……」
思わず弱音を吐く俺の事を知らずにバイクがミサイルのように突進してくる。3方向おる橋から一斉に走ってくる。更にマシンガンで撃ちながらだ。
「こんなのアリかよっ……!!」
これ以上は仕方ないと思い、俺は『神器解放』を発動させた。六本の霊剣を召喚し、周囲を飛び交うよう左手で指示をする。
3方向から突進してくるバイクが俺を轢き殺す前に、俺の周囲を飛び交う霊剣にその身ごと呆気なく斬られ、大爆発を起こした。そこまでは防ぎきれずにまた喰らう。今度は髪も焼けてしまっていた。
「『狩人の羽刃』……本来はパンサー用に取っておいたんだがな」
しかし、予想外かつ最初の倍以上の増援が来てしまったからには致し方ない。さっさと終わらせる一心で俺は正面の橋に向かって再び地を蹴る。
「Vous, les gars ! Faisons de ce rat noir qui a protégé la Panthère une ruche et montrons-lui de quoi il est capable !(てめぇら! パンサーを守ったこの黒鼠を蜂の巣にして奴に見せつけてやろうぜええ!!)」
刹那、今までとは比べ物にならない量と速さでマシンガンの銃口から光が放たれた。それも3方向全てから。中にはバイクに乗りながら撃ってくる者もいた。
「ちっ……最初からこれが狙いだったのかよ!」
完全に油断し、最初の数発と爆発を喰らいながらも短いようで長い橋を走り抜けながら無数の銃弾による豪雨を弾く。まるで花火のように銃弾が目の前で爆発する。そこは力づくで突破する。
畜生め……さっきの突進は俺が間合いを詰めるための策だったのか。あえて隙を作り、それを突く隙にマシンガンで蜂の巣にする。
隙を突く隙に攻撃するってか。これではまるでドッキリ返しではないか。
「Allez, on y va ! Quel doux nectar puis-je obtenir de ce type ?(さぁ! こいつからはどんな甘い蜜がとれんのかなあっ!?)」
ちっ……霊剣と右手の剣があっても銃弾を抑えるのに精一杯だ。このまま進もうとしても今より速く弾を弾かないといけない。
このままだと本当に蜂の巣にされてしまう。
……どうする黒神大蛇、どうする八岐大蛇。神器解放中の今、禁忌魔法を使う訳にはいかない。いつ何処に本物のパンサーがいてもおかしくない。対策を練られて禁忌魔法を無効化されたらたまったものではない。
こうなったら仕方ない。賭けるしかないか。あれなら見られても対策出来ないだろう。
「……お前ら、よく見ておけ。俺の全力とやらをな!」
もし……いや、ifは無しだ。canにするまで。この八岐大蛇史上、今まで一度しか出してない大技を見せてやる。
「邪竜の逆鱗に触れた事……冥界に行ってさえも後悔させてやる」
右手に持つ反命剣が青白い無数のポリゴンの欠片のような光に分裂し、流星の如く俺の周りを飛び回る。右手には同じ色の細かい紋章が出現する。
そう、これは絶対絶命のピンチの時にしか出さなかった……俺の究極奥義。過ちによる己の逆鱗の権化、その名は――
「『果てをも穿ちし逆鱗の花』」
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