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第一章 海の惑星編
第十六話「『裁き』其の一 〜守れなかったもの〜」
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『生きとし生けるもの全ては罪を犯す時、相応の裁きが下る』―――――
緊急任務:『海の魔女』アースラの討伐、レイブン城に侵略
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、マリエル、カルマ、エイジ
犠牲者:0名
…………。
…………………。
………………………………。
――真っ暗だ。何も見えない。何も聞こえない。何も感じない。
喪失感で満ち溢れた空間だ。あぁ、これが俺――白神亜玲澄に下った『裁き』か。結局こうなってしまうんだな。
大蛇もあの時、同じような状態に至っていたのか……今なら少し分かる気がする。『禁忌魔法の代償』ってものが。
大蛇は今頃マリエルと一緒に城に向かってるはずだ……。カルマとエイジも同様に。
……でも、もう俺はそこにはいけない。なんたって死んでるからな。
まるで宇宙空間のようにふわふわした感覚だが、どんどんと体が沈んでいくように感じる………。
重力がある宇宙空間。神すら笑ってしまう程の矛盾空間。恐らくここは死後の世界だろう。
「…………か!」
少しだけ誰かの声が聞こえた。マリエルか? でも、今はあいつと一緒にいるはずだ。まさかあいつもいるのか……?
「……じょ………で……すか!!」
何を言ってるのか分からない。だが、俺を呼んでいる人が泣いている事は分かった。途中で鼻を啜るような音が聞こえたからだ。
一体誰なんだ………泣きながら俺を呼んでいる人は……
「だ……丈夫………ですか!!!」
あぁ、そうか。「大丈夫か」って言ってるのか。ここまで聞こえてようやく理解できた。
その瞬間、腕が引っ張られる感覚がした。同時に重力が背中を押し上げる。ここまで来れば冒涜にも程がある。さっきまで笑ってた神も呆れるだろう。
なっ、なんだ……!? 体が……上に引っ張られる……!?
俺はもうとっくに死んだはずだ。暴走が『裁き』だと受け入れるつもりだったのに。それでも生きろと神は言うのか。それが俺の運命なのか。宿命なのか。或いはまだ足りないと言っているのか……!!
だが、途中で全身の感覚を失い、俺はここで『裁き』だと悟る。
――そうだ。これこそ俺に下った『裁き』だ。
全身に力が入らず、ただ上に引っ張られる。しばらくすると上から少しばかり光が見えてきた。
「……お兄ちゃん!!」
「っ………!!?」
あれは……幻影か? でも、見たことはない。でも、知っている。
俺はあの子を知っている。いつの記憶だろうか。今回を入れてもう3回も死んでるからいつの記憶か全く分からない。
「君は………」
「お兄ちゃん!」
少女のような明るい声で再び呼ばれた時、急に頭が真っ白になった――
◆ ◆ ◆
ある日の記憶。いつかは分からない。だけど、確かに存在した記憶。かけがえのない記憶。決して忘れてはいけない記憶。
そして、恐らく今の俺が在るための記憶――
「お兄ちゃんっ! 今日も一緒に遊ぼうよ!!」
天使のような可愛らしい羽根を生やし、一人の女の子が俺に遊ぼうと誘ってきた。
「あぁ。今日は何して遊ぼうか」
今日も俺は素直に女の子と遊ぶ。そしてそこには見覚えのある黒髪の青年がいた。
「ねぇ、黒いお兄ちゃんも一緒に遊ぼうよぉ~っ!!」
「……敵と遊ぶなど愚かの極みだ」
『黒いお兄ちゃん』……間違いない、大蛇だ。だけど何故大蛇がここにいるんだ……
「別にいいでしょ~っ! っていうか今の黒いお兄ちゃんは仲間だよ?」
「……俺はただ家族を裏切っただけだ」
「……!!!」
そう、そうだった。俺は思い出した。ここは初めて俺が神族の一人として生まれた時の世界の記憶だ。それにしても、俺にも前世というのがあったんだなと思うと何故か少し嬉しくなる。
……ということは俺のことを『お兄ちゃん』と呼んでいたあの女の子は……
「もうっ! 素直じゃないんだからぁっ!! ……お兄ちゃん! 早く遊ぼう!!」
「お、おう!」
――俺の妹、且つ大蛇の恋人のエレイナ……
2年後――
「オロチ君! 恥ずかしがってないで、早くこっちおいでよ~!」
「……俺がそっちに行く理由はない」
「もうっ! なら無理矢理こっちに来てもらうからね! お兄ちゃん手伝って!!」
「…アレス。この状況で俺はどうすればいい? 逃げるべきか? それともおとなしk」
「オロチ君はおとなしく私に捕まってればいいの~っ! ほら捕まえたぁ~っ!」
妹は大蛇に突然抱きついた。大蛇は顔を赤くしながらひたすら暴れ続ける。
「……おい、やめろ!」
「ふふ~ん、顔真っ赤だよ~っ? もしかして照れてるの~っ??」
「おい馬鹿っ、そんなんじゃねぇ!!」
「全く……、仲良さそうで何よりだ」
俺はこのやりとりが好きだった。こうやって互いの種族が和解するきっかけになって、いつか共に平和な日常を送れたら……と思っていた。
だが当然、叶う筈が無かった。それも最悪な展開で神族と竜族は決裂した。
それは、あの大蛇がエレイナを殺した事だった。その後大蛇も自殺したとの事だが、まさかあいつがエレイナを殺す事になるとは思わなかった。
だからとてもショックだった。大切な存在が死ぬというこの気持ち悪い感覚をもう味わいたくないと思った。
もうこの世界は残酷だ。大事な人がいない世界なんかいっそ消えてしまえば良かったのに。何なら俺が消し去ってやりたい。
――こんな運命を認めたくなかった。
「はっ……!!」
………あぁ。戻ってきた。また引っ張られる感覚が蘇った。あの事を思い出したんだ。
でもあれは幻覚だ。過去の出来事……況してや過去の運命如きに惑わされるわけにはいかない。
だからこそ今ここで死ぬわけにはいかない。運命を影で糸を引いている運命の神もきっと俺がここでこうなることを知っているのだろう。
何度でも言ってやる。俺はここで死ぬわけにはいかない。いつまでも過去の運命に弄ばれる訳にはいかない。
………頼む、このまま俺を引っ張り上げてくれ。
次第に白い光が大きくなっていく。近くなっていく。もうすぐ現世に戻れるのだろう。俺はただその時を待つだけだ。今度こそ大事な仲間を死なせない……!
「……大丈夫ですか!!!」
――あぁ。もう大丈夫だ。だからもう泣かないでくれ。
今そっちに行ってやるから、少し待ってろ。
緊急任務:『海の魔女』アースラの討伐、レイブン城に侵略
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、武刀正義、マリエル、カルマ、エイジ
犠牲者:0名
…………。
…………………。
………………………………。
――真っ暗だ。何も見えない。何も聞こえない。何も感じない。
喪失感で満ち溢れた空間だ。あぁ、これが俺――白神亜玲澄に下った『裁き』か。結局こうなってしまうんだな。
大蛇もあの時、同じような状態に至っていたのか……今なら少し分かる気がする。『禁忌魔法の代償』ってものが。
大蛇は今頃マリエルと一緒に城に向かってるはずだ……。カルマとエイジも同様に。
……でも、もう俺はそこにはいけない。なんたって死んでるからな。
まるで宇宙空間のようにふわふわした感覚だが、どんどんと体が沈んでいくように感じる………。
重力がある宇宙空間。神すら笑ってしまう程の矛盾空間。恐らくここは死後の世界だろう。
「…………か!」
少しだけ誰かの声が聞こえた。マリエルか? でも、今はあいつと一緒にいるはずだ。まさかあいつもいるのか……?
「……じょ………で……すか!!」
何を言ってるのか分からない。だが、俺を呼んでいる人が泣いている事は分かった。途中で鼻を啜るような音が聞こえたからだ。
一体誰なんだ………泣きながら俺を呼んでいる人は……
「だ……丈夫………ですか!!!」
あぁ、そうか。「大丈夫か」って言ってるのか。ここまで聞こえてようやく理解できた。
その瞬間、腕が引っ張られる感覚がした。同時に重力が背中を押し上げる。ここまで来れば冒涜にも程がある。さっきまで笑ってた神も呆れるだろう。
なっ、なんだ……!? 体が……上に引っ張られる……!?
俺はもうとっくに死んだはずだ。暴走が『裁き』だと受け入れるつもりだったのに。それでも生きろと神は言うのか。それが俺の運命なのか。宿命なのか。或いはまだ足りないと言っているのか……!!
だが、途中で全身の感覚を失い、俺はここで『裁き』だと悟る。
――そうだ。これこそ俺に下った『裁き』だ。
全身に力が入らず、ただ上に引っ張られる。しばらくすると上から少しばかり光が見えてきた。
「……お兄ちゃん!!」
「っ………!!?」
あれは……幻影か? でも、見たことはない。でも、知っている。
俺はあの子を知っている。いつの記憶だろうか。今回を入れてもう3回も死んでるからいつの記憶か全く分からない。
「君は………」
「お兄ちゃん!」
少女のような明るい声で再び呼ばれた時、急に頭が真っ白になった――
◆ ◆ ◆
ある日の記憶。いつかは分からない。だけど、確かに存在した記憶。かけがえのない記憶。決して忘れてはいけない記憶。
そして、恐らく今の俺が在るための記憶――
「お兄ちゃんっ! 今日も一緒に遊ぼうよ!!」
天使のような可愛らしい羽根を生やし、一人の女の子が俺に遊ぼうと誘ってきた。
「あぁ。今日は何して遊ぼうか」
今日も俺は素直に女の子と遊ぶ。そしてそこには見覚えのある黒髪の青年がいた。
「ねぇ、黒いお兄ちゃんも一緒に遊ぼうよぉ~っ!!」
「……敵と遊ぶなど愚かの極みだ」
『黒いお兄ちゃん』……間違いない、大蛇だ。だけど何故大蛇がここにいるんだ……
「別にいいでしょ~っ! っていうか今の黒いお兄ちゃんは仲間だよ?」
「……俺はただ家族を裏切っただけだ」
「……!!!」
そう、そうだった。俺は思い出した。ここは初めて俺が神族の一人として生まれた時の世界の記憶だ。それにしても、俺にも前世というのがあったんだなと思うと何故か少し嬉しくなる。
……ということは俺のことを『お兄ちゃん』と呼んでいたあの女の子は……
「もうっ! 素直じゃないんだからぁっ!! ……お兄ちゃん! 早く遊ぼう!!」
「お、おう!」
――俺の妹、且つ大蛇の恋人のエレイナ……
2年後――
「オロチ君! 恥ずかしがってないで、早くこっちおいでよ~!」
「……俺がそっちに行く理由はない」
「もうっ! なら無理矢理こっちに来てもらうからね! お兄ちゃん手伝って!!」
「…アレス。この状況で俺はどうすればいい? 逃げるべきか? それともおとなしk」
「オロチ君はおとなしく私に捕まってればいいの~っ! ほら捕まえたぁ~っ!」
妹は大蛇に突然抱きついた。大蛇は顔を赤くしながらひたすら暴れ続ける。
「……おい、やめろ!」
「ふふ~ん、顔真っ赤だよ~っ? もしかして照れてるの~っ??」
「おい馬鹿っ、そんなんじゃねぇ!!」
「全く……、仲良さそうで何よりだ」
俺はこのやりとりが好きだった。こうやって互いの種族が和解するきっかけになって、いつか共に平和な日常を送れたら……と思っていた。
だが当然、叶う筈が無かった。それも最悪な展開で神族と竜族は決裂した。
それは、あの大蛇がエレイナを殺した事だった。その後大蛇も自殺したとの事だが、まさかあいつがエレイナを殺す事になるとは思わなかった。
だからとてもショックだった。大切な存在が死ぬというこの気持ち悪い感覚をもう味わいたくないと思った。
もうこの世界は残酷だ。大事な人がいない世界なんかいっそ消えてしまえば良かったのに。何なら俺が消し去ってやりたい。
――こんな運命を認めたくなかった。
「はっ……!!」
………あぁ。戻ってきた。また引っ張られる感覚が蘇った。あの事を思い出したんだ。
でもあれは幻覚だ。過去の出来事……況してや過去の運命如きに惑わされるわけにはいかない。
だからこそ今ここで死ぬわけにはいかない。運命を影で糸を引いている運命の神もきっと俺がここでこうなることを知っているのだろう。
何度でも言ってやる。俺はここで死ぬわけにはいかない。いつまでも過去の運命に弄ばれる訳にはいかない。
………頼む、このまま俺を引っ張り上げてくれ。
次第に白い光が大きくなっていく。近くなっていく。もうすぐ現世に戻れるのだろう。俺はただその時を待つだけだ。今度こそ大事な仲間を死なせない……!
「……大丈夫ですか!!!」
――あぁ。もう大丈夫だ。だからもう泣かないでくれ。
今そっちに行ってやるから、少し待ってろ。
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