10 / 232
第一章 海の惑星編
第九話「変化の代償」
しおりを挟む
緊急任務:依頼者マリエルの救出、『海の魔女』の正体の捜索、及び討伐
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、カルマ、エイジ
サポーター:マヤネーン・シューベル
犠牲者:0名
海の惑星リヴァイス 海中――
あぁ。何で私はこんなにも無力なんだろう。お父様が正気になったことしか頭にないが故にこうしてアースラに捕まってしまった。大蛇君もあんな危険なことをしてまで私を守ってくれたのに。
これじゃ元も子もないよ。本当に私はいつになっても駄目な女ね。あの時もそうだった。
この状況は、あの時とすごく似ている。私が一生思い出したくない出来事にすごく似ている――
私はアースラの足に絡まれながらそんなことを心の底から思った。アースラにこれから殺されることなんてほとんど怖くなかった。
それよりも自分の無力さに対しての怒りと自分のせいで皆に迷惑をかけてしまった罪悪感の方が強い。
むしろ、今犯してしまった私の罪を償うには死が一番いいと思っている。たとえアースラが死刑執行人だとしても。
自分の死を覚悟したところで、アースラはピタリと泳ぐのをやめた。更に、絡まれてた足がほどけ、マリエルを開放した。
「……どういうつもり?」
「可哀想に、マリエル。あなたの気持ちはよ~く分かる、分かるとも。どうやら辛い気持ちに押し潰されそうだね」
「……!!」
何でアースラが心の中を読めるのか、マリエルは全く分からなかった。
普通なら人の心の中を読めるだけでも恐怖でしかないが、マリエルにとっては驚きの方が強かった。自分の身近にも心の中を読める存在がいるからである。
それが、人魚5姉妹の次女「サリエル」である。彼女も相手の心の中を読めるという能力を持っている。
サリエルはアースラとは違い生まれつきこの能力を持っていて、いつも私や他の姉妹達の心の中を読んで悪戯していたから、心の中を読めること自体に恐怖心はあまり感じなかった。
だが、この世界で同じ能力を持つ者がいたとは思わなかった。
それもアースラという存在が。
「かわいいお嬢さん。これと他に何か悩みがあるようだね。私に言ってごらん。隠さなくてもいいのよ。……まぁ、隠しても無駄だけど」
そんなことは分かっている。心を読めると分かった以上、当然嘘も通じないしアースラの前では思ってる事を正直に全て話さないといけない。
これに関してはもう逃げられない。
「私、時々思うの。人間になりたいって。そしてその世界でずっと暮らしてみたいって。でも……お父様は何も分かってくれないの」
たとえお父様が正気になったとしても人間の世界に行くことは否定されると思う。正気になっても、中身はいつものお父様だから。
「トリトン王だね~、ひどいやつさ~!」
アースラは嫌味を言うかのようにお父様を評価した。まるでマリエルに同情するかのように。
「ねぇ、アースラには出来るの? 私を人間にすることが」
「私にできるか、だって? ふっふっふっ……。お嬢さんを3日間だけ人間にしてあげよう。今日は1月12日……つまり3日後の1月15日の日没までにその人間と共に愛し暮らせれば、お嬢さんは本当の人間になれる」
「もし……、出来なかったら?」
「その時はお嬢さんの魂をいただくよ」
「……!」
魂をいただく。それは文字通り殺すという事だ。それならこんな私を早く殺してほしい。日没なんて待ってられない。
でも、私の全身は震えていた。呼吸も浅い。汗が止まらない。私は死を恐れているのだ。3日後にやってくる死を。
これでも死を望んでいるというのに怖くて仕方が無い。
「あぁっ、でも大丈夫だ。きっと人間一人くらいお嬢さんのことを好きになってくれるに違いないさ」
「……。」
それはそうかもしれない。でも、私はただ人間になりたいと言っただけだ。人間と幸せな家庭を築きたいとは言っていない。
そもそも3日間で結婚できるわけがない。やっぱりアースラは最初から私を殺す気だったのだ。そう思うと更に身体が震えてくる。
「マリエル、ダメだ! 今すぐそいつから離れろ!!」
「えっ……!?」
突然アースラに襲いかかったのはカルマだ。彼の右手には恐らく亜玲澄のと思われる素朴な片手剣がある。
「ちっ、邪魔が入ったわね!」
カルマの剣撃を軽々と避け、再びアースラは足で私の全身を掴み海上へと上がっていった。
「くそ、アースラめっ……!」
「だから無駄だと言っただろ」
カルマが突如立てた『アースラの隙をついてマリエル奪還作戦』は無事失敗に終わった。
これから新たな策を考えなければならない。
マリエルの身に何かが起こる前に。
「それで、これからどうするんだ?」
「エイジ、すまないがここはもう陸に上がるしかないと思うぞ」
「亜玲澄、それはいいが現時点のアースラの生息が不明だ」
「うん、大蛇の言うとおりだと思う」
男4人はこれからどうやってマリエルを奪還するかをひたすら考えていた。
だが、いい案は何一つ浮かばない。何せ4人も出会ったばかりなのにこれほどの深刻な問題を背負う事になったのだ。
突然過ぎて正直どうすれば良いかすらも分からないはずだ。
そんな時、先程策を立てたカルマが皆に提案した。
「ならしょうがねぇからさ……この事を国王様に報告しようぜ」
「な、何言ってるんだ! 俺達は今海の中にいるんだぞ!!」
「くそっ、他に方法は無いのか!?」
皆が考えている中、大蛇はただ一人陸へと上がろうとしていた。
「お……おい、大蛇!」
「おい、待ってくれよ!!」
「勝手に俺達を置いて行くなぁぁ!!」
男3人は大蛇の後を追うように陸へと向かった。
レイブン王国 レイブン城近くの森――
緑に囲まれた地。一度足を踏み入れれば二度と戻って来れない。このレイブンの森はその事でとても有名で、『悪魔の森』と呼ばれている。
カルマの攻撃を避けて、この森に逃げてきたアースラは高笑いをした。
「ふははは……! さぁ、お嬢さんっ! この契約書に名前を書くだけだよ!!」
この契約書に署名すれば、私は人間になると同時に3日後に爆発する時限爆弾を背負うことになる。
でも、もう引けない……そういう思いでマリエルは契約書に署名した。
「ふはははは!! さぁマリエル、契約は成立したよ! さぁ……人間になったんだ、もっと喜んでもいいんじゃないか?」
「えっ……!?」
瞬きをした時にはもうマリエルの体はもう完全に人間になっていた。
下半身のヒレは同じ色をしたスカートに変化している。そして上はスカートと同じ色の服で体を覆っている。
脚がある。歩ける。人間の世界で生きる事が出来る。
それが分かった瞬間、喜びのあまりマリエルは森の中へと走っていった。
だがその先にアースラが待ち構えていた。
「あぁ、そういえば忘れていた。無条件ってわけにはいかないよ。契約の料金はお嬢さんの声だ……『強奪』」
「あっ……!!」
するとマリエルの首元に魔法の輪が出現し、首を締め付ける。マリエルは必死に口を開けるが声が一切出なくなっていた。
どうしよう……! アースラのせいでしゃべれなくなった! これからどうコミュニケーションをとればいいの!?
目の前のアースラが再び高笑いをしながら姿を消し、マリエルはひたすら走る。
助けを求めて。こんな自分を拾ってくれる王子様を探して――
遂行者:黒神大蛇、白神亜玲澄、カルマ、エイジ
サポーター:マヤネーン・シューベル
犠牲者:0名
海の惑星リヴァイス 海中――
あぁ。何で私はこんなにも無力なんだろう。お父様が正気になったことしか頭にないが故にこうしてアースラに捕まってしまった。大蛇君もあんな危険なことをしてまで私を守ってくれたのに。
これじゃ元も子もないよ。本当に私はいつになっても駄目な女ね。あの時もそうだった。
この状況は、あの時とすごく似ている。私が一生思い出したくない出来事にすごく似ている――
私はアースラの足に絡まれながらそんなことを心の底から思った。アースラにこれから殺されることなんてほとんど怖くなかった。
それよりも自分の無力さに対しての怒りと自分のせいで皆に迷惑をかけてしまった罪悪感の方が強い。
むしろ、今犯してしまった私の罪を償うには死が一番いいと思っている。たとえアースラが死刑執行人だとしても。
自分の死を覚悟したところで、アースラはピタリと泳ぐのをやめた。更に、絡まれてた足がほどけ、マリエルを開放した。
「……どういうつもり?」
「可哀想に、マリエル。あなたの気持ちはよ~く分かる、分かるとも。どうやら辛い気持ちに押し潰されそうだね」
「……!!」
何でアースラが心の中を読めるのか、マリエルは全く分からなかった。
普通なら人の心の中を読めるだけでも恐怖でしかないが、マリエルにとっては驚きの方が強かった。自分の身近にも心の中を読める存在がいるからである。
それが、人魚5姉妹の次女「サリエル」である。彼女も相手の心の中を読めるという能力を持っている。
サリエルはアースラとは違い生まれつきこの能力を持っていて、いつも私や他の姉妹達の心の中を読んで悪戯していたから、心の中を読めること自体に恐怖心はあまり感じなかった。
だが、この世界で同じ能力を持つ者がいたとは思わなかった。
それもアースラという存在が。
「かわいいお嬢さん。これと他に何か悩みがあるようだね。私に言ってごらん。隠さなくてもいいのよ。……まぁ、隠しても無駄だけど」
そんなことは分かっている。心を読めると分かった以上、当然嘘も通じないしアースラの前では思ってる事を正直に全て話さないといけない。
これに関してはもう逃げられない。
「私、時々思うの。人間になりたいって。そしてその世界でずっと暮らしてみたいって。でも……お父様は何も分かってくれないの」
たとえお父様が正気になったとしても人間の世界に行くことは否定されると思う。正気になっても、中身はいつものお父様だから。
「トリトン王だね~、ひどいやつさ~!」
アースラは嫌味を言うかのようにお父様を評価した。まるでマリエルに同情するかのように。
「ねぇ、アースラには出来るの? 私を人間にすることが」
「私にできるか、だって? ふっふっふっ……。お嬢さんを3日間だけ人間にしてあげよう。今日は1月12日……つまり3日後の1月15日の日没までにその人間と共に愛し暮らせれば、お嬢さんは本当の人間になれる」
「もし……、出来なかったら?」
「その時はお嬢さんの魂をいただくよ」
「……!」
魂をいただく。それは文字通り殺すという事だ。それならこんな私を早く殺してほしい。日没なんて待ってられない。
でも、私の全身は震えていた。呼吸も浅い。汗が止まらない。私は死を恐れているのだ。3日後にやってくる死を。
これでも死を望んでいるというのに怖くて仕方が無い。
「あぁっ、でも大丈夫だ。きっと人間一人くらいお嬢さんのことを好きになってくれるに違いないさ」
「……。」
それはそうかもしれない。でも、私はただ人間になりたいと言っただけだ。人間と幸せな家庭を築きたいとは言っていない。
そもそも3日間で結婚できるわけがない。やっぱりアースラは最初から私を殺す気だったのだ。そう思うと更に身体が震えてくる。
「マリエル、ダメだ! 今すぐそいつから離れろ!!」
「えっ……!?」
突然アースラに襲いかかったのはカルマだ。彼の右手には恐らく亜玲澄のと思われる素朴な片手剣がある。
「ちっ、邪魔が入ったわね!」
カルマの剣撃を軽々と避け、再びアースラは足で私の全身を掴み海上へと上がっていった。
「くそ、アースラめっ……!」
「だから無駄だと言っただろ」
カルマが突如立てた『アースラの隙をついてマリエル奪還作戦』は無事失敗に終わった。
これから新たな策を考えなければならない。
マリエルの身に何かが起こる前に。
「それで、これからどうするんだ?」
「エイジ、すまないがここはもう陸に上がるしかないと思うぞ」
「亜玲澄、それはいいが現時点のアースラの生息が不明だ」
「うん、大蛇の言うとおりだと思う」
男4人はこれからどうやってマリエルを奪還するかをひたすら考えていた。
だが、いい案は何一つ浮かばない。何せ4人も出会ったばかりなのにこれほどの深刻な問題を背負う事になったのだ。
突然過ぎて正直どうすれば良いかすらも分からないはずだ。
そんな時、先程策を立てたカルマが皆に提案した。
「ならしょうがねぇからさ……この事を国王様に報告しようぜ」
「な、何言ってるんだ! 俺達は今海の中にいるんだぞ!!」
「くそっ、他に方法は無いのか!?」
皆が考えている中、大蛇はただ一人陸へと上がろうとしていた。
「お……おい、大蛇!」
「おい、待ってくれよ!!」
「勝手に俺達を置いて行くなぁぁ!!」
男3人は大蛇の後を追うように陸へと向かった。
レイブン王国 レイブン城近くの森――
緑に囲まれた地。一度足を踏み入れれば二度と戻って来れない。このレイブンの森はその事でとても有名で、『悪魔の森』と呼ばれている。
カルマの攻撃を避けて、この森に逃げてきたアースラは高笑いをした。
「ふははは……! さぁ、お嬢さんっ! この契約書に名前を書くだけだよ!!」
この契約書に署名すれば、私は人間になると同時に3日後に爆発する時限爆弾を背負うことになる。
でも、もう引けない……そういう思いでマリエルは契約書に署名した。
「ふはははは!! さぁマリエル、契約は成立したよ! さぁ……人間になったんだ、もっと喜んでもいいんじゃないか?」
「えっ……!?」
瞬きをした時にはもうマリエルの体はもう完全に人間になっていた。
下半身のヒレは同じ色をしたスカートに変化している。そして上はスカートと同じ色の服で体を覆っている。
脚がある。歩ける。人間の世界で生きる事が出来る。
それが分かった瞬間、喜びのあまりマリエルは森の中へと走っていった。
だがその先にアースラが待ち構えていた。
「あぁ、そういえば忘れていた。無条件ってわけにはいかないよ。契約の料金はお嬢さんの声だ……『強奪』」
「あっ……!!」
するとマリエルの首元に魔法の輪が出現し、首を締め付ける。マリエルは必死に口を開けるが声が一切出なくなっていた。
どうしよう……! アースラのせいでしゃべれなくなった! これからどうコミュニケーションをとればいいの!?
目の前のアースラが再び高笑いをしながら姿を消し、マリエルはひたすら走る。
助けを求めて。こんな自分を拾ってくれる王子様を探して――
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
捨てられた第四王女は母国には戻らない
風見ゆうみ
恋愛
フラル王国には一人の王子と四人の王女がいた。第四王女は王家にとって災厄か幸運のどちらかだと古くから伝えられていた。
災厄とみなされた第四王女のミーリルは、七歳の時に国境近くの森の中で置き去りにされてしまう。
何とか隣国にたどり着き、警備兵によって保護されたミーリルは、彼女の境遇を気の毒に思ったジャルヌ辺境伯家に、ミリルとして迎え入れられる。
そんな中、ミーリルを捨てた王家には不幸なことばかり起こるようになる。ミーリルが幸運をもたらす娘だったと気づいた王家は、秘密裏にミーリルを捜し始めるが見つけることはできなかった。
それから八年後、フラル王国の第三王女がジャルヌ辺境伯家の嫡男のリディアスに、ミーリルの婚約者である公爵令息が第三王女に恋をする。
リディアスに大事にされているミーリルを憎く思った第三王女は、実の妹とは知らずにミーリルに接触しようとするのだが……。
【完結】呪われ令嬢、猫になる
やまぐちこはる
ファンタジー
エザリア・サリバーは大商団の令嬢だ。一人娘だったが、母が病で儚くなると、父の再婚相手とその連れ子に忌み嫌われ、呪いをかけられてしまう。
目が覚めたとき、エザリアは自分がひどく小さくなっていることに気がついた。呪われて猫になってしまっていたのだ。メイドが来たとき、猫がいたために、箒で外に追い出されてしまう。
しかたなくとぼとぼと屋敷のまわりをうろついて隠れるところを探すと、義母娘が自分に呪いをかけたことを知った。
■□■
HOT女性向け44位(2023.3.29)ありがとうございますw(ΦωΦ)w
子猫六匹!急遽保護することになり、猫たんたちの医療費の助けになってくれればっという邪な思いで書きあげました。
平日は三話、6時・12時・18時。
土日は四話、6時・12時・18時・21時に更新。
4月30日に完結(予約投稿済)しますので、サクサク読み進めて頂けると思います。
【お気に入り】にポチッと入れて頂けましたらうれしいですっ(ΦωΦ)
★かんたん表紙メーカー様で、表紙を作ってみたのですが、いかがでしょうか。
元画像はうちの18歳の三毛猫サマ、白猫に化けて頂きました。
「聖女はもう用済み」と言って私を追放した国は、今や崩壊寸前です。私が戻れば危機を救えるようですが、私はもう、二度と国には戻りません【完結】
小平ニコ
ファンタジー
聖女として、ずっと国の平和を守ってきたラスティーナ。だがある日、婚約者であるウルナイト王子に、「聖女とか、そういうのもういいんで、国から出てってもらえます?」と言われ、国を追放される。
これからは、ウルナイト王子が召喚術で呼び出した『魔獣』が国の守護をするので、ラスティーナはもう用済みとのことらしい。王も、重臣たちも、国民すらも、嘲りの笑みを浮かべるばかりで、誰もラスティーナを庇ってはくれなかった。
失意の中、ラスティーナは国を去り、隣国に移り住む。
無慈悲に追放されたことで、しばらくは人間不信気味だったラスティーナだが、優しい人たちと出会い、現在は、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日のこと。
ラスティーナは新聞の記事で、自分を追放した国が崩壊寸前であることを知る。
『自分が戻れば国を救えるかもしれない』と思うラスティーナだったが、新聞に書いてあった『ある情報』を読んだことで、国を救いたいという気持ちは、一気に無くなってしまう。
そしてラスティーナは、決別の言葉を、ハッキリと口にするのだった……
最強超人は異世界にてスマホを使う
萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。
そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた――
「……いや草」
冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!
ユウ
ファンタジー
トリアノン公爵令嬢のエリーゼは秀でた才能もなく凡庸な令嬢だった。
反対に次女のマリアンヌは社交界の華で、弟のハイネは公爵家の跡継ぎとして期待されていた。
嫁ぎ先も決まらず公爵家のお荷物と言われていた最中ようやく第一王子との婚約がまとまり、その後に妹のマリアンヌの婚約が決まるも、相手はスチュアート伯爵家からだった。
華麗なる一族とまで呼ばれる一族であるが相手は伯爵家。
マリアンヌは格下に嫁ぐなんて論外だと我儘を言い、エリーゼが身代わりに嫁ぐことになった。
しかしその数か月後、妹から婚約者を寝取り略奪した最低な姉という噂が流れだしてしまい、社交界では爪はじきに合うも。
伯爵家はエリーゼを溺愛していた。
その一方でこれまで姉を踏み台にしていたマリアンヌは何をしても上手く行かず義妹とも折り合いが悪く苛立ちを抱えていた。
なのに、伯爵家で大事にされている姉を見て激怒する。
「お姉様は不幸がお似合いよ…何で幸せそうにしているのよ!」
本性を露わにして姉の幸福を妬むのだが――。
貞操逆転世界の温泉で、三助やることに成りました
峯松めだか(旧かぐつち)
ファンタジー
貞操逆転で1/100な異世界に迷い込みました
不意に迷い込んだ貞操逆転世界、男女比は1/100、色々違うけど、それなりに楽しくやらせていただきます。
カクヨムで11万文字ほど書けたので、こちらにも置かせていただきます。
ストック切れるまでは毎日投稿予定です
ジャンルは割と謎、現実では無いから異世界だけど、剣と魔法では無いし、現代と言うにも若干微妙、恋愛と言うには雑音多め? デストピア文学ぽくも見えるしと言う感じに、ラブコメっぽいという事で良いですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる