婚約破棄されまして(笑)

連載

若奥様は身重です！ 27

流れる車窓。見慣れた風景……じゃない！また何か増えてる？ドユコト？

「あ！マスター！天蚕の森がパワーアップしてるですー！」

「凄いですー！」

「数も増えたから森も大っきくしたんですー！」

「え？何ですって……」

〈マスター、私から説明致します。天蚕達がかなり増えた為天蚕達が住まう木々を大きく成長させたのです。天蚕は己の魔力で木々を増やしたり成長させたりといった能力がある事が分かりました〉

（つまり自分達の数が増えたのでエサとなる木々を大きく成長させたって事）

〈はい。おそらくですがマスターの家の裏庭に移住した天蚕達もその数に合わせて木々を成長させるのでは〉

ここに来てビックリ情報です。増えたと思ったのは建物じゃなくて成長した木でした。

「でもあんなに大きくなる木なんて初めて見るわ」

「そうですよね！私も初見です、何と言う木なんでしょう」

「世界樹ですー！」

「まだまだ大っきくなるけど、そんなに大っきくしても困るらしいですー！」

「待って！世界樹？！え？」

思わずツッコミました。いや、ドユコト？パートツーですわ！

〈マスター、安心して下さい。世界樹と言っても青い石に乗っかって飛んだりしませんから〉

（それは世界樹と違う！）

〈マスター、素晴らしいツッコミです。葉や雫からは素晴らしいポーションが作れますが、その程度です。今のところ〉

（今のところ……今のところって言ったわね、いつかは作れるようになるって事？）

〈……様々な条件をクリアすればエリクサーも作れる様にはなりますがハードルはとても高いです〉

（そう。とりあえず一安心だわ、簡単にエリクサーとか作れちゃう……あれ？私作れた気がするわ……）

〈そうですね、マスターなら作れますね〉

ガーン！そうだった……私の魔力が潤沢で更に無茶苦茶出来るんだった……でも多くは望んだらダメなのよ～！身の丈を知らずにバカやったらダメなのよ～！

「エリーゼ様、世界樹ってそんなに凄い木なのですか？」

「クッ！アニスの視線がツライ！」

事情というかファンタジー知識無いとそうなりますよね！だいたい、この世界に世界樹なんて代物ありませんから！
いや、あるのか？

（あるの？）

〈ありません〉

良かった。私の思い込みとかじゃなくて。
もし世界樹があったら、そこを住処にしてる魔物とかいたら困るじゃんね！