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若奥様は身重です! 26

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「エリーゼ様?」

ハッ!いけない!ついつい考え込んでアニスを放ったらかしにしてたわ!

「ゴメンね!じゃあ行きましょうか!ちびナビちゃん達は一緒に来る?」

「行きたいですー!」

「わーい!お供出来るですー!」

「誘われたですー!嬉しいですー!」

この素直な反応に思わずニッコリしてしまう。

「じゃあ皆で行きましょうか」

……小島から移動して島の駅で皆で列車待ちです。
気分は小学生の引率ですけど、ちびナビちゃん達は大きさこそ小さいですが子供じゃないので苦労のくの字もありません。

「あ!来たですー!」

「ホントですー!」

「黒い煙出てるですー!」

「あら、そうなのね」

見てギョッとしました。黒いD51みたいなのじゃなくて、全体的に赤い……それは良いのか?いや、良くない!ルークよ!

「わぁ!カッコいいですね!」

「そうね……」

確かにカッコいい。蒸気機関車とはロマン溢れる乗り物だと思ってる。いや、新幹線とかもカッコいいと思ってますよ。工場から出て来るの見に行った事ありますから。

「黒い煙ってコレ石炭燃やしてる訳じゃないのよね?」

「そうですー!」

「普通の煙に色を着けた煙ですー!」

「燃料は魔石なので安心安全ですー!」

「ですよねー!」

つい確認したわよ。だって環境とか考えちゃうじゃない。

「エリーゼ様、乗りましょう!」

「そうね!乗らないとね!」

とりあえず一周してる間にどこに行くか決めよう。
席は柔らかいクッションで枠は木製。床と天井も木製。
良かった……これで個室とかあったらヤバかろう。

「マスター!後ろに個室もあるですー!」

「個室は広めの四人がけですー!」

「ちょっと豪華にしてるですー!」

ちびナビちゃん達が私の息の根止めに来た!それ以上言うんじゃありません!ホームに何分の何とか無かったから安心してたのに。でもどっかに仕込まれてたら私泣いちゃうかもしれない。

「エリーゼ様、個室ですって!いつか使ってみたいですね」

「そうね。いつかね」

知らない者は嬉しそうにしてる、でも私は知ってる。それでも青い蒸気機関車とかよりは幾分か救われてる気がする。
うん……私も知らなかったら良かった。
モデルになった蒸気機関車とかもあるし、真っ黒というよりポイントに赤を入れてるのよね。犬山のもちょこっと赤入れてたなぁ……
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