婚約破棄されまして(笑)

連載

若奥様は身重です！ 21

それはいきなりでした……

「おはようございますエリーゼ様！」

「元気ね……」

寝起きもすっかり悪くなった私です。朝もアニスに起こされる様になりました。
ムクリと体を起こして……あれ？体がか……るい？

「エリーゼ様！体軽くなってますか？」

「なってる……」

「きっと落ち着いたんですよ！」

（ナビさんや……安定期に入ったって事？）

〈おはようございますマスター。そうです、胎児に魔力や精霊の力が馴染んだ証拠です。余程不測の事態にならない限り母体と共に健やかに過ごせます〉

ん？何か……どエライ事言われた気がしたわよ。

（不測の事態……？）

〈はい。例えば天変地異に巻き込まれて生死の境を彷徨うとかですかね〉

とんでもねぇ事言われたよ……天変地異てアータ……そんな事よっぽど無いじゃん。

（本当に滅多に無い事よね。じゃあ普通に過ごして大丈夫って事ね！）

〈はい！思うままお過ごし下さい！〉

ナビさんの声も明るく感じる。じゃあアニスにも教えて前みたいに毎日楽しく過ごすぞ！

「アニス！体が落ち着いて前みたいに過ごしても大丈夫だって！もしアニスに何かあっても私が何とでもするから安心して！」

目を丸くして私を見つめるアニスのほっぺたがプクッと膨らみました。あれ？失敗した？

「エリーゼ様！前みたいに過ごさないで下さい！周りの皆様が心配しますから！でもこれだけ体が楽になるとついつい動いてしまいますね」

「でしょ！」

起こされるまで気が付かなかったけど、分かると何か色々やりたくなっちゃう！

「さ、お目覚めになったのならお支度しましょうか」

「そうね！時間は有限だわ！」

普通の貴族令嬢なら顔を洗って……とか侍女の手を借りて行うけど、私……というか我が家は違います。
モーニングルーティンがあるけど、今は妊娠中なのでルーティンを変更してます。
浴室に行って朝シャワーして清潔を保って、即乾燥（シットリ仕上げです）して頭のてっぺんから足のつま先まで魔法で一気にサッパリします。
浴室から出るとアニスが今日のドレスと履き物を持ってスタンバってます。
コルセットも高いヒールも無しです！

「本日は若葉色に白い花模様に致しました！履き物も同色の物にしました」

サッサと下着類を身に着けされドレスを着せて貰い履き物を履かされる。
流れるようなサポートありがたい！

「さ、次は御髪ですよ。今日は少し編み込みましょうね！」

有無を言わせないアニスが帰って来ました！ふふっ……こうでなくっちゃね！