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慌ただしい日々 9

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さて、時間はどんどん素進んでいきます。私はニッコリしながら相槌を打つだけです。
え?会話?会話はお母様とシルヴァニアの女性陣が全力対応してくれてます。
おっかねぇでゲス。どっちもおっかねぇでゲス。お上品な笑顔と言葉遣いでやり合ってます。
元が田舎育ちのボンヤリでは、内心ビクビクもんです。

「エリーゼ様はさすが王子妃教育を受けていただけあって、とても落ち着いてらっしゃいますわね」

んな訳あるかい!落ち着いてる様に見えるよう頑張ってるの!

「ありがとうございます。久方ぶりの社交で私の至らなさが露見しないか緊張しておりますの」

「まあ!至らない所なんて何一つ無いわ!むしろ、俺は冒険者になる!とか意気込んでたルークを手なづけて婿入りさせる手腕、見習いたい程ですわ!」

……俺は冒険者になる!いや、そのフレーズと言うか言い方とか麦わら帽子に赤ティーの彼を彷彿トさせるんですけど……ルークったら何言ってたの?後で事情聴取です。
確かこの方、皇女様だけど名前入ってないわ~。だって多いんですもの。
てか、何でわざわざ私に話しかけてくるの?面倒くさいんですけど。

「ルークは小さい頃はお元気でしたのね」

「あら?今は大人しいのかしら?」

「ええ……」

その代わり島でやらかしまくってますからね!

「そうなのね。大人になったのね」

「ええ……」

もう、私の歯切れ悪くなっちゃってツラ!

「公国は大型の魔物が多く生息しておりますので、ルークは討伐となると喜んでおりますよ。我が家の息子達とも仲良く討伐の話しをしておりますしね」

「まあ!そうでしたわね。公国にはこちらでは見られない大型と呼ばれる魔物がいるんですってね。どれ程大きいのかしら……?」

「そうですね……ああ!あちらの四阿よ……五つ分位かしら?」

ん?お母様の視線の先を見やって、四阿のサイズ確認をする。

「お母様、あれだと大型の中でも小さめでは?」

「そうね。竜種だと七つ以上にはなるのかしら?」

「竜種の中くらいなら。本当に大きい物は十はききません」

チラッと見たら皇女様、青い顔になって小さく震えてます。

「あら。ルークは大型を嬉々として討伐しに向かいますのよ」

「そ……そうなんですのね……」

「ええ。公国は大型の跋扈する地でございます。それ故、大変な事は幾つもありますが民草を守る為にも我らが先陣を切って戦うのです」

クンッ!とお母様が胸を張る。
素晴らしいです!
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