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目指せ!義実家! 27

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アニスがキラキラした目で私を見てる。期待してるのね……もう、仕方ないわね。

「出すのは明日よ。今日は支度して晩餐に出て早めに休むのよ。長旅の疲れがあるかも知れないのだから」

「そうでした!今日はすでに決めてありますから、湯浴みをちゃちゃっと済ませてしまいましょう!」

そう言うと浴室に連れて行かれました。ちょっと懐かしい浴室の有り様に馬車や邸の最新の浴室を思い出す。

「ねぇ……アニス一人で何とかなりそう?」

そう!旧式は数人がかりでお湯を満たして体を磨き上げる方式です。

「大丈夫です!私も色々使えるようになったので一人で出来ます!それとエリーゼ様の体は磨き上げませんから!」

「えっ?」

「だってご懐妊されたのでしょう?お体に負担がかからないように湯浴みを済ませるやり方になりますから」

「そうね……そうだったわ」

そう言うとアニスが手早く浴槽に何やら引っ掛け、詠唱……?と言うより呪文を唱えるとお湯がザバザバと出て来ました。
色々使えるって道具の事?

「シルヴァニアにある便利な道具を幾つか持たされました!小さくて便利なのであちこちしまえて良いですよね!」

ソコ?ソコなの?エッヘン!って胸張ってるけど、シルヴァニアの里で便利道具入手してきましたよ!って事?

「今までは馬車だったので使う時がありませんでしたが、こちらなら充分活躍出来ますよ!」

「そうね」

「じゃあ、エリーゼ様湯浴みしましょう!」

ほんの数分で浴槽いっぱい溜まったお湯……アニスは特に考えずに手を突っ込む。

「うん!適温って言ってたけど、本当にちょうど良い温度です!」

こわ……シルヴァニアの技術ってどうなってるのかしら?とか思ってる間に真っ裸にされ浴槽に入れられ手早く洗われました。
その後の細かい事は割愛です。
ほのかに温かい脱衣所で、新しいお仕着せに着替えたアニスに柔らかい生地で出来た現代日本の下着を持ってこられました。

「肌触りも良いですし、コルセットと違ってお胸だけなのでしばらくはこちらが良いと思います!」

パンツはウエストまである物だけど妊娠中ならこちらの方が冷えなくて良いわよね。
フカフカのガウンを羽織って衣装部屋へと連れて行かれ、いざドレスです!
シュバルツバルト風のドレスは胸下で切り替えのエンパイアデザインなので、腹部は締め付けないし、コルセット着けないので着脱ぎは楽ちんです!
いや、レースとか刺繍とか品良く豪華に見える様にしてありますけどね!
優しいライトグリーンのドレスに淡いピンクのバラのコサージュが肩口に縫い留められて可愛いです。袖付きなのも良いです。
丈は足首が隠れる丈です。履き物は柔らかい布製のヒールが三センチあるかないかで何かの皮、安全性高めの歩きやすい物。

「後はお飾りですが、それは御髪を整えてからにしましょうね!」

アニスが楽しそうです。
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