婚約破棄されまして(笑)

連載

目指せ！義実家！ 20

待って！妊娠初期って運動とか衝撃とか気をつけないと流産しちゃうじゃん！
馬車移動の振動……は魔改造でほぼ無かったわ。
でも、体……の特に腹部を締め付けるコルセットはダメだわ。
コロリと肘掛け（柔らかい革製ですよ！）に頭を乗せてチラリとアニスを見る。
アニスは楽しそうにクルクルと働いてる。

「アニス。私、懐妊しましたわ」

「え！……エリーゼ様ぁ！本当に本当ですか！」

ギュルン！と音がしそうな勢いで体ごと私を見たアニス。泣きそうな顔して……

「本当よ。男女どちらが生まれるかは分からないけど、良いお知らせよね？」

「っ！」

駆け寄って来たアニスが跪いて私の手を取って額な付ける。

「おっ……女の子に決まってます！わっ私も母さまに言ってお薬貰って赤ちゃん作りますから！私の娘もエリーゼ様のお嬢様の専属となれるように育てます！ええ！母さまが私を育てたように私も育てます！」

断言してるわねー……
泣きながら言うとか熱量高いわね（笑）

「安心して下さい！私、頑張りますね！そうと決まれば後はで母さまに報告です！はっ！ドレスは全て我が領の物にしましょうねっ！」

「え……ええ……」

アニスの圧がツヨツヨです。でも、伝統的なドレスは腹部の圧迫が無いので大賛成です。

「と、言う訳ですのでクローゼットのドレスは全て取り替えましょう！今、入ってるのは帝国風の物ばかりなので！」

「そうね！そうだったわ。帝国にいる間に着るドレスは全て帝国風の物にしていたものね！」

そこからは怒涛のドレスチェンジ作業です。
侮るなかれ、ドレスが変わるだけではありません。下着からお飾り、履物から付属品も全てチェンジです！その量はちょっとやそっとじゃありません。
言われるままにドレスを無限収納にしまい込み、新たにドレスを出しまくります。
アニスがものすごい勢いでドレスをしまい込み、その他諸々を私の前に置いて行きます。
今度はこれをじゃんじゃん無限収納にしまう。
そしてアニスのリクエストに従ってどんどん取り出す。

「ん？こんなに色々あったかしら？」

「あればあるだけ良いので出して下さい！時間は限られてます！」

短時間でチョッパヤで作業してるアニスが怖いです。
ん？んー？何か違和感感じるんですけど？あれ？一瞬だけ？え？何かしら？