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new world 52

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「婿殿達は理解しておじゃる。何ら問題も無いでおじゃる。での……小姫、明日は高台にある風の谷で縁を結ぶために精霊様達を呼ぶでおじゃる。さすれば小姫を気に入った精霊様が来るでおじゃる」

うん。なんか興奮気味で言ってますね。

「でも風の精霊はハーピィーですよね?」

「違うでおじゃる。風の精霊様は様々な姿を持っておじゃる。小姫の力に相応しい精霊様が一等最初に来るでおじゃる。小姫が気に入ればそのまま縁を結ぶでおじゃる」

「気に入れなければ違う子を望んで良いのかしら?」

「残念でおじゃるが、それも仕方ないでおじゃる……」

本当に残念そうです。うーん……ハーピィー以外にそんなに種類があるのか……興味あるけど……

「とりあえず明日やってみて素敵な出会いがあれば、そのまま縁を結びますね!じゃあ難しい顔わしないで夕餉を楽しみたいです!」

「小姫は可愛いでおじゃる!笹を持って来るでおじゃる」

朱塗りの銚子を持った女性が大婆様の近くに行き、朱塗りの盃にお酒を注ぐ。
それにしても……お酒の古い言い方、笹を使ってるなんて現代日本人かと思ったけど戦国時代とかの人なのかしら?謎だわ、里長様。
どこかホッとしてる家族の顔に内心私もホッとする。
そんなに重大なネタだったのかしら?でもお父様もお母様もお酒飲み始めたし、良いかな?
って大婆様が飲んでるのって日本酒よね?ここでは普通に作ってるのかしら?でもお母様は余り知らなかったみたいだし……んー……?

「大婆様、こちらでは日本酒を造っていたんですのね。エリーゼが出した物以外口にした事がなかったから驚きですわ」

お母様が若干拗ね気味に大婆様に言うと、大婆様はクスクスと笑う。

「仕方なかったでおじゃる。里長様から二十歳を超えるまでは酒は与えては成らぬ決まりでの……もう決まりはとうの昔に過ぎた故出したのじゃ」

まさかのシルヴァニアの里、未成年飲酒禁止でした。

「まぁ……そんな決まりが……知りませんでしたわ」

お母様が少しだけ驚いて言葉を返す。

「なんぞ里長様が難しい事を言っておったでおじゃる……妾にはよく分からないこと故、二十歳までは飲んでは成らぬとだけ言いきかせておじゃる」

難しい事……謎……やっぱり現代日本人の可能性が高い。でも時代劇?それとも寺社オタクとか?うーん……歴史オタクの可能性もあるとか?
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