婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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new world 46

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「さて、急ぎ大婆様の所に行きましょうか」

お母様の一言でこのまま向かう事になりました。
ゆるい坂道を登って段の小さな階段(花崗岩)を上がって……とんでもなく立派な古民家?と言うより本丸御殿みたいなのが見えました。どうやらあそこに向かってる様です。

「お母様……あの立派なお屋敷ですか?」

「ええ、そうよ。まずは到着の挨拶をしたら大婆様が泊まるお部屋をお決めになるから、そうしたら着替えてゆっくりしましょう」

「はい」

なんかこう……こちらの世界の基本ルールと違う。

「まずは挨拶なんだな……」

ルークが小声で聞いてくる。

「そうね。マイナールールだとは思うけど、ちゃんと意味があると思うわ」

「その通りよエリーゼ。ご挨拶の済んでない者は里に留まり続けれないのよ」

「そうなんですね」

「ええ。分からない事はこそこそ聞かずにちゃんとお聞きなさい」

「はいっ!」

ルークがピシッとお返事しました。いや、ほら、お母様の圧が凄いですから。
ついね……つい小声になっちゃうんですよ。

「エリーゼ、貴女もつまらない事を考えてないで頂戴」

バレてた!ホホ……と笑って誤魔化す。

「仕方ない子ね。さ、大婆様の所は履き物は履いてはいけないから脱いで向かいますよ」

立派な門を抜けて石段を上がると大きな玄関がありました。
うん、どこの老舗高級旅館かな?って感じです。

「お待ちしておりました。奥の牡丹の間にて待っているとの事です」

「分かったわ」

牡丹の間……何とかの間が沢山あるんだな……きっと……
扉が開かれ、三和土も広いし式台に上がり框も立派でピカピカ……

「懐かしいな……」

「エリーゼ……」

ルークの心配そうな顔が私を見つめてる。
前世住んでいた祖父の家もこんな風に玄関広かったな……何十年と磨き上げた板はこんな風にピカピカで祖父の大事にすればいつまでも美しく保てれるからと皺くちゃな顔で笑ってた。
でも過去に捕らわれて浮かない顔したら心配かけちゃう!
笑顔!笑顔よ私!

「大丈夫!昔、こんな感じの家に住んでたからちょっとね」

「そうか、分かった。無理だけはするなよ、いつだって側に俺がいるからな」

「うん、ありがとう」

ボディスーツだけど足首から下は素足を晒してる妙ちくりんな格好だけど、それわ言ったらルークもお父様も履き物脱いでるからちょっとおかしいけど仕方ないです。
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