婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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new world 9

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色とりどりの花畑に入って行くと、甘くて爽やかな香りが漂って来る。
とりあえず進路としては、ここを突っ切ってそのまま森の中に入って、壁づたいに左右どちらかに進もうかな……と思ってるけど……ルークに選んで貰って行こうと思う。

「ここに立ってるだけで気持ちが良くなるな……」

「ん……ああ、カモミールも咲いてるし癒されるんじゃないかしら?」

「凄いな。ハーブティーはここのを摘んで?」

「摘む時もあるし、畑から収穫する時もあるわね。数に限りごあるもの……て、ここ普通の草花が無いのかも」

「それは凄いな」

「さて!のんびりしてられないわよ!走ってどんつきまで行こっか!」

「真っ直ぐ突き当たりの事だっけ?」

「あー……うん、そう!じゃあ行ってみよう!」

宣言して走り出す。ルークも難なく併走してる。
楽しくて速度を少しだけ上げる。全速力だと止まる時が大変だから(笑)壁に穴空いちゃう(笑)
流れてく景色も大きな根で凸凹の地面も気にせず走る。

「エリーゼ!」

いきなり手首を掴まれ立ち止まった瞬間、抱きしめられそのままキスされた。

「んぅ……」

甘くて甘くて溶けそうになる。
解放されてギロリと睨んでみたけど、頬を撫でられ心臓がバクバクする。

「二人きりで深い森の中で、つい我慢出来なくて……嫌だった?」

「嫌じゃないけど……ちょっと……」

「ホントはもっと色々したいけど、さすがにね」

色々!色々って……ここで?ワイルドだけど、皇子様が言うセリフでもないし!そこまで盛っても困っちゃう!

「ククッ……想像した?そんな顔したらダメだよ。誘ってるのかなって誤解しちゃうから」

「うっ……うん……」

ちょっとだけアリかも?なんて思った事は内緒です!

「さ、行こっか。まだ先があるみたいだからね」

「行こっ!」

今度は手を繋いで走り出す。
繋いだ手が熱い……でも私より大きな手が心地良い。
斜面は下り気味になってきて、もうすぐどんつきだと思うと少し残念な気になってくる。
見えた壁はしっかりした石壁?よね?

「……これ……一見すると古い丸太壁に見えるけど……良く公園とかに使われるアレだよな?」

「うん……アレにしか見えない……壁の修復とか聞いた事ないもの……」

「ひょっとして、ここ……侵入されやすい?」

ここじゃないのよね。侵入されやすい箇所は……
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