婚約破棄されまして(笑)

連載

春が来た！ 202

「私……いつかこの世界でも薄い本を作るわ！マリエルと一緒に！」

「ヤメロ！」

「ふふ……まだ製本は出来ませんわよ。技術が追い付いてませんもの」

「あ～……残念～～」

途中でルークが止めたけど、製本技術には着手してないから薄い本はムリなのよね。

「でも識字率は上げたいから製本技術も早めに着手したいわね」

教科書とかノートとか作りたいかなー……

「こっちってまだ羊皮紙的なヤツよね？」

「そうね。主な本とかは皮ね……んー……少しずつ植物紙が普及すると思うけど」

コウゾやミツマタは栽培して、そこから和紙を作ってる……筈だし。
……毎日が忙しくて忘れてるな……

「和紙？」

ラーラルーナ様が聞いてきたのでコクリと頷いて肯定する。

「和紙の原料って……何かしら？」

「コウゾやミツマタよ。樹皮を加工するんだけど、大変なのよね……あー……でも魔法を使って何とかすればもっと出来る……？」

うん！細かい事はお兄様達に聞いたりすれば良いや！

「魔法って便利よね。エリーゼ様は相当使えるのよね？」

「ええ！ほぼほぼ無尽蔵に使えるわ！」

自慢です！使っても自動回復ですぐに元通りなんで！

「チートが過ぎるからな」

「チートバンザイ！」

ルークの言葉にサッと乗ります！このテンポは良いテンポ！テへ♡

「もうじき結婚だから、凄い息がピッタリなのね。羨ましいわ……私、キャスバル様と上手くやれるかしら？」

やだ！不安なの？不安なのね！大丈夫よ！ああ見えてキャスバルお兄様は紳士だし、優しいから！

「キャスバルお兄様ならきっとラーラルーナ様の不安を取り除いて下さるわ！そこらの貴族令息なんて話しになりませんから！」

「確かにな。キャスバルは頭も良いし、度量も広い。しかも顔も体も良いし、俺の知る令息や現役貴族の中でも群を抜いてる。シュバルツバルト侯爵家自体！優秀な者ばかりで驚く程だ」

褒められました！嬉しいです！

「へぇ……割と評価厳しいのにね……そっか……」

「ああ、婚姻式が済んで帝国に行ったら独立宣言するからな。王国よりもしっかりした国になるから苦労もそんなにしないだろうな」

ん……？そう言えば今、王国って言うか王都ヤバい？いや、もう温かくなってきたからピンチは脱したのよね？やだ、ちょっと確認しないとだわ！基本アンネローゼ様とミネルバ様の事だけしか考えてなかった！
王都の我が家の事はお父様に任せておけば大丈夫って思ってたしね。