婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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春が来た! 166

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早足で移動して湯の館に到着しました。ん?んー……お母様達はどこにいるのかしら?
キョロキョロしてるとシンシアが階段目指して歩いて行きます。
二階にいるのかしら?

「エリーゼ様、こちらです」

二階のホールにいました!お母様も大婆様もその他の人達もザワザワしてます。

「エリーゼ!待ってたのよ。上に上がる階段も無いし、どうしてなのかと思って」

あー……そうだった。出来心って怖いよね……私、三階から上には許可制にしよ!と思って(チートwww)魔法使いまくってエレベーター的なヤツ作ったんだよね。
しかもぱっと見じゃ分からないようにしてたのよね……

「とりあえず上に案内致しますわ」

「行けるのね!」

「勿論です、お母様」

二階ホールの壁際に飾ってある二つの大きな壺(チビナビちゃん製作九谷焼風?)の間の右寄りにある小さくて薄い丸いボタンを押す。
壁にしか見えない場所が音も無くスーーっと開く。
背後からザワつく声が聞こえますが無視です。
大型エレベーター(風なヤツですよ!)なので百人乗っても大丈夫!
ですわよ。

「皆様こちらへ」

殆どの方がおそるおそる入って来ますが、お母様と大婆様は目がキラキラしてます。
造りはエレベーターと変わりません。扉に向いて右側に黒い透明っぽいプレートに手をかざし、「四階に」と喋り掛けるだけで扉が音も無く閉まりポーン!と音が鳴ります。
到着です。実はこのプレートは魔石です。登録さえすれば使えますよ!超便利!

「とりあえず四階で説明致しますわ、皆様あちらへ」

「凄いでおじゃる!音も無く動いたでおじゃる!」

うん、大婆様めちゃ楽しそうですね。ウキウキしながら四階ホールに歩いて行きます。
元気ですね。多分、かなり高齢な筈なんですけど。
だってお母様の祖母でしょ?お母様、そろそろ五……ゾクリ!

「エリーゼ、つまらない事は考えたりしないでね」

なぜ、バレたし!おっかねーですわよ!

「勿論ですわ、お母様」

余りのヤバさに背中がゾワゾワしっぱなしです、美魔女に年齢に関わるトークは禁止でござる!
さ!さっさと説明して登録もして、気持ち良く過ごして貰おう!
後一週間で婚姻式だし、婚姻式が終わってもすぐに新婚旅行って訳じゃないですから!
私はエレベーター的な所から出て、私を待ってるお母様達の元へと歩み寄る。
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