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春が来た! 165

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それにしても怒濤のような時間だったわ……
お昼ご飯食べて、すぐにお出迎えの準備してエントランスホールで待って。ご挨拶して……あっという間だったわ。
こうしてのんびりティータイムを味わってるとさっきまでのバタバタが嘘みたい。
って、そんな訳ないわっ!

「ふぅー……今日は晩餐会よね。大物のお客様が二組……二組で良いのよね?」

「合ってるよ」

「失礼致します!エリーゼ様!大至急ご相談したい事が!」

トールお兄様と平和な一時を過ごしてましたが、お母様の専属侍女シンシアが飛び込んで来て一気にそれどころじゃ無い雰囲気をまき散らしてます。

「ど……どうしたの?」

「はい。実は先程フェリシア様が大婆様達を裏庭の湯の館へご案内致しましたら、大層気に召したらしく滞在出来ないかと申されまして。湯の施設としては一階二階のみでしたが、その上はどうなっているのかフェリシア様も知らない様で……是非とも案内なり説明をして頂きたく参りました」

あー……あれ、本当は五階建てだもんね。何にも説明とか案内してなかったや……

「では、すぐに参ります。トールお兄様、楽しい一時をありがとうございました」

「ああ、また晩餐の時に話そう」

「はい。シンシア、先導を宜しく、アニス、よろしくって?キースはフレイについてらっしゃい。説明を求められたら私にそう言われたとお言いなさい」

「はっ」

キースは短く返事をするとフレイの隣にサッと移動しました。
アニスが私の斜め後ろに付いたのをシンシアは確認すると歩き出しました。こういう所がさすがとしか言えないのよね。

「大婆様は湯の館が気に入ったのかしら?」

「気に入ったのもあるのでしょうが、里の建物に似た造りでもあるので滞在出来るならそちらで……と言う事だと思います」

歩きながら聞いてみたけど、そっか……着物を着てたり、話し言葉とか聞いてると和風と言うより昔の古き良き日本文化の人っぽいもんなぁ……

「そうなのね」

湯の館の三階は和洋折衷だけど、四階と五階は純和風なのよね。
畳でゴロゴロ出来る部屋が欲しいと思ったけど、ちょっと凝り過ぎて五階とか御殿みたいになっちゃったんだよね。
チビナビちゃんが作ってくれたアイテムとか使ったり飾ったりしたいと思ってやり過ぎちゃったのよね……
とりあえず案内して気に入って貰ったら、そのまま泊まって貰おうっと。
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