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春が来た! 161

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私達はトールお兄様の側近フレイと私の侍女アニスとルークの側近キースを連れて、トールお兄様にエスコートされて本館一階のサロンに移動です。
フレイとキースがサッ!とサロンの扉を開いて中に入ります。
そのままソファへとエスコートされて、いつもの場所に座ります。

「ああ、今日は冷たい方が良いから氷を持って来てくれ」

トールお兄様の一言でサロンメイドの一人が静かにサロンから出て行きました。
今や我が家では厨房にロックアイスが常時用意され、好きな時に冷たい飲み物とか飲める様になりました。

「ありがとうトールお兄様、何だか喉が渇いていたから有難いですわ」

「そうかい?日差しも暖かかったからね、そろそろ冷たい方が飲み易いかと思ったんだけどね。そんな風に笑顔が見れるなら役得かな?」

トールお兄様ったら、今日はチャラ男感出まくりですわよ(笑)

「エリーゼ様、何か喉越しの良い甘味を頼みましょうか?」

アニス……それは貴女が食べたいんじゃないの?ゼリーとかババロアとか。
寒天もゼラチンも作れる様になったので、ゼリーとかババロアも食べれます。え?他領は?って他領は食べれませんわよ。だって我が領から材料も技術も流出してませんから。
わざとじゃないのよ。情報伝達速度はノロノロなので、まだそこまでじゃないって言うね。
クック何たらとか懐かしいわ……調べたら即座にわかるツールの素晴らしさよ……
こっちだと人伝か本なんだけど、人伝だって大事な情報だから出し惜しみも凄いしね。
うちは領主家だから、領民を豊かにする一環で簡単なレシピは流出したのよね。
から揚げもラーメンも丼ものも……焼き肉系とから揚げの人気が凄くて、甘味系ももう少し充実させたいのよね。
後はシリアル系だけど、トウモロコシは今からだしグラノーラもまだまだ製作してないからこれからかな?
何たらサンドとかは簡単で食べやすい事から労働者には需要あるし……
うーん……何か目新しいヒット商品を出したいわぁ……
カレーパンとか?でも目新しくは無いわよね……

「考え事?浮かない顔して唸るなんて珍しいね」

「ごめんなさい、トールお兄様。その……何か目新しい美味しい物が出来ないかなぁ……って」

「目新しい?今から段々暑くなってくし、アイスクリームだっけ?あれとかかき氷が良いんじゃないか?他領には到底作り出せないと思うよ?」

ミルクかき氷とか、ミルクの無い他領じゃ無理よね……ニヤァ……
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