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春が来た! 107

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そのまま、数分間ルークはピクリともしませんでした。
きっと何か思うところがあるのでしょう。

「聞いてくれ……生前妹の最推しはルーク皇子だったんだ……それが……そのルーク皇子は俺で悪役令嬢のエリーゼに婿入りして側近を持ってる。この事実に今、滅多打ちにされてる。きっと妹なら最推しが攻めに側近は受けに薄い本を作り出すに違いない。この世界の製本技術が全く進化してなくて良かった……」

ルーク……マジで嫌なのね。でも私……その薄い本見てみたいわ……

「技術流出して良いならやるわよ?」

「止めてくれっ!絶対にっ!」

全力拒否の流れ来ました。余程嫌なのね、夫の嫌がる事はしたくないのよね。
それにしても本気で泣きそうなルークの顔……イケメンはどんな表情でもイケメンなのね……

「分かったわ」

「エリーゼは落ち着いてるな?何でだ?」

あ、顔から手が離れました。

「あら、親しくない他領の貴族とかこちらの事情とか知らないから結構酷い事言うわよ。まぁ、知ってたら言わないし言えないけどね。随分とチクチクチクチクチクチク……本当、大型けしかけれるならけしかけたいと何度思ったか……」

「あー……まあ、そうだな。でも、そんなに言われてたのか?全然知らなかったな。満魔物に女子供が優先的に魔物に狙われるなんて、エリーゼ達も知らなかっただろ?他領の人間なら、もっと知らないもんな。それに魔物除けも商品として売ってるシュバルツバルト家なら、余程の事が無ければ大丈夫なんだろ?」

「そうね、魔物除けも簡易なら小型には有効よ。でもこっちに帰って来る時に簡易じゃ中型以上には効果無しって分かったから、高いけど簡易以上の魔物除け買う貴族とか出るんじゃないかしら?」

あれは運が悪かったとしか言えないけど、それでも安い簡易魔物除けじゃあね……意味ないとしか言えない。
街道には余程の事が無ければ大型も中型も出ないから、馬車用簡易型魔物除けが売れてるんだけどね。

「魔物除けってそんなに種類あるのか?」

「あるわよ。大まかに対小型・中型・大型とあって、更に高さがどれ位とか範囲とかで変わるわよ。簡易型は一番安くて一番売れてるわね、買い手が商人から貴族までだからねー……でもさすがに領地の主要都市とか邸は簡易型だと守れないと困るからちょっと良いのを発注してた筈よ」

うちとお付き合いがあって、近隣の領地は大体ちゃんとしてるのよね。
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