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春が来た! 59

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「ねぇ、半年にも及ぶって事は何か言われたのよね?」

「ああ。婚姻式が済んだ冬には初の長期討伐に行って貰うとお義父上から言われた。俺も行きたいと思ってた、やっぱり自分の力で討伐した魔物の素材でエリーゼにドレスでも何でも作ってあげたいんだ」

……!!やだ!何そのイケメンな言葉!格好良すぎるでしょ!

「いつまでもキャスバルやトールが獲ってきた素材で作られるのは男としても夫としてもダメ過ぎるだろ」

思わず両手で顔を覆ってしまった。だって、そんな格好いい事すぐ隣で言われて嬉しくない訳ないじゃない!
どこまでイケメンなの!
イケメンで皇子様で頭も良くて性格まで良いのよ!スパダリってこう言う事なのね!

「溺愛系ヒロインの鋼メンタル憧れる……」

「は?」

ルークの顔を見れないまま、思わず出た言葉にルークがは?とか言ってる……

「だって、スパダリに溺愛されてるのにキャルン♡な感じで生きてるとか凄すぎない?私、恥ずかしいやら居たたまれないやらもう……どうしたら良いのか分からない……」

「あー……なる程な。普通に溺愛されてれば良いと思うけど?ダメなのか?」

溺愛されてれば良いとか!イケメンはどうして、そんなに簡単に言っちゃうの!

「ムリィ……」

「そっか。じゃあ慣れるまでうんと甘やかして溺愛すれば良いのかな?……大体あれだけシスコン過多の兄に溺愛されてて今更な感じしかしないのにな……」

ハッ!そうだったわ。キャスバルお兄様もトールお兄様も溺愛系お兄様だったわ!
おそるおそる両手をソッと外してチラリとルークを見る。
ルークは微笑んで私を見つめてて、私はやっぱりそんなルークを見つめ返す事も出来なくて視線を彷徨わせるのでいっぱいになる。

「そんなに挙動不審になる事無いと思うけどな」

「だってぇ~」

「ま、その内慣れると思っておこうかな。予定として冬季は留守になるが、それまではこっちで鍛錬しながら領地経営の手伝いって事らしい。冬の長期討伐から帰って来たら視察に行こうな!」

「はい!」

視察……ルークと二人きりって訳ではないけど、それでも一緒な視察の旅に出るってのは楽しみでしかない。
新婚旅行は柵みが沢山あるみたいだから、それを思うと視察旅行は嬉しいし楽しみでしかない。
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