婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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春が来た! 36

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そのまま引き寄せられて抱き締められたら私の心臓の音バレちゃう……

「ドキドキする……」

「ドキドキしてるの?」

「してるよ」

「私も……」

どうしよう……桃の花のピンク色と相まって世界がピンク色に見える……

「あったかい……」

し、良い匂いする……何だっけ……スハスハだっけ?何か分かる……

「エリーゼ……何でそんなに匂い嗅いでるの?さすがに照れるんだけど」

「えっ!」

ルークが照れる程、匂い嗅いじゃった?乙女のやる事ではないのに!恥ずかしい!

「こっちはまだコロンとか無いだろ?シュバルツバルト邸には石鹸とかあるから、まだマシだけど……そんなに普及してないんだよな……」

ん?石鹸なか……無かったわ!そうだった。

「石鹸……普及させてなかった。エリノユには出してたけど……そっか、まだまだだったわね……」

それにコロン……香水か……香水は良く分からないけど、それっぽいのは知ってるから何とかなるかな?てか、ナビさんが分かる筈!

(ね!ナビさん!)

〈勿論ですマスター。香水も勿論作れますし、コロンにする事も簡単です。あっ!チビナビ達っ!〉

(ナビさん?どうしたの?)

〈申し訳ありません。チビナビ達が暴走して香水や精油作りを始めました〉

(え……早くない?)

〈マスターが喜ぶと思っての行為です、早々に出来上がると思います〉

(ありがとう。楽しみに待ってる)

「エリーゼ?何をニヤニヤしてるの?」

覆い被られる様に覗き込まれてて、ビックリしました……

「にっ……ニヤニヤしてた?」

「してた。ちょっと悪い顔してたな」

クスリと笑う顔がちょっとだけ悪くてドキンとします。
もう!こんなにドキドキさせて、どうするつもり!

「あの……あのね、香水とかコロンが作れるみたいなの。だからね、ちょっと待っててくれる?」

パァッ!とルークの顔が輝いた気がしました。

「待つとも!愉しみだな!ハーブとか花びらの乾燥したやつの移り香位しか無かったから、メッチャ楽しみだよ!」

「ふーん……前世では使ってたんだ……」

「ん?そりゃあコロン位使わないと会社で嫌われるだろ?工員じゃないんだからって、工員でも使ってるヤツはいたから普通なんだと思ってたけど」

「さすが都会は違う……田舎だったから、そもそも若い衆が少なかったからね……」

過疎化の哀しみよ……
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