上 下
939 / 1,397
連載

嫁入り支度 116

しおりを挟む
元気いっぱいなのは良い事なので特に注意はしません。それは私の方針です。
少し荒い息のまま私の前にやって来るとお辞儀をして、ニコニコと笑顔を浮かべてます。

「新しい器具を幾つか作って貰ったとの事です!」

……幾つか……て、事はですよ。漉し器じゃない物もあるって事ですよね!

「幾つかなのね。分かりました、今から行って確認して来ます」

「エリーゼ様、少々お待ちを」

ん?アニスが顔を少し強ばらせた笑顔です。
……あ、お茶請けの配分……
甘味の載ったワゴンを動かし、侍女達に何か言ってます。
アニスはお皿に幾つか甘味を載せるとサッと戸棚にしまいました。
うん、アニスが後から食べるヤツですね。
さて、予定変更です。まずはジムの所に行って調理器具の確認をしてから新館チェックです。

てな訳で厨房です。

「ジム!」

「ん?お嬢、どうしたっす?」

「新しい調理器具を見に来たのよ」

「ああ!色々作って貰ってるっ……んですよ!どうぞこちらに!」

そう厨房の入り口まで来たジムはスタスタと厨房の一画へと歩いてく。
私とアニスはジムの後をついて行く。
……うん、懐かしい感じの道具がゴチャッとあるわ……

「結構作らせたのね」

照れくさそうに笑うジムを少しだけ可愛いと思ってしまった。

「前にお嬢がちょこちょこ言ってた事思い出して作って貰ったんで……」

あー……なるほど。ちょいちょい喋ってたわ。そっかぁ……それで色々あるのね。

「この先が楽しみね」

「ありがとうございますっ!」

漉し器に泡立て器に絞り器(口も何種類かあったわ!)大きさも何種類もあるし、頑張って作って貰ったのね。

「じゃあ行くわ」

ジムが頭を下げたのを見て、厨房から出る為に歩き出す。
あー……楽しみだわ。サツマイモも蒸かして濾して芋あん作って貰えるの嬉しいわ。
このまま新館へと向かう。
そして新館に到着して、各部屋を見て溜息を吐く。
どの部屋も発注通り……と言うより、更にグレードアップした感じの作りでありがたさしか無い。
夫婦の寝室と私の寝室……ルークの寝室もだけど、かなり広い。
でも、その一画には何も置かないように指示を出していた。
この一画に正方形の畳を何枚か敷いて、コタツを置く予定だから。
やっぱり畳……好きなのよね……
畳もコタツも無限収納にあるかるこそのオーダーだったんだけどね。
しおりを挟む
感想 5,613

あなたにおすすめの小説

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ

青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。 今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。 婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。 その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。 実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら

キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。 しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。 妹は、私から婚約相手を奪い取った。 いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。 流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。 そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。 それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。 彼は、後悔することになるだろう。 そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。 2人は、大丈夫なのかしら。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

初めまして婚約者様

まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」 緊迫する場での明るいのんびりとした声。 その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。 ○○○○○○○○○○ ※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。 目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。