908 / 1,397
連載
嫁入り支度 85
しおりを挟む
「私達高位貴族の女性であれば乳母がついたり、子供専属の侍女とかもつくのだけどエリーゼにはいなかったでしょう。私達シルヴァニアの女性は誰かの手を借りて育てる事が少ないのよ、だからエリーゼを育てたのは私と言っても良い位なのよ。だからね、安心なさい。私がついてるのよ、もっと自信持って」
意外でした。お母様は元々帝国の高位貴族(公爵)の令嬢なのですが、まさか自ら子育てを実践してる一族だったなんて……
そっか……それで私には乳母がいなかったのですね……
「じゃあ、私も子供には乳母をつけなくても良いのですね」
「当たり前よ。母と娘の間に他人を入れるなんてシルヴァニアでは考えられない事だわ」
……女系で女が尊ばれる一族だっていつだったか聞いたけど、母親と娘ってそんなに強く繋がっているように気を遣われてるって凄いような気がするわ……
「そう……なんですね」
「ええ、それだけ娘という存在は母にとっては大きいのよ。いつかエリーゼにも分かる時が来るわ。私達シルヴァニアの女にとって娘とはどう言うものか……」
お母様の深い微笑みにドキリとする。そうだ……私みたいな前世の知識がある者や特別な能力がある者もいたんだっけ……でも、これ以上この話題に踏み込むのは止めておこう。何せ、ここお店だもの……邸だったら色々聞いちゃうんだけどね。
「そうなんですね。分かる時が待ち遠しいような怖いような気がしてきました。所でお母様、もっと色々見たいですし選んでも良いのですよね?」
「あら!勿論よ。気に入った物があったらどんどん手にして良いのよ」
「嬉しいです、お母様」
そうして壁に掛かった大小様々な額を指で指す。それはどれも可愛い額縁で、バラモチーフや花モチーフで色もパステルカラーだったりピンクや白で可愛いのです。いつか写真とか写せる魔道具とか発明されたら私とルークのツーショットを入れようかと思って。
いつか生まれる子供の姿も収めたい……寝室や居間に飾って好きな時に眺めたらきっと癒されるし、ときめくと思うの……幸せな時間になる……きっと……
「素敵な額縁ね。エリーゼの小さい頃にこのお店があったら、エリーゼの幼い頃の絵画を沢山飾ったのに残念だわ」
お母様も同じ事考えてた?ビックリしてお母様を見詰める。そんな私に気がついて照れた様に笑うお母様可愛いです!そして最高です!
意外でした。お母様は元々帝国の高位貴族(公爵)の令嬢なのですが、まさか自ら子育てを実践してる一族だったなんて……
そっか……それで私には乳母がいなかったのですね……
「じゃあ、私も子供には乳母をつけなくても良いのですね」
「当たり前よ。母と娘の間に他人を入れるなんてシルヴァニアでは考えられない事だわ」
……女系で女が尊ばれる一族だっていつだったか聞いたけど、母親と娘ってそんなに強く繋がっているように気を遣われてるって凄いような気がするわ……
「そう……なんですね」
「ええ、それだけ娘という存在は母にとっては大きいのよ。いつかエリーゼにも分かる時が来るわ。私達シルヴァニアの女にとって娘とはどう言うものか……」
お母様の深い微笑みにドキリとする。そうだ……私みたいな前世の知識がある者や特別な能力がある者もいたんだっけ……でも、これ以上この話題に踏み込むのは止めておこう。何せ、ここお店だもの……邸だったら色々聞いちゃうんだけどね。
「そうなんですね。分かる時が待ち遠しいような怖いような気がしてきました。所でお母様、もっと色々見たいですし選んでも良いのですよね?」
「あら!勿論よ。気に入った物があったらどんどん手にして良いのよ」
「嬉しいです、お母様」
そうして壁に掛かった大小様々な額を指で指す。それはどれも可愛い額縁で、バラモチーフや花モチーフで色もパステルカラーだったりピンクや白で可愛いのです。いつか写真とか写せる魔道具とか発明されたら私とルークのツーショットを入れようかと思って。
いつか生まれる子供の姿も収めたい……寝室や居間に飾って好きな時に眺めたらきっと癒されるし、ときめくと思うの……幸せな時間になる……きっと……
「素敵な額縁ね。エリーゼの小さい頃にこのお店があったら、エリーゼの幼い頃の絵画を沢山飾ったのに残念だわ」
お母様も同じ事考えてた?ビックリしてお母様を見詰める。そんな私に気がついて照れた様に笑うお母様可愛いです!そして最高です!
99
お気に入りに追加
16,810
あなたにおすすめの小説
婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ
青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。
今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。
婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。
その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。
実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。
【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜
真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。
しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。
これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。
数年後に彼女が語る真実とは……?
前中後編の三部構成です。
❇︎ざまぁはありません。
❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。
私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。
しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。
だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。
奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら
キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。
しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。
妹は、私から婚約相手を奪い取った。
いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。
流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。
そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。
それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。
彼は、後悔することになるだろう。
そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。
2人は、大丈夫なのかしら。
わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載
初めまして婚約者様
まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」
緊迫する場での明るいのんびりとした声。
その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。
○○○○○○○○○○
※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。
目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。