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嫁入り支度 83

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「さ、ゆっくり見て回りましょう」

「はい!エリーゼ様」

私もアニスも部屋には置いてない可愛らしい小物にときめきが隠せません!

「アニス!欲しい物があったら買うわよ!」

「ありがとうございます!」

専属侍女だから、色々買ってあげたいと思うの!だってこんなに可愛かったらアニスも色々欲しいと思うのよね~♡私も欲しいものね♡
バラの花モチーフのトレーとかブラシとか可愛いし、手鏡も可愛い。夢あるわ~♡

「エリーゼ、日傘。新調しましょう」

お!お母様がニコニコしながら来てますよ~♡日傘かぁ……そう言えば、新しい物って……無かったかも。いや、あるかも知れないけど……特に注意してなかったわ。
こっちに帰って来てから日傘を使うような事なかったものね。

「はい、お母様」

お母様の側へと移動すると種類の違う日傘が何点か置いてありました。色も白とかピンクで可愛いです!

「広げて見ても良いのでしょうか?」

「はい、勿論です。どれも自慢の品でございますよ」

店主の言葉を聞いて、気になったピンクの日傘を手に取り開く。
ピンクの日傘にはフリルの縁取りがしてあり、同じようなピンクの糸で花の刺繍が散らばっていて可愛い。所々に優しいパステルグリーンの葉っぱが刺繍されてて、やっぱり可愛さが増されてる。
日傘を閉じて、元あった場所に戻す。

「可愛いわ……」

「あら、可愛らしかったわね。他のも見てみましょう」

お母様が手にしてる日傘は白い物です。

「あら?次はこれを見てみましょうか」

お母様はそのまま日傘手にした日傘を広げると、白い日傘はやっぱりフリルの縁取りに大きな白いバラと蔓が刺繍されてて豪奢です。

「これも素敵ですね!」

「ええ!私の好きなバラなのも気に入ったわ。エミリ」

「はい、畏まりました」

サッとやって来て、サッと受け取ってサッと持って行ってしまいました。さすが専属侍女です。

「エリーゼもさっきの可愛かったのだし、気に入ったのなら買って良いのよ、遠慮なんてしないで」

お母様……嬉しいです!

「ありがとうございます、お母様。でも他のも見てみて決めたいと思って」

「あら?気に入った物は全て買うから、遠慮は無しよ」

お母様が大盤振る舞いです!どうしたんでしょう?

「フフッ……いつもエリーゼには甘味で幸せにして貰ってるもの、気にせず選んで欲しいわ。勿論、アニスの分も私から出しますよ」

あ……お母様の笑顔から圧が……ここで断ったりしたらダメですね……はい……
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