婚約破棄されまして(笑)

連載

嫁入り支度 61

そうこうする内に私達の前に朝ご飯が並べられる。
お粥にだし巻き卵、ジャガイモの味噌汁に白菜の浅漬けにホッケサイズのアジの開きが並べられる。
箸を手に持って、小さく「頂きます」と呟く。隣からも「頂きます」と声が聞こえる。
二人でゆっくりと朝ご飯を頂く。
チラリと見たカワイコちゃん達もまぐまぐと食べている。ヒナだけがシャクシャクしてるけど。

「美味いな」

ジャガイモのお味噌汁を啜りながら呟くルークに、ジャガイモ好きなのかな？と少しだけ思う。季節の野菜は大抵美味しいよね……そろそろ春だからエンドウ豆の味噌汁とかも季節よね……
お魚の塩味がお粥と良く合ってる。
浅漬けも美味しい……そしてだし巻き卵の優しい味よ！
もう、何も言う事が無いわ……ありがとう料理長！ありがとうジム！
食べきった所で小さなお饅頭と緑茶が出された。
美味しい……緑茶も甘さ控え目な小さなお饅頭も丁度良い。

「失礼致します。ドレーク総料理長とジム副料理長が参りました」

二人が近付いて来て、頭を下げる。
厨房では余り畏まったりしないけど、さすがに食堂だとちゃんとしてる。

「お話しがあると……」

食事もデザートも終わってるので、向き直って二人を見る。
料理長とジムにお昼ご飯のリクエストとデザートのリクエストをしておく。
特にお昼のデザートは重要です。
白あんにイチゴを潰して作ったソースを混ぜて、更に生クリームを加えてまろやかで甘酸っぱい感じにして貰いそれをスポンジに挟んで貰う。
ケーキの外側は甘さ控え目な生クリームでデコレートして貰って、たっぷりのフルーツで飾り付け。
勿論、イチゴもたっぷり！
ジムのリクエストのフルーツをドサドサと出した。
お昼ご飯のメインは肉料理。
エリノユの街が出来た事で多くの魔物肉が手に入ったのだけど、どうやらエリノユの街から出て暫く行った所で牛っぽい魔物……ミノタウロスがいたらしいです。
しかも中々の集団らしく、おかげで牛肉的なお肉が少しずつですが領都にも普及しだして来ました。
ゆくゆくは牛肉的な魔物肉の為に家畜化出来ないかとトールお兄様が言っていたとアニスが言ってました。
アニスの情報源はシンシアでシンシアはフレイから聞いたらしいのです。どうやらフレイが牛肉的な魔物肉を大層気に入ったかららしいです。
食いしん坊、バンザイ三唱です。