婚約破棄されまして(笑)

連載

嫁入り支度 41

「それが、どうしたと？」

えっ？る？ルーク？何か声のトーンが低いわよ。

「は？」

キャスバルお兄様の声がまた低くなったぁ！

「ドレスもお飾りも身に着ける物全て俺の好みに変える事も婚姻すれば出来るんですよ」

何、言ってるの！ルーク！

「黙れ、小僧。せめて、もう少し出来るようになってから物を言え」

「クッ！」

キャスバルお兄様が容赦ない～！ルークはキャスバルお兄様よりも十歳は年下なのよ！大人げないわよ！

「……キャスバル。どうして俺の立場を取り上げるんだ？そこは俺がいうこと所だろう……」

あ……お父様が凹んだ。

「全く……我が家の男は娘を溺愛し過ぎだわ。さ、食堂に行きましょう。キャスバルはエリーゼを降ろしなさい、もう小さい子供ではないなよ」

「仕方ない……」

解放されましたぁ！キャスバルお兄様、今日はキッツかったわ。いや、私が余計な事を言ったのが悪いとは思うのだけど。
それにしても、シスコンは止まらないから諦めろって事かぁ……でも手加減しないってこれ以上どうするつもりなのか。
まぁ、その時になったら考えよう！今は夜食よ！

「とにかく、行くぞ！」

お父様がヘニョリとした顔で勢いよく言って歩き出しました。私達もお父様の後を付いて歩いて食堂を目指します。
勿論、側近や侍女達が周りを固めています。そして私達の後ろをカワイコちゃん達がチョコチョコついて……ついて来てます。例外はノエルだけですね、ルークに抱っこされてます。
…………ニンニクの香りがしてきて、本格的にお腹が鳴りそうでヤバイです……

「く～っ！ニンニクとニラの匂いがヤバイな！」

ルークが思わず言った言葉に思わず笑顔になる。この匂いはヤバイ。
他にも唐揚げとかの匂いもしてる……あ～！早く食べたい～！
匂いに誘われてるのか、お父様の歩調も早くなって来ました！しかも全員無言です！
食堂の扉前で家族だけになって側近と侍女達と別れる。
無言のまま席につくと、メイドが手早く目の前のグラスに冷えた水が注がれる。
遅い時間帯ですけど特別手当が付くんで誰も嫌がったりしません。言わば残業手当なんで少し色がついてるんだそうです。
カラカラとワゴンがやって来る音と共に強いニンニクとニラの香りに限界が来そうです！