婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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嫁入り支度 3

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「では参りましょう」

キビキビしてますね。そしてアニスよ、鼻息荒いです。フンフン聞こえますよ。

「アンソニー、新館全てが私達の新居として使って良いのかしら?」

そこはお父様から何も聞いてないのよね。

「いえ。二階から上を新居として使う様に……と伝えられております」

二階から上は弄って良しって事ね。食堂や厨房、大広間がある一階は手出し無用か……

「それと両端にある塔は新居として扱わない様にと」

ん?両端の塔は手出し無用?一階で渡り廊下で繋がってる塔は新居じゃないのね……

「何かあるのかしら?」

「存じ上げませんが、何やら仕掛けがあるので許された者以外は入れない様にしてる……とだけ教えられました」

意味深!意味深な言葉が出ましたよ!仕掛けですって!

「そう。分かったわ」

……それにしても新館は何処も彼処も煌びやかですね。全体的に白い。そしてポイントが金色。飾ってる絵画とか置物とかキラキラしてます。

「使用人……多そうね……」

思わず呟いてしまいました。だってこんなに煌びやかだと掃除とかメッチャ手が要るって明らかですもん。

「多いですよ。本館や別館、両翼棟とは違いますからね。ですが、この新館のおかげで領都の女性達の生活が豊かになったのです」

なる程。仕事が無ければ困ります……って領都はいつでも働き手が足りないじゃない!だ……から?いや、元王都民いてもエリノユ作ったからまた人手不足に……

「姫様。それはそれ、これはこれですから」

読まれてる!読まれてるよ私!何よ、考え無しとか思われてるの?それとも私の考えなんかバレバーレだって言いたいの?!
チックショウ!

「この新館は帝国の装飾に似てるな。全体的に煌びやかで荘厳、豪奢な造り……他とは大分違うな。外観だけは他と似せているがな」

「そうなの?」

え?確かに新館の中はお母様の趣味全開だと思っていたけど、その実王国風じゃなく帝国風って事なのか……

「ああ。ここに何年か住んで帝国の宮殿に行けば違和感無くすぐに暮らせるだろうな」

へー……帝国の宮殿……お父様が昔言ってたっけ。とにかく広くて大きくて豪奢だって。実際住んでた人が言うと説得力あるなぁ……

「じゃあルークはこんな感じの所で育ったのね」

「あ……ああ。そうだな」

あれ?何か反応変じゃない?帝国で色々あったのかな?
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