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新天地を! 219

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ルーク達が出て行った後、本当のご褒美としてハバネロあげよう。そうしよう。
それにしてもルチルに対してはお兄ちゃんモードになって可愛くなるわよね。

「まぁ、とりあえず晩ご飯前だから三粒ずつ出すから」

それ位なら大した量じゃないし、大丈夫でしょ。
ポロポロと三粒ずつ出して少しだけお皿をルークの方に出す。

「座ったら……」

「ああ……」

チラッとルチルを見る。ルチルにはチョコレートは喜ばないから辛い物が良いのは分かってる。
でもハバネロはあげない。
唐辛子(鷹の爪)を二本出してルチルに差し出す。

「チョコレートはルークとノエルで食べたら良いわ。ルチルにはこれをあげるわね」

「ありがとう」

ルークの脊髄反射なのかと思う程早い返答に少しは罪悪感あるのかな?と思う。

「おいしそうにゃ!ありがとにゃ!ご主人、いっしょにたべるにゃ♡ボクがたべさせたいにゃ♡」

……絶対に勝てそうにない小悪魔ワードを繰り出すノエル。
なぜにこんなに女子力高いのか……ご教授願いたい程のスキル……シット!

「いや、ノエル。ちゃんと自分で食べるから。それとノエルも一粒ずつ食べると良い」

「お茶を」

私の一言でルークの目の前に紅茶が用意された。
ルチルは私達をチラチラと見てから唐辛子を見つめる。

「にいにとはちがうピカ……」

「ご褒美とチョコレートの代わりは違うのよ」

ルチルにちょっとだけ優しくなれない。疲れてるから心が狭くなってるのかしら?
でも、強請って当たり前のように貰って食べるのは何かが違うと思うのよ。
今までもこんな風だったのかしら?
ピカ太郎も何か言いたそうに私を見てるし……

「はぁ……」

ピカ太郎をヒョイと抱き上げ膝の上に乗せる。それだけで分かり易い程挙動不審になるピカ太郎。
くっ付かせない様に両手で掴んだままに為ておく。

「ピカ太郎。ちゃんと聞いてね」

「ピカ……」

とりあえず聞く準備は出来てる。

「ピカ太郎がルチルにあげたい気持ちは分かる。分かるけどルチルの主人は私じゃない。勝手にあげたり貰ったりは良くない事よ、勿論ルチルの主人が私に言ってきたなら私も気持ち良くあげたと思う。一緒にどこかに行って採取してきたとかとは違うでしょ?だからね、ピカ太郎。今度からは私に一言言ってね、一緒に食べたいって」

……ピカ太郎に言って気が付いた。
どっちかが我慢するんじゃない、一緒に食べて欲しかったんだ……

「俺も言えば良かった。済まない。ルチル、今度からは俺にちゃんと言えるか?」

ジッとルークを見つめるルチルがコクリと頷いた。

「わるかったピカ……にいに……ごめんピカ……」

「いいピカ!ボクもかってにあげたのがよくなかったピカ!こんどからいっしょにいうピカ!」

ちょっとだけ良い感じになった。気がする。
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