婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 173

「じゃあ建てて来るわ！ルークはトールお兄様と一緒にいて良いわよ」

「いや。そろそろ多分……」

何かしら？

「ここにいたにゃ！」

「さがしたにゃ！みんなそとにいるにゃ！」

タマとトラジが温室に飛び込んで来ました。
配慮が足りなかった……隊員達が何とかしてるだろうと高をくくってました。

「……ノエルもルチルもきょうはおとなしいにゃ。どうしたにゃ？」

タマが意外な事言ってます。でも言われればなる程、今日は随分と大人しい気がする。

「ご主人とはじめてのばしょにゃ……はなれたくなかったにゃ……」

あれ？ノエルがナーバスになってる？ルチルは良く見てみれば、常にキョロキョロとあちこちを見てる。
ルークの肩の上だから見晴らしはそれなりに良いと思うけど……ん？

「ちょっとだけルークの方が大きい？」

「エリーゼ……」

あれ？ルークがちょっと困った顔になった。
トールお兄様は苦笑してるし……

「エリーゼ。その通りだよ、兄上の次にルークでその次が俺なんだよね。小さくはないけど、言われると傷つくね」

「ごめんなさい。傷つけるつもりじゃなかったの」

「分かってるから良いよ。それに今まで気が付かなかったみたいだしね」

トールお兄様だって決して小さくはない。むしろ結構高い。
……私の身長も低くはない……
お祖父さまはバカ高い。その次にお父様で、キャスバルお兄様がきてトールお兄様なのだ！
お母様は私よりも小さい。小さくて可愛らしいのだ！
年を感じさせない可愛らしさに時々胸キュンする程ですわ！
お父様と言うか、シュバルツバルト家は高身長の遺伝子があるのだと思っておこう。
でも、そう言えばフレイも大きいし我が家は高身長だらけだ……ソニアが小さい子代表格なのよね。アニスよりも小さいし……
身長低いお母様がエミリはともかくシンシアと？いや、身長関係ないのか……考えたらアカン事柄や……

「エリーゼ？」

「えっ！いえ、何でもありませんっ！」

「は？」

「え？」

ルークとトールお兄様がキョトンとしてる。しまった……

「その……我が家の身長の事とか考えてたら、その……お母様と侍女の身長差とか気になっちゃって……」

「ああ……」

「なる程……」

トールお兄様とルークが気まずそうな顔になりました。
そうですよね。私も気まずいです。
気まずくないのは少し離れた場所でニコニコしてるキースとアニスとそれを見てるフレイだけです。