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新天地を! 142

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だだっ広い停車場に順序良く荷馬車や馬車が入って行くと同時に馬達も規律良く移動する。
馬車や荷馬車に繋がれた馬達も定位置に来ると外され、同じ場所へと移動されていく。
大型が載った荷馬車も停まり、輪留めがされ馬達が外された。

「近づいても良さそうね」

「周りも停まってますし大丈夫そうですね」

そう言って荷馬車へと近づく。
デカイ……シャレにならない大きさ。こんなのと戦ったの?鳥が可愛らしく見える程に竜は大きかった。
赤い体は火竜の証みたいなもので、こんなのが炎を吐いたりするのかと思うと怖い……気がする。

「姫様!どうなさいました!」

荷馬車の周りにいた隊員達がワラワラと寄ってきて心配そうに見て来る。

「あ!隊長を呼んできます!」

その中の一人が慌てて走って行ってしまった。いや、ルークを呼ばなくても大丈夫だけど……いや、今はちょっと照れそうで何だか……

「あの……お父様から大型の収納を頼まれただけなのよ。私が収納すれば解体まで一気に出来てしまうし、傷まないから……」

うん。本当だよ。本当の事しか言ってない。

「そうでしたか!総大将からのご指示でしたか!姫様は凄い力を持ってます!解体は明日からになるから少々傷むかも知れないのに、姫様ならすぐにしまって解体まで終わらせてしまうんですね!自分もそんな力があったら良かったんですけど、こればっかりは……残念です」

「いえ……でも誰でも無限収納が出来たら悪用される可能性もありますし……そう残念がる事でも無いと思いますわ」

ションボリする隊員を慰める。うん……なまじっか無限収納出来るのに対抗手段なかったら悪用されるばかりで辛いかも。

「エリーゼ!」

スンゴイ勢いで走って来るルーク……と併走してやって来るキースとノエル。ルチルは残念ながらちょっと遅い。

ハアハアと荒い息でやって来たルークの僅かに汗ばんだ顔とか……爽やか系イケメンめ!と思ったけど、併走して来たキースが腕で額の汗を拭う姿がやっぱりイケメンで……

「イケメン主従、ゴチ!」

思わず叫んでしまいました。
荒い息遣いと汗ばんだ顔とか、何のご馳走なのか!と声を大にして言いたい!

「ヤメロ。その沼は勘弁してくれ……」

「ゴメン」

ルークの困り顔が更に燃料となったが一応謝っとく。だってガチ主従で本当にヤッてるから突っこむと大火事になってしまうから。

「一体どうしたんだ?」

「お父様が収納してくれって言ったから収納しに来ただけよ。だから一段落ついたらスーパー銭湯に行ってね♡頑張って作ったから」

「ああ……分かった」

笑顔で告げたのに、どこか何か困り顔のルークだったけどすぐに大型二頭を収納した。
勿論、ルークとキースはノエルとルチルを連れて戻って行った。
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